多様なアグリゲノム研究から
育種へつなげるソリューション
複雑なゲノムのアセンブリーから低コスト大規模ジェノタイピングまで


イルミナでは、探索/発見から育種における展開/決定までをサポートするアグリゲノム解析製品を提供しています。従来の製品ポートフォリオで直面していた技術的、コスト的課題を克服する、新たなソリューションをご紹介します。

 

植物や魚類のゲノム配列をDe novoアセンブリーによって決定するには、倍数性やリピート配列などの問題により長い時間と多大な労力が必要です。イルミナは、ショートリードデータを補うため、メイトペアシーケンスおよびロングリードテクノロジーを提供しています。これらの組み合わせにより、様々な生物種において迅速な高品質ゲノムのアセンブリーに貢献します。

Oncology
メイトペアシーケンス

メイトペア法は、De novoシーケンスおよび構造変異検出を可能にする、インサートサイズの長いライブラリー調製方法です。数キロベースという長いインサートを持つライブラリーの両端をシーケンスすることにより、数キロベース離れた2つのDNAセグメントの配列情報を得ることができます。この情報と短いペアエンドリードから得られたデータを組み合わせることにより、ゲノム全体を最大限にカバーしたシーケンスに必要なリード長を得ることができます。

合成ロングリードシーケンス

イルミナは2016年、NRGene、10X Genomics、Dovetail Genomicsという3つの会社とのコマーケティング合意を発表しました。ゲノムの構造研究で重要となる長い配列情報を、イルミナの高精度Short Readから再構築するこれらの技術により、複雑なゲノムを持つ生物種のゲノム研究を加速できます。

  • NRGene HiSeqによるPaired End ReadとMate Pair Readを利用し高品質ゲノムアセンブリーを完成するインフォマティクス受託サービスを提供
  • 10X Genomics マイクロ流路システムを介し、分子バーコードで標識したShor ReadからLong Read情報を合成する技術を提供
  • Dovetail Genomics ドラフトゲノム情報に、高次構造を取ることで近接したDNA同士の情報を加えることにより、Scaffoldの連続性を改善する受託サービスを提供
Oncology

生物種のリファレンスゲノムができたら、遺伝子、SNP、構造多型の探索および遺伝型決定には全ゲノムリシーケンスが適したアプローチです。その後、RNAシーケンスによる発現解析と組み合わせたeQTL解析、マイクロアレイによる全ゲノム関連解析などにより。新規に得られた多型情報の形質との関連を特定することが出来ます。

全ゲノムリシーケンス

HiSeqシリーズは、集団規模の全ゲノム解析を低コストで実施できるシステムです。特にHiSeq X Tenシステムにより、ヒト全ゲノムシーケンスがこれまでにない1000ドルという低価格で実施できるようになりました。2015年、HiSeq Xを用いた全ゲノム解析の適用がヒト以外の生物種にも拡張されました。種の制限なく、ゲノムあたり15x 以上のカバレッジで全ゲノム解析を低コストに実施できます。

最新のHiSeq Xシリーズの情報についてはこちら

日本で利用できるHiSeq Xシステムを用いた高品質なゲノム解析サービス
株式会社マクロジェン・ジャパン

数々の大規模ゲノムプロジェクトを遂行してきた実績と豊富なノウハウを基に事業を行っております。全ゲノム解析をご検討の際にはぜひご利用ください。
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株式会社東芝

全シークエンシングから情報解析までを国内で全て行うことで、個別化医療の実現に向けた国内の病院や大学・研究機関等の研究を支援し、ゲノム研究における国際競争力向上に貢献しています。
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RNAシーケンス

リファレンスゲノム情報が整備されていない生物種でも、RNAシーケンスは有効な探索ツールです。トランスクリプトームの比較により、発生や病気、ストレス下の遺伝子発現レベルの変化に新たな知見をもたらします。このアプローチは遺伝子およびタンパク質機能と相互作用を明らかにしたり、組織特異的なRNA転写産物(mRNA、ノンコーディングRNA、低分子RNAなど)およびcSNPを同定したりすることができます。

全ゲノム関連解析(GWAS)

全ゲノムにわたり高密度にSNPをカバーしたマイクロアレイを用いてGWASを行うことにより、遺伝子型と表現型の関連性を明らかにすることができます。農作物や家畜の改良に重要な特性を持つ個体の同定、また繁殖プランの決定およびゲノミック選抜のための情報を得ることが出来ます。

特定の価値形質に関連する遺伝マーカーを同定し、望ましい特徴をもつ家畜、作物を同定するための大規模なスクリーニングに活用することができます。

Oncology
シーケンスによるジェノタイピング

次世代シーケンサーを用いたジェノタイピングは、低コストでフレキシブルにスクリーニングを行うアプローチです。ターゲットリシーケンスでは、事前の知見によって得られたある特定のゲノム領域をディープシーケンスすることが可能で、ターゲットを絞ることによりデスクトップシーケンサーでも十分なデータ量を得ることが出来ます。

低コスト高スループットな動植物用カスタムジェノタイピングキット
TruSeq Genotype Ne の詳細はこちら »

マイクロアレイによるジェノタイピング

低コストで大規模ジェノタイピングを実現するカスタムマイクロアレイ、Infinium XTでは、短期間に多検体のDNAマーカーセットを調べる必要があります。従来、マイクロアレイをこのような用途に用いると、コストやスループットの制限からジェノタイプできるサンプル数が限られるという問題がありました。

Infinium XTは、Infiniumアッセイの実積を土台に新たな96サンプルBeadChip を採用したカスタムマイクロアレイです。1サンプルあたりのコストを抑え、効率的に大規模ジェノタイピングを実施できるよう最適化されています。産業規模のジェノタイピングプロジェクトを、マイクロアレイでパワフルに推進できます。

Infinium XT の特長
コンテンツ 最大5万SNPを搭載
生物種数 異なる生物種用パネルを共存させることができ、複数用途への利用が可能
価格 SNP数、生物種数、サンプル数に応じて決定

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※ご注文は10万サンプル分からお受け致します。

ゲノム編集技術の養殖魚育種への応用

ゲノム編集技術の開発により、非モデル生物でも容易に狙った遺伝子を改変することが可能となった。これまでに農作物や家畜では、長期間に及ぶ突然変異個体の選抜・継代により優良形質を持つ多数の品種が作製されてきた。一方、養殖魚では、品種の作出がほとんど行われていない。本ウェビナーでは、代表的な養殖魚であるマダイとトラフグにゲノム編集を施すことにより、筋肉量の多い品種を短期間で作製することに成功した事例を紹介する。

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ショートリードで仕上げる染色体スケールのゲノムアセンブリ

動植物などある程度大きく複雑なゲノムのde novoシークエンスでは、ロングリードを駆使したとしても、繋がった配列の数やサイズが染色体相当にまとまることはほぼあり得ない。近年、クロマチン動態を調べるための方法として以前から使用されていたHi-Cが、染色体スケールのゲノムスキャフォルディングに盛んに利用されるようになってきた。本ウェビナーでは、Hi-Cを用いたゲノムスキャフォルディングについて、自身の研究室内でサンプルプレップからスキャフォルディングまでを運用してきた実績に基づいて、丸投げタイプの受託や有償キットを利用した場合と比較しながら、効率的な活用方法を吟味する。

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次世代シーケンサーを利用した新規genotyping技術GRAS-Diの開発

”Genotyping by Random Amplicon Sequencing-Direct (GRAS-Di)”は、2回のPCRで作製したアンプリコンをNGSで解析するSNP検出技術です。リファレンス配列を用いたプライマー設計やサイズセレクション、断片化、ノーマライゼーションを必要としない、簡便かつ低コストな技術であり、サトウキビのようなヘテロかつ高次倍数性の生物の解析も可能です。本技術の概要に加え、イネおよびサトウキビでの解析結果について紹介します。

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MIG-seq法:次世代シーケンサーを用いた手軽なゲノムワイド塩基配列分析

MIG-seq(Multiplexed ISSR genotyping by sequencing)法は、NGSを利用した手軽なゲノムワイドSNPジェノタイピング技術として開発された。その特徴として、生物種を問わず広く適用が可能で、例えば標準的な解析では、1度に数百サンプルの少量のDNA試料を対象として、迅速(3日)・簡単(2回のPCRとNGSラン)・経済的(消耗品は〜1000円/サンプル)に数百座以上のSNP分析ができる。

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genomic-selection-in-agriculture
アグリゲノム論文集「農業におけるゲノム選抜」

ゲノム選抜は、ゲノム中に分布する多数のDNAマーカーを利用して育種価を推定し、有用な個体を選抜する育種方法です。ゲノム選抜に関する用語や概念の解説から、応用までのステップや経済的考察までをまとめた和文レビューが完成しました。家畜、水産物、穀物など、様々な生物種での最新の応用事例をご参照ください。

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