バイオマーカーそのものの数が増えるとともに、臓器非特異的なバイオマーカーであるpan-cancerバイオマーカーも増加しつつあります。一方で、生検組織の量は限られるため、包括的なマルチプレックスアッセイ、CGPのニーズが高まっています。
・学会ガイドラインに含まれているすべてのバイオマーカー
・臨床試験における重要なバイオマーカー
がん免疫療法は注目を集めていますが、その奏効率は低いです。このため、適切なバイオマーカーが求められています。
がん免疫療法のバイオマーカーとしては、TMB, MSIなどがあります。Vanderwaldeらの研究では、約11,000症例において、一般的ながん免疫療法バイオマーカー(TMB, MSIおよびPDL-1)を調べた結果、これらは相関していないことが報告されています*1。TMBとMSIは、相関しているとは限らないため、両方をテストすべきであると考えられています。
融合遺伝子を標的とした治療薬は、複数存在しています。融合遺伝子は多数の融合パートナーを持つため、非常に複雑です。例えば、NTRKは、60以上の融合パートナーを持つことが報告されていますが*2、その数は新規融合パートナーの発見に伴い増え続けています。このため、既知のみならず、新規の融合パートナーも検出できることが、重要です。
2019年10月、イルミナはバンコクで初のCGP Summitを開催しました。オーストラリア、インド、シンガポールから第一線で活躍している臨床医の先生方4名を招待し、それぞれの施設でのCGP活用事例をご発表いただきました。それぞれの発表内容は下記ウェビナー録画でご覧いただけます。
演題 | 演者 | |
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Molecular Profiling of BRAF/NRAS Double Wild-Type Melanomas | Professor Mark Shackleton, Director of Oncology, Alfred Health | 視聴 |
Clinical Implementation of Routine Comprehensive Genomic Profiling in Patients with Advanced Cancers | Dr. Aaron Tan, Oncology Fellow, National Cancer Centre Singapore | 視聴 |
The Bigger the Gene Panel, the Better the Clinical Management of Cancer | Dr. Mithua Ghosh, Director of Clinical Diagnostics, Strand Life Sciences | 視聴 |
Merging Imaging and Genomics - The Future of Advanced Diagnostics | Dr. Vidur Mahajan, Associate Director, Mahajan Imaging | 視聴 |
次世代シーケンサーによる検出には、キャプチャー法とアンプリコン法がありますが、キャプチャー法では、新規融合遺伝子も含めた重要なバイオマーカー検出が可能です。
SVN | Indel | CNV | Fusion (既知) |
Fusion (新規) |
Splice Variant | TMB | MSI | Protein Expression Alterations | |
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キャプチャーNGS | |||||||||
アンプリコンNGS | |||||||||
IHC | |||||||||
FISH | |||||||||
RT-PCR |
References
TruSight Oncology 500は、500ものがん関連バイオマーカーを解析できるパネルで、さまざまな腫瘍との関連が示唆されているDNAバリアントやRNAバリアントを特定することができます。本ウェビナーでは、パネルの仕様をご紹介するとともに、がん免疫療法バイオマーカーであるTumor mutational burden (TMB)をどのように高精度に検出するのか、また、分子バーコードによるホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)サンプルへの対応などについて、ご紹介します。