ショットガンメタゲノミクスシーケンス

NGSを使用して、数千もの生物を並行してシーケンスします。

ショットガンメタゲノミクスシーケンスとは?

ショットガンメタゲノミクスシーケンシングにより、研究者は複雑なサンプル中に存在するあらゆる生物のあらゆる遺伝子を網羅的にサンプリングすることができます。1,2この次世代シーケンシング(NGS)手法を用いることで、微生物学者は細菌の多様性を検証し、さまざまな環境における微生物の存在量を検出することができます。また、ショットガンメタゲノミクスは、他の方法では解析が困難または不可能で培養不可能な微生物を研究する手段を提供します。3

Scientist, back view, removing gray tab protective coving over flow cell from NextSeq 1000/2000 P3 reagent cartridge, 300 cycles

ショットガンメタゲノミクスにシーケンス深度が重要である理由

シーケンス深度とは、ゲノム内のリファレンス領域に一致するシーケンスリードの数のことです。シーケンス深度が深いほど結果が正しいという強い証拠となるため、この数値は重要です。ショットガンメタゲノミクスシーケンスは網羅的に行う手法ですが、16Sシーケンシングに比べてコストがかかり、解析も複雑になる場合があります。シャローショットガンシーケンシングは、フルショットガンシーケンシングと比べてリード深度は浅くなりますが、16Sシーケンシングよりも高い識別力と再現性を実現することで、両方の手法の欠点を補う有効な代替手段です。4

ショットガンメタゲノミクスシーケンスの応用

ヒトマイクロバイオーム解析

NGSにより研究が進展し、培養不可能な生物のゲノムを含む微生物群集全体のゲノム調査ができるようになりました。その詳細をご確認ください。

ゲノムサーベイランス

研究者は、遺伝子サーベイランスを用いて病原体を分子レベルで研究し、世界各地の集団における病原体の挙動や進化について洞察を引き出しています。その事例についてご紹介します。

環境メタゲノム

これは、環境サンプル中のDNAの解析に基づいた、微生物群集における生物の研究です。

抗菌薬耐性サーベイランス

感染症治療に一般的に使用される抗菌薬耐性のある微生物の検出について、NGSの活用事例をご紹介します。

ショットガンメタゲノミクスの推奨ワークフロー

1
ライブラリー調製
2
シーケンス
3
解析
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ライブラリー調製
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シーケンス
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解析

ショットガンメタゲノミクスシーケンスのガイド

このガイドでは、重要な疾患に関連する複雑な微生物サンプルをシーケンシングする方法や、微生物群集レベルでの生物多様性と機能についての洞察を得る方法を解説しています。

Two researchers, man and woman, kneeling in the middle of a forest near at the bed of a river, holding a jar filled with murky river water, looking closely at the composition and assessing.

関連手法

16SおよびITS rRNAシーケンス

次世代シーケンサー(NGS)ベースのITSおよび16S rRNA遺伝子シーケンスは、複雑なマイクロバイオームや調査が困難または不可能な環境からのサンプルの系統や分類を比較するために確立された方法です。

メタトランスクリプトミクスシーケンス

複雑な微生物群集から発現したmRNAを総合的に研究する方法についてご紹介します。この手法により、研究者は特定の時点で微生物が特定の環境にどのように反応するかについて、重要な洞察を得ることができます。

補足資料

微生物の不思議な世界

研究者は、ヒトの健康、疾患、微生物の進化への理解を深めるため、微生物のゲノムを研究しています。その詳細をご紹介します。

マイクロバイオーム研究の時代の到来

CMMRのディレクターでありDiversigenの最高科学責任者であるJoseph Petrosino, PhDは、全ゲノムショットガンシーケンシングとトランスクリプトミクスを活用して創薬と開発を精緻化しています。このインタビューでは、その詳細についてご紹介しています。

土壌メタゲノミクスワークフロー

このアプリケーションノートでは、土壌微生物を対象とした大規模な研究におけるショットガンメタゲノミクスの活用方法について詳しくご紹介しています。

NovaSeq 6000システムのメタゲノムシーケンス

このアプリケーションノートでは、NovaSeq 6000システムを用いたハイスループットワークフローを実現するために、より長いリード長で多様な細菌やメタゲノムサンプルを研究するショットガンメタゲノミクスの活用事例をご紹介しています。

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参考文献

  1. Quince, C., Walker, A., Simpson, J. et al. Shotgun metagenomics, from sampling to analysisNat Biotechnol. 2017; 35, 833–844. doi: 10.1038/nbt.3935
  2. Deng, X., Achari, A., Federman, S. et al. Metagenomic sequencing with spiked primer enrichment for viral diagnostics and genomic surveillanceNat Microbiol. 2020; 5, 443–454. doi: 10.1038/s41564-019-0637-9
  3. Sharpton TJ. An introduction to the analysis of shotgun metagenomic data. Front Plant Sci. 2014; Jun 16;5:209. doi: 10.3389/fpls.2014.00209
  4. La Reau, A.J., Strom, N.B., Filvaroff, E. et al. Shallow shotgun sequencing reduces technical variation in microbiome analysisSci Rep 2023; 13(1). doi: 10.1038/s41598-023-33489-1