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近年、同じ組織や培養環境にある細胞集団が、実は不均一な細胞の集まりであることが、様々な研究者から報告されている。細胞の不均一性は、ES/iPS細胞や造血幹細胞、がん細胞などで観察されている。この現象は、細胞分化との機能的関連や、薬剤の応答や、増殖能の違いなどが報告されており、再生医療や創薬と深い関連がある。


細胞の不均一性を正確に把握するためには、1細胞が持つ転写産物の量を正しく、網羅的に測定する必要が、1細胞はわずか 0.1 pg の mRNA しか持たないため、DNAシーケンサーで定量するためにはRNAを増幅しなければならない。ところが、報告されている1細胞RNA-Seq法は、再現性が高いとは言えず、検出できる遺伝子数 も3, 4割程度と少ない。そこで、我々は高い再現性とダイナミックレンジを持つ1細胞 RNA-Seq法, Quartz-Seq を開発した。本方法では、7-9割の遺伝子を捉えることができる。また、1細胞だけでなく、30-50細胞程度の微量サンプル (3 pg mRNA) にも適用できるため、その応用範囲は広い。DNAシーケンサーにはもっとも普及しているHiSeq を利用しており、プロトコールも1つのチューブで完結し、クオリティチェックができるよう工夫しているため、これまでの1細胞RNA-Seq 法よりも導入しやすく、簡便で、安定したデータが出力できるのも特徴である。

講演では、Quartz-Seq が高精度で安定である3つの理由を詳しく解説し、細胞の不均一性をどの程度の精度で捉えられるかを紹介する。

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日時
2013/06/14
Location
Japan
Asia
Affiliation
独立行政法人 理化学研究所 情報基盤センター バイオインフォマティクス研究開発ユニット
Presenter
二階堂 愛 先生、笹川 洋平 先生
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