腫瘍組織はその微小環境について大きなバラツキがみられ、他の種類の細胞の存在は、免疫系が腫瘍細胞に浸潤し攻撃する能力に影響を与える可能性があります。有望な新しい治療法が開発されるにつれ、その適切な適用の指針とするためのがん免疫療法バイオマーカーの同定の必要性が増大しています。
次世代シーケンサー(NGS)は、がんゲノムの慎重な解析を可能にし、腫瘍の増殖や治療に対する免疫マーカーの発現をリアルタイムかつ高感度にモニタリングすることで、腫瘍微小環境を効率的に評価することができます。免疫細胞のレパートリーの特性解析、微小環境におけるさまざまな細胞集団の同定、何千ものターゲット遺伝子発現の同時包括的定量のために、次世代シーケンサー(NGS)解析を利用することができます。
このウェビナーでは、免疫腫瘍学のリーダーが、腫瘍の免疫微小環境を治療効果に活用する可能性を評価するための新しいアプローチについて解説します。
RNA解析は、誘発性サイトカインおよび抑制性サイトカインや、T細胞応答を阻害する他の細胞型の局所的な補充など、チェックポイント免疫療法の効果に影響を与える腫瘍微小環境の側面を特定するのに役立つ場合があります。
メチル化異常や転写因子の結合の変化など、エピジェネティクスの変化の研究は、重要な腫瘍パスウェイにおける洞察をもたらすことがあります。次世代シーケンサー(NGS)とマイクロアレイの技術により、メチル化の変化およびがんにおける他のエピジェネティクスのパターンを検出することができます。
がんエピジェネティクスについてもっと知るがん研究者は、腫瘍微小環境研究およびその他の複雑なゲノムデータから洞察を得るために、使いやすいバイオインフォマティクスアプリケーションを必要としています。BaseSpace Cohort Analyzerを使用すれば、バイオインフォマティクスの専門スキルがなくても重要な発見をすることが可能です。臨床試験データのレトロスペクティブ解析は、今後のがん研究および医薬品開発プログラムへの情報提供に役立ちます。
BaseSpace Cohort AnalyzerおよびBaseSpace Correlation Engineの詳細はこちら。
インフォマティクスツールの改良により、ネオアンチゲンの発見や腫瘍微小環境の分析が可能です。
イルミナでは、腫瘍微小環境解析に対応したデータ解析オプションが利用できるライブラリー調製およびシーケンスオプションを複数ご用意しています。効率化されたワークフローとフレキシブルなキット構成で、さまざまな研究デザインに対応しています。
世界のシーケンスデータの約90%は、イルミナのSequence by Synthesis(SBS)ケミストリー*を用いて作成されています。
以下のをクリックしてワークフローの各ステップに対応する製品をご覧ください。
Illumina DNA Prep with Enrichmentは、高速で使いやすいワークフローを採用しています。オンビーズタグメンテーションケミストリーとシンプルなシングルハイブリダイゼーションプロトコルを組み合わせ、ワークフローの総時間を短縮します。
TruSeq DNA ExomeTruSeq DNA Exomeは、費用対効果の高いライブラリー調製およびエクソームエンリッチメントソリューションです。
TruSeq RNA Exomeライブラリープレップキットは、FFPEを含む限られたサンプルや低品質のサンプルから分離したヒトRNAを低コストで解析するためのソリューションです。
一回の実験で数百から数万個のシングルセルのトランスクリプトームプロファイリングが可能です。
TruSight Oncology 500低品質のサンプルでも、腫瘍変異負荷(TMB)やマイクロサテライト不安定性(MSI)など、複数のバリアントタイプをターゲットにしたアッセイ。
ラン当たり最大12エクソームをサポートする柔軟な構成。
NextSeq 1000 & 2000システムこれらのシステムは、将来性を最大限に考慮し、ゼロから設計し直され、ハイスループットなアプリケーションに対応するシーケンスパワーを提供します。
ほぼすべてのゲノム、シーケンス手法、プロジェクト規模に対応する柔軟性と比類なきほどに高いスループット。
BaseSpace Sequence Hubは、さまざまな次世代シーケンサー(NGS)データ解析アプリを提供しています。RNA-Seqフィルターを使用して、RNAシーケンスデータの解析用アプリケーションを検索します。
Isaac Genome Alignment SoftwareとIsaac Variant Callerを使ったエクソームデータ解析が行えます。
*ファイルにおけるデータ算出、イルミナ社、2015年