Illumina

TruSight Oncology Comprehensive パネルシステム

高度管理医療機器 遺伝子変異解析セット(がんゲノムプロファイリング検査用) 承認番号:30700BZX00100000

TruSight Oncology(TSO)Comprehensive パネルシステムは、固形がん患者のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)サンプルを用いて、一回の検査で517の固形がん関連遺伝子変異を包括的に検出するがん遺伝子パネル検査です。DNAからは一塩基変異(SNV)、多塩基変異(MNV)、挿入・欠失(Indel)および遺伝子増幅(Gene amplification)を、RNAからは既知と新規の融合遺伝子(Fusion)およびスプライスバリアント(Splice Variant)を検出します。

医療機器であるイルミナ次世代シーケンサーNextSeq™ 550Dxシステムとあわせて使用し、機器よりTSO Comprehensiveの解析レポートが直接出力されます。

TruSight Oncology(TSO)Comprehensive パネルシステム

 

517の固形がん関連遺伝子からの変異検出

本検査は、517の固形がん関連遺伝子を解析し、28種類以上の固形がんにおける欧米の主要臨床ガイドライン、薬剤情報、臨床試験に含まれる重要なバイオマーカーをカバーしているため、患者のがん治療の選択肢が広がることが期待されます。

517の固形がん関連遺伝子からの変異検出

 

RNA解析による融合遺伝子等の高精度な検出

RNA解析による融合遺伝子等の高精度な検出

本検査は、NTRK1/2/3に代表される融合遺伝子やMET Exon 14 Skipping等のスプライスバリアントをRNAから検出します。これらの融合遺伝子やスプライスバリアントの検出は、一般的にDNA解析では難しいと言われています。 DNAから融合遺伝子を検出するには、イントロン上にある既知のブレイクポイントの配列を読む、もしくはブレイクポイントを予測する必要があります。しかしながら、イントロンに繰り返し配列などの高次構造を取りやすい配列がある場合は、ブレイクポイントのシーケンスが困難です。また、DNAからブレイクポイントを検出した場合であっても、実際に融合遺伝子の転写物が発現しているかは分かりません。

一方、RNAから検出する場合、すでにイントロンは除去済みであり、実際に発現している融合遺伝子を検出することができるため、正確な検査ができます。近年 RNAから融合遺伝子やスプライスバリアントを評価することは、臨床ガイドラインや関連学会でも推奨されるようになってきました※ 1-4

※1 Lindeman NI, Cagle PT, Aisner DL, et al. Updated Molecular Testing Guideline for the Selection of Lung Cancer Patients for Treatment With Targeted Tyrosine Kinase Inhibitors: Guideline From the College of American Pathologists, the International Association for the Study of Lung Cancer, and the Association for Molecular Pathology. J Mol Dia gn. 2018 Mar;20(2):129-159.
※2 Belli C, Penault-Llorca F, Ladanyi M, et al. ESMO recommendations on the standard methods to detect RET fusions and mutations in daily practice and clinical research. Ann Oncol. 2021 Mar ;32(3):337-350.
※3 Chakravarty D, Johnson A, Sklar J, et al. Somatic Genomic Testing in Patients with Metastatic or Advanced Cancer: ASCO Provisional Clinical Opinion. Journal of C linical Oncology 2022 40:11, 123 1-1258
※4 Major US guidelines for NSCLC and CRC

キャプチャー法の採用により、新規パートナーの融合遺伝子も検出可能に

本検査のターゲット濃縮には定評のあるハイブリッドキャプチャー法を採用しており、アンプリコン法では不可能な新規融合遺伝子の検出が可能です。アンプリコン法の場合、上流と下流の両方の融合パートナーに対するプライマー設計が必須ですが、キャプチャー法の場合、プローブが一方の融合パートナーにのみ結合した場合でもキャプチャーし、シーケンスすることができるため、幅広い既知と新規融合遺伝子を検出できます。

キャプチャー法の採用により、新規パートナーの融合遺伝子も検出可能に

 

TSO Comprehensiveパネルシステムの検出遺伝子

以下のリンクより、TSO Comprehensiveパネルシステムの検出遺伝子リストをご確認ください。

DNAパネル(517遺伝子) RNAパネル、およびスプライスバリアント

 

解析ワークフロー

解析ワークフロー

 

解析結果レポートの主な所見

解析結果レポートでは、QCをパスしたバリアントを独自のナレッジベースを用いて、臨床的に有意なエビデンスがあるゲノムの所見(Genomic Findings with Evidence of Clinical Significance)、または臨床的に有意な可能性があるゲノムの所見(Genomic Findings with Potential Clinical Significance)を持つバリアントのみセクションごとに報告されます。
また、本検査のナレッジベースでは、欧米の臨床ガイドライン、薬剤情報、臨床試験および査読済み論文の情報を定期的に更新しています。

解析結果レポートの主な所見

 

関連資料

がん遺伝子パネル検査に関する説明文書案
M-JP-00368
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