がん全エクソームシーケンス

がん検査に意義をもたらすつながり

がんにみられるコーディング変異の同定

がんエクソームのシーケンスにより、腫瘍進行に寄与するコーディング変異に関する貴重な情報を得られます。エクソームはゲノムの2%未満であるため、次世代シーケンサー(NGS)テクノロジーを用いたがん全エクソームシーケンス(WES)は、全ゲノムシーケンス(WGS)に比べて費用対効果の高い代替手段となります。また、がんエクソームシーケンスは、全ゲノム法よりも扱いやすいデータセットを生成します。

がん検査に意義をもたらすつながり

がんエクソームシーケンスの主な利点

  • 幅広いアプリケーションにわたって、がんのバリアントを同定
  • 全ゲノムシーケンスに代わる費用対効果の高い方法を提供
  • ゲノムのコーディング領域の詳細なシーケンスを可能にし、希少ながん関連バリアントを検出
  • WGSデータよりも簡単に解析でき、扱いやすいデータセットを生成

がん研究におけるWESのアプリケーションの可能性

バイオマーカーの発見

がん研究者は、WESとRNAシーケンスを用いて、腫瘍関連遺伝子発現プロファイルを明らかにすることができます。

血液からバリアントデータを取得する

WESを用いた血液サンプル中の遺伝的バリアントの発見は低侵襲であり、研究者が予測的または診断的ながんバイオマーカーを把握するのに役立つ可能性があります。

がん感受性の研究への情報提供

がん感受性や早期発症に関連する因子の研究は、将来のトランスレーショナル研究における知見や、標的となり得る遺伝子やパスウェイの解明に不可欠です。

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参考文献

Schwarze K, Buchanan J, Taylor JC, Wordsworth, S. Are whole-exome and whole-genome sequencing approaches cost-effective? A systematic review of the literature. Genet Med. 2018 Oct;20(10):1122-1130.  doi: 10.1038/gim.2017.247.