変異と治療アプローチの相関を理解する

NGS法は、ネオアンチゲンの効率的な同定を可能にします

ネオアンチゲン解析

次世代シーケンサー(NGS)は、研究者らがネオアンチゲンの同定、免疫反応を高める革新的な治療法の研究、および遺伝的変異がその効果に与える影響を解明するのに役立ちます。また、発現したネオアンチゲンの特性は、ワクチンや細胞治療法の開発にも貢献しています。

ターゲット次世代シーケンサー(NGS)によるTMB解析

がん関連変異を包括的にカバーし、フィルタリングアルゴリズムの改良により、マイクロサテライト不安定性だけでなく、腫瘍変異負荷(TMB)におけるロバストな解析を行うことができます。

アプリケーションノートを読む

腫瘍変異負荷(TMB)の臨床的有用性が定義される一方、TMB分析を標準化しようとする取り組みが引き続き行われています。

最近の研究では、ターゲットシーケンスパネルを用いて、腫瘍変異負荷(TMB)が効果的に推定できることが示されています。5-6TMBスコアリングの精度を高めるために、ゲノムサイズ1.5Mb以上、免疫原性に寄与しそうにない変異をフィルタリングするアルゴリズムなど、特定の機能が推奨されています。5-6

がん細胞におけるタンパク質をコードする遺伝子変異は、免疫系が標的とする潜在的なネオアンチゲンの原因になります。NGSは、腫瘍特異的な反応を誘発するために適用できる新規の腫瘍抗原の予測的な選択を可能にします。

DNAやRNAは、エクソームシーケンスやトランスクリプトームシーケンスによって効率的に特性化されます。バイオインフォマティクスツールの改良により、免疫系が認識する変異ペプチドの提示を予測し、ネオアンチゲンの選択を支援します。

ネオアンチゲン探索のためのインフォマティクスソリューション

改良型インフォマティクスツールが、NGSに基づくネオアンチゲンの予測や腫瘍微小環境の研究を可能にします。

テクニカルノートを読む
腫瘍変異負荷(TMB)の測定
TMB測定におけるパネルサイズの重要性

Dr. Albrecht Stenzingerらの研究は、遺伝子パネルのサイズが腫瘍変異負荷(TMB)測定の精度に及ぼす影響を調査したものです。

記事を読む
がんにおけるlncRNAの役割の解明
RNA編集

Jo Vandesompele, PhDが、RNA編集は腫瘍変異負荷(TMB)の評価や遺伝子発現によるネオアンチゲンの特定に有用な可能性があると語る理由をご説明します。

インタビューを読む

イルミナでは、腫瘍変異負荷(TMB)およびネオアンチゲン同定に対応したデータ解析オプションが利用できるライブラリー調製およびシーケンスオプションを複数ご用意しています。効率化されたワークフローとフレキシブルなキット構成で、さまざまな研究デザインに対応しています。

世界のシーケンスデータの約90%は、イルミナのSequence by Synthesis(SBS)ケミストリー*を用いて作成されています。

以下のをクリックしてワークフローの各ステップに対応する製品をご覧ください。

TruSight Oncology 500

低品質のサンプルでも、腫瘍変異負荷(TMB)やマイクロサテライト不安定性など、複数のバリアントタイプをターゲットにしたアッセイ。

TruSeq DNA Exome

費用対効果の高いライブラリー調製およびエクソームエンリッチメントソリューションです。

TruSeq RNA Exome

ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)を含む限られたサンプルや低品質のサンプルから分離したヒトRNAを低コストで解析するためのソリューション。

TruSeq Stranded Total RNAライブラリー調製キット

ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)を含むさまざまな生物種やサンプルタイプに対応した、堅牢で拡張性の高い全トランスクリプトーム解析ソリューション。

NextSeq 550システム

ラン当たり最大12エクソームをサポートする柔軟な構成。

NovaSeq 6000システム

ほぼすべてのゲノム、シーケンス手法、プロジェクト規模に対応する柔軟性と拡張性のあるスループット。

BaseSpace Sequence Hubアプリ

RNA-Seqやその他の一般的な手法のための、ユーザーフレンドリーなデータ解析アプリを探索します。

BaseSpace Enrichmentアプリ

このアプリは、Isaacを用いてサンプルを高速にアライメントし、Indel、1塩基変異(SNV)、コピー数バリアント(CNV)、SVの解析とアノテーションを行います。

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がんエクソームシーケンス

エクソームシーケンスは、遺伝コードの2%未満であり、全ゲノムシーケンスに代わる費用対効果の高い方法です。ネオアンチゲンの同定によく用いられる手法です。1-3

詳細はこちら
がんRNAシーケンス

RNAシーケンスでは、遺伝子発現解析でだけでなく、1塩基変異(SNV)やスプライシング変異などの情報も得ることができます。

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ターゲットがんシーケンス

用途によっては、ターゲットシーケンスパネルにより、腫瘍変異負荷(TMB)を効率的に評価できる場合があります。4,5

詳細はこちら

Size Matters: Dissecting Key Parameters for Panel-Based Tumor Mutational Burden (TMB) Analysis.

Int J Cancer 2019;144(4):848-858

要約を読む

Pan-tumor genomic biomarkers for PD-1 checkpoint blockade-based immunotherapy.

Science 2018;362(6411)

要約を読む

Tumor mutational load predicts survival after immunotherapy across multiple cancer types.

Nat Genet. 2019 doi: 10.1038/s41588-018-0312-8.

要約を読む
免疫腫瘍学における被験者の層別化
免疫療法研究のための被験者の層別化

ゲノムサイエンティストが、臨床研究の被験者を層別化するのにNGSがどのくらい役立つかを議論しています。

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腫瘍特異配位子
腫瘍特異HLA配位子の同定

Annika Sonntagは、T細胞を用いた免疫療法研究に対応する標的の検出と検証を行うImmatics社のプラットフォームについて説明します。

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参考文献
  1. Rizvi NA, Hellmann MD, Snyder A, et al. Mutational landscape determines sensitivity to PD-1 blockade in non-small cell lung cancer. Science. 2015;348 (6230):124-128.
  2. Snyder A, Makarov V, Merghoub T, et al. Genetic Basis for Clinical Response to CTLA-4 Blockade in Melanoma. N Engl J Med. 2014;371(23):2189-2199.
  3. Allen EM, Miao D, Schilling B, Shukla SA, Blank C, Zimmer L. Genomic correlates of response to CTLA-4 blockade in metastatic melanoma. Science. 2015;350(6257):207-211.
  4. Garofalo A, Sholl L, Reardon B, et al. The impact of tumor profiling approaches and genomic data strategies for cancer precision medicine. Genome Med. 2016;8(1):79. doi:10.1186/s13073-016-0333-9.
  5. Buchhalter I, Rempel E, Endris V, et al. Size Matters: Dissecting Key Parameters for Panel-Based Tumor Mutational Burden (TMB) Analysis. Int J Cancer. 2018. doi: 10.1002/ijc.31878.
  6. Chalmers ZR, Connelly CF, Fabrizio D, et al. Analysis of 100,000 human cancer genomes reveals the landscape of tumor mutational burden. Genome Med. 2017;9(1):34. doi: 10.1186/s13073-017-0424-2.

*ファイルにおけるデータ算出、イルミナ社、2017年