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平素はNextSeq 1000/2000をご利用いただきありがとうございます。本ページでは、NextSeq 1000/2000のシーケンスラン試薬(XLEAP-SBS)使用上の技術的な注意点をご紹介します。
NextSeq 1000/2000のシーケンスラン試薬(Standard-SBS)使用上の注意点については、こちらのページをご参照ください。Standard-SBSのシーケンスラン試薬は、2025年末の販売終了を予定しています。

NextSeq 1000/2000 XLEAP-SBS*1の仕様 (Specification)

Table 1: Sequencing Output Per Flow Cell

Flow Cell Type P1 P2 P3 *2 P4 *2
1 × 50 bp       90 Gb
2 × 50 bp 10 Gb 40 Gb 120 Gb 180 Gb
2 × 100 bp   80 Gb 240 Gb 360 Gb
2 × 150 bp 30 Gb 120 Gb 360 Gb 540 Gb
2 × 300 bp 60 Gb 240 Gb    
Single-End Reads Passing Filter 100 M 400 M 1.2 B 1.8 B
Paired-End Reads Passing Filter 200 M 800 M 2.4 B 3.6 B

Table 2: Quality Scores

1 x 50 bp ≥ 90% of bases higher than Q30
2 × 50 bp ≥ 90% of bases higher than Q30
2 × 100 bp ≥ 90% of bases higher than Q30
2 × 150 bp ≥ 90% of bases higher than Q30
2 × 300 bp ≥ 85% of bases higher than Q30

*1: XLEAP-SBSキットのご使用には、NextSeq1000/2000 Control Software v1.7以上へのアップグレードが必要です。詳しくは本ページの「よくある質問:ソフトウェアアップデート」をご確認ください。
*2: P3およびP4キットは、NextSeq 2000のみで使用可能です。NextSeq 1000では使用できません。
*これらのNextSeq 1000/2000ランの評価には、SAV (Sequencing Analysis Viewer) v2.5.12以上が推奨です。
*オーダー番号などの情報のある、NextSeq 1000/2000用シーケンスラン試薬の製品ページはこちら(「ご注文」「XLEAP SBS reagents」と順番に選択してください)

使用前の注意点

フローセルは2-8 ℃保存です。ランの前には、保管場所から取り出し、結露が生じないように開封せずに10-15分室温においてください。その後、室温に戻ったことを確認してから、開封してランにお使いください。
カートリッジ解凍条件(時間)はお使いのキットによって異なりますのでご注意ください。

Table 3: Summary of Thawing Methods for XLEAP-SBS kits

  Minimum Time to Complete Thaw Do Not Exceed Storage of Thawed Cartridge *3
25℃ Water Bath*1 8 hours 10 hours 72 hours at 2-8°C
Refrigerator (2-8 ℃)*2 6 hours (room temp) + 16 hours (2-8 ℃) 72 hours (2-8 ℃) 56 hours at 2-8°C
Room temperature 12 hours 16 hours 72 hours at 2-8°C

*1: 解凍するカートリッジの数に関係なく、少なくとも 9.5~10 cm の水深を維持してください。完全に水中に沈める必要はありません。解凍時には、常に袋のラベルが上を向いていることを確認してください。
*2: 冷蔵庫で解凍した場合は、未開封のカートリッジを、シーケンスの前に少なくとも15分間室温で放置します。室温での放置は1時間を超えないようにしてください。
*3: “Storage of Thawed Cartridge”は、Minimum Thaw Timeの後にカートリッジを2-8℃に移動させた場合の時間です。

解凍したカートリッジは、ホイルバッグから取り出し、ゆっくり10回反転させ、中の試薬をよく混ぜます。
その後、カートリッジを平らな面に静置し、図のようにカートリッジのアームを平らな面から約 4~7 cm持ち上げ、ベンチに5回落として泡抜きをします。(参考動画:5秒)この操作により気泡が減少し、カートリッジのコンポーネントが安定します。カートリッジを誤って落とした場合は、このプロセスを繰り返します。

その他、カートリッジの解凍法、またフローセルの取り扱いの詳細については、NextSeq 1000/2000 Product DocumentationのXLEAP-SBS Sequencing Protocolのページをご参照ください。


 
よくある質問:ソフトウェアアップデート
  • 各キットを使用する際に、Control Softwareのアップデートは必要ですか?
  • はい、XLEAP-SBSキットを使用する際にはNextSeq 1000/2000 Control Software Suite v1.7以上へのアップデートが必須になります。この時、オンライン装置についても、Auto updateを使用しないでください。必ずマニュアルで、手順書NextSeq 1000/2000 Control Software Suite v1.7.1 Customer Release Notes and Upgrade Instructionsを参照してアップデートください。

  • 各キットを使用したランの解析に、Onboard DRAGEN workflowのアップデートは必要ですか?
  • NextSeq 1000/2000 Control Software Suite v1.7は、DRAGEN v4.2とのみ互換性があるため、DRAGEN workflowのアップデートも必須です。両方のソフトウェアアップデートを同時にインストールしてください。

    *さらに、DRAGEN 4.2 workflowsでの解析には、reference genomeをversion 9にアップデートする必要があります。XLEAP-SBSキットを使用する際には、一度にControl Software、Onboard DRAGEN、reference genomeをすべてアップデートすることを推奨しますが、順調にアップデートを進めても、4時間程度はかかる作業になるため、初回XLEAPラン実施の前日までに完了させておくことを強く推奨します。手順について詳しくは、手順書NextSeq 1000/2000 Control Software Suite v1.7.1 Customer Release Notes and Upgrade Instructionsをご参照ください。

  • XLEAP-SBSキット用に、Control Softwareをv1.7、DRAGENをv4.2にアップデートした場合、Standard-SBSキットは使用できなくなりますか?
  • いいえ。Control Software v1.7およびDRAGEN v4.2にアップデートした装置でも、Standard-SBSキットでシーケンスラン可能です。

よくある質問:XLEAP-SBSキット
  • シーケンス時間はどれくらいかかりますか?
  • NextSeq 1000/2000 仕様 (Specification) のページの目安をご参照ください。

  • 各キットは、インデックスを含めて最大何サイクルまでランできますか?
  • 全キットに、キット名のサイクル数+38サイクル分の試薬が含まれています。

  • P1、P2、P3、P4 キット間で、ロードするライブラリー濃度に差はありますか?
  • キット間で最適なローディング濃度が異なる場合がありますので、ライブラリーごとにロード濃度の最適化を行うことを推奨します。一般には、P1およびP2の300 cycle以下のキットは、Standard-SBSキットと同じローディング濃度、P3およびP4、またP1およびP2の600 cycleキットについては、Standard-SBSキットのローディング濃度から25%程度低い濃度から検討をスタートできます。また%DuplicateやCoverageなどの二次解析メトリクスもご参照いただけます。詳しくはこちらのページをご参照ください。
    *検討の結果、全キットで同じローディング濃度が最適となることもあります。
    *上記はXLEAP-SBSキットのみに関するご案内です。Standard-SBSキットについては、こちらのページをご参照ください。

  • SAV(Sequencing Analysis Viewer)を使いたいのですが、バージョンに制限はありますか?
  • SAV version 2.5.12以上が必要です。SAV v2.5.12は、NextSeq 1000/2000装置上ではなく、別PC(Windows 10以降)での使用を想定しています。SAV v3.0は、Windows OS用、Mac OS用、Linux用をご用意していますが、現在の Linux用 SAV v3.0は Enterprise Linux バージョン (EL8+) のみと互換性があります。NextSeq 1000/2000 は現在CentOS 7(EL7)を使用しており、互換性がありません。

よくある質問:その他、XLEAP-SBSキットとStandard-SBSキットとの違い
  • Reagent Cartridgeサイズが大きくなりますので、保管スペースにご注意ください。全XLEAP-SBSキットのReagent Cartridgeサイズは、Standard-SBS 600 cycle キットのReagent Cartridgeと同じサイズです。

  • 変性希釈手順が一部変更されています。Denature and Dilute protocol generatorをご参照ください。

  • RTAがバージョン3からバージョン4に変更され、Q-Scoreのbinningが変更されています。詳しくは、こちらのページをご参照ください。

  • BlueレーザーとGreenレーザーによる2色法であることには変更ありませんが、塩基の割り当てが変更されています。XLEAP-SBSでは塩基CがBlue/Greenの両チャンネルポジティブ、塩基AがBlueチャンネルのみポジティブです。詳しくはこちらをご覧ください。

    (*Standard-SBSでは塩基AがBlue/Greenの両チャンネルポジティブ、塩基CがBlueチャンネルのみポジティブでした。詳しくはこちらをご覧ください。)

  • 上記の変更により、少ないサンプル数のランの際、最適なIndex組み合わせに変更があります。必ず、Adapter Pooling Guideの、[XLEAP-SBS Chemistry]と付記されている方の組み合わせをご参照ください。すべてのサイクルにおいて、Blue/Greenの両方にポジティブシグナルが存在することが理想となります。

  • XLEAP-SBSカートリッジには、Illumina DNA PCR-Free Library Prep 用のシーケンスプライマーがあらかじめ含まれていますが、Standard-SBS カートリッジには含まれておりません。

  • その他XLEAP-SBSキットでの変更点について詳しくは、こちらのページご参照ください。

*参考ページ (1): NextSeq 1000/2000 Documentation
*参考ページ (2): NextSeq 2000 Sequencing System specifications (XLEAP-SBS)
*参考ページ (3): [Knowledge Database] NextSeq 1000/2000

弊社製品について、何かご質問・ご不明な点がございましたら、テクニカルサポートまでお気軽にご相談ください。
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