Illumina

インデックスの不適切な組み合わせによりランが失敗することがあるのをご存知でしょうか。インデックスリードの各サイクルに出現する塩基のバランスが悪いとクオリティ低下やミスコールの原因となります。そのような失敗を防ぐ為のベストプラクティスとして、本ページではXLEAP-SBS試薬を使用する際のインデックスカラーバランスについて解説します。

NextSeq 1000/2000 および NovaSeq Xシリーズシステムで採用されているXLEAP-SBS試薬シーケンスでは、青と緑の 2 色の蛍光物質とその蛍光シグナルを検出して、塩基を決定します(図1)。
シトシン(C)塩基は青と緑、アデニン(A)塩基は青のみ、チミン(T)塩基は緑シグナルのみで識別されます。グアニン(G)塩基には蛍光物質が付加されていません。
各サイクルで青と緑のシグナルがバランスよく出現するようにインデックスを組み合わせてください。

[図1] NextSeq 1000/2000およびNovaSeq XシリーズのXLEAP-SBSケミストリー

MiSeq i100シリーズシステムでも青と緑の蛍光を取得します。塩基の割り当てがNextSeq 1000/2000 XLEAP-SBSおよびNovaSeq Xシリーズシステムとは一部異なり、アデニン(A)塩基が青と緑、シトシン(C)塩基が青で識別されます(図2)。
インデックスシーケンスについては、NextSeq 1000/2000 XLEAP-SBSおよびNovaSeq Xシリーズシステムと同様に塩基の多様性を高める必要があります。

[図2] MiSeq i100シリーズのXLEAP-SBSケミストリー

サンプル数によらず、インデックス選択時に次の条件が満たされる必要があります。2または3サンプルのような、サンプル数が少ないシーケンスランでは実現が難しい場合がありますので、実験デザインの検討時点から注意が必要です。

  1. インデックスリードの最初の2サイクルのうち、いずれかの塩基がG塩基以外である必要があります。(表1)
  2. インデックスリードの全てのサイクルで、青と緑の両方のシグナルが存在するようにしてください。(表2)
  3. 青と緑の両方のシグナルの取得が難しければ、インデックスリードの全てのサイクルで、少なくとも緑のシグナルが存在するようにしてください。(表3)

イルミナ社インデックス製品の塩基配列はIllumina Adapter Sequencesのインデックスキットの種類毎に記載された以下カラムでご確認ください。

  • インデックス1 (i7):「i7 Bases for Sample Sheet」配列 *1
  • インデックス2 (i5):「i5 Bases for Sample Sheet in Reverse Complement Orientation」配列 *1*2

*1:「Bases in Adapter」または、Local Run Manager(LRM)画面表示の配列とは異なる場合がありますので、ご注意ください。
*2: MiSeq i100シリーズのリードファーストシーケンス、NextSeq 1000/2000、NovaSeq Xシリーズの場合。MiSeq i100シリーズのインデックスファーストシーケンスの場合は「i5 Bases for Sample Sheet in Forward Orientation」の配列。

(表1) サンプル1 "GGCTCCATAC"と、サンプル2 ”GGGCATTGTT”のインデックス1 組み合わせは、最初の2サイクルに青あるいは緑のシグナルを持つ塩基がなく、”G”のみとなり、推奨されません。

(表2) 3サンプルの各インデックス "TATTGCGCTC"、”ACGCCTTGTT”、”TTCTACATAC”の組み合わせは、全サイクルに青と緑のシグナルがあり、推奨を満たします。

(表3) サンプル1 "CCATCTCGCC"と、サンプル2 ”ACTGGATCTA”のインデックス組み合わせは、全サイクルに緑のシグナルがあり、推奨を満たします。

[例]インデックス組み合わせによるカラーバランス

Index Adapters Pooling Guideでは、各種イルミナインデックスキットについて、少数サンプル時のインデックスの組み合わせの推奨をご案内しています。
*注意:XLEAP-SBS試薬で推奨されるカラーバランス(インデックス組み合わせ)は、他のSBS試薬を使用する装置で推奨されるインデックスの組み合わせとは異なりますので、ご注意ください。

[例] Illumina DNA/RNA UD Indexesの場合

  1. Nextera & Illumina Kitsを選択してください。
  2. インデックスキットの種類をご選択ください。
  3. [XLEAP-SBS Chemistry] Two-Plex Through Eight-Plex Pooling Strategiesを ご選択ください。
    *注意:[XLEAP-SBS Chemistry]と表記の無い項目は従来の標準SBS試薬を使用する場合の説明の為、こちらは参照しないでください。
  4. 少数サンプル時の推奨のインデックス組み合わせをご確認ください。
    例えば画像のページのインデックス製品(Illumina DNA/RNA UD index)では、2または3サンプルの場合のインデックス組み合わせ例、4~8サンプルの場合には推奨されないインデックス組み合わせ例をご紹介しています。
    *注意:Index Plate CおよびDは、少数サンプルでのシーケンスラン用にデザインされておりません。

    *参考:Index Adapters Pooling GuideのSequencing Chemistry(Color Balance項目内)にイルミナ社システム毎のインデックス選択時の注意事項が記載されています。

Third Party社インデックス製品の推奨組み合わせは、基本的に販売元からの情報をご確認ください。また、XLEAP-SBS試薬で推奨されるカラーバランス(インデックス組合せ)は、他のSBS試薬を使用する装置で推奨されるインデックスの組合せとは異なりますのでご注意ください。

例として、10x Genomics社様から、シングルセルRNAライブラリーをXLEAP-SBS試薬でシーケンスする場合のインデックス組み合わせ例が下記にて公開されています。

上記製品の使用目的は研究に限定されます。
価格やデモンストレーションのリクエストにつきましては、下記フォームからお問い合わせください。

弊社製品について、何かご質問・ご不明な点がございましたら、テクニカルサポートまでお気軽にご相談ください。

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