メタトランスクリプトームシーケンス

NGSの力で微生物集団の遺伝子発現を解明 

メタトランスクリプトミクスとは?

メタトランスクリプトミクスとは、複雑な微生物群集から発現したmRNAを総合的に研究する分野です。1 微生物集団における遺伝子発現を研究するためにメタトランスクリプトームシーケンスを用いることで、研究者は特定の時点で微生物が特定の環境にどのように反応するかについて重要な洞察を得ることができます。マイクロバイオームからRNAをシーケンシングすることで、存在する微生物の種類だけでなく、それらの機能的活動も明らかにすることができます。

sequencing library prep

コミュニティーレベルの転写情報の可能性を探る

次世代シーケンサー(NGS)テクノロジーを搭載したメタトランスクリプトミクスは、農業、バイオテクノロジー、医学など、多様な分野に応用可能な研究領域です。1-4 メタトランスクリプトームシーケンスは、複雑な微生物群集の挙動や機能に関するデータを提供するだけでなく、その群集が存在する環境や宿主に関する貴重な情報も引き出すことができます。

膨大な数(数百万)の遺伝子の調節システムがまだ解明されていないことを考えると、メタトランスクリプトミクスは、自然環境におけるコミュニティーレベルで重要な生物学的洞察をもたらす可能性を秘めています。

NGS Workflow Finder

次回のワークフローから手探りをなくしましょう。NGSワークフローファインダーは、パーソナライズされたソリューションの提案とリソースを提供し、自信を持ってシーケンスが進められるようサポートします。

注目のウェビナー

メタトランスクリプトミクスによる微生物プロファイリング

DiversigenおよびDNA Genotekのサイエンティストが、メタトランスクリプトミクス研究のワークフローをどのようにして開発したのかについてご紹介します。この研究分野が今後もたらす可能性のある影響についての彼らの見解をお読みください。

注目のメタトランスクリプトミクス応用事例と論文

肺移植後のRNAウイルス叢の特性評価

研究者がメタトランスクリプトミクスを用いて、ヒトの肺ウイルス叢におけるRNAウイルスの豊富さと多様性を解明した過程をご紹介します。

SARS-CoV-2とマイクロバイオーム

サイエンティストがメタトランスクリプトミクスを活用してSARS-CoV-2のバイオマーカーを検出・追跡・同定し、さらにこのウイルスが呼吸器のマイクロバイオームにどのように影響を与えるかを解明しています。その詳細をご覧ください。

メタトランスクリプトームシーケンスのワークフロー

1
ライブラリー調製
2
シーケンス
3
解析

メタトランスクリプトーム研究のためのリボソームのRNA枯渇

複雑な微生物サンプルのRNAシーケンシングワークフローを最適化する方法についてご紹介します。ライブラリー調製、シーケンシング、およびIllumina Ribo-Zero Plus Microbiomeを活用したメタトランスクリプトミクス解析における直感的なソフトウェアの利用方法など、詳しく解説しています。このアプリケーションノートをダウンロードして、トランスクリプトームの高価値部分に焦点を当て、マイクロバイオームが健康と疾患において果たす役割を明らかにしましょう。

メタトランスクリプトーム よくある質問(FAQ)

タゲノミクスとは、微生物群集サンプル内に存在するすべての遺伝子を研究する分野です。5一方、メタトランスクリプトミクスは、発現している遺伝子、つまり群集内のトランスクリプトームを研究する分野です。1

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16S rRNAシーケンシングは、原核生物(細菌や古細菌)にのみ存在する16S rRNA遺伝子をターゲットとした特定の手法です。6メタトランスクリプトミクスやメタゲノミクスとは異なり、16S rRNAシーケンシングでは、ウイルスや真菌など他の微生物を検出することはできません。この手法は宿主のDNAのコンタミネーションによる影響を受けにくい一方で、メタトランスクリプトミクスやメタゲノミクスのシーケンシングと比較すると、機能的な情報の検出や株・変異株の同定には限界があります。

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RNAの抽出は、RNA Integrity Number(RIN)が5以上となる市販の微生物叢RNA抽出キットを使用して行うことができます。

/

メタトランスクリプトームデータの解析には、BaseSpace Microbiome Metatranscriptomicsアプリを使用することができます。このアプリはRibo-Zero Plus Microbiome Depletion Kitに含まれており、バイオインフォマティクスツールが搭載されているため、網羅的なメタトランスクリプトーム解析を行うことができます。

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微生物研究とバイオテクノロジーへの影響

全ゲノムショットガンシーケンスとトランスクリプトミクスにより、研究者は創薬や薬剤開発の精度を高めるためのデータを得ることができます。その詳細をご覧ください。

製品に関するお問い合わせ

ラボでメタトランスクリプトミクス研究を始める際のご質問はありませんか?

注釈

  1. Mukherjee A, Reddy MS. Metatranscriptomics: an approach for retrieving novel eukaryotic genes from polluted and related environments. 3 Biotech. 2020; 10(2). doi: 10.1007/s13205-020-2057-1. 
  2. Sharuddin SS, Ramli N, Yusoff MZM, et al. Advancement of Metatranscriptomics towards Productive Agriculture and Sustainable Environment: A Review. Int J Mol Sci. 2022; 23(7). doi: 10.3390/ijms23073737.
  3. de Vos WM, Tilg H, Van Hul M, et al. Gut microbiome and health: mechanistic insights. Gut. 2022; 71(5). doi: 10.1136/gutjnl-2021-326789.
  4. Saarenpää S, Shalev O, Ashkenazy H, et al. Spatial metatranscriptomics resolves host-bacteria-fungi interactomes. Nat Biotechnol. 2023 Nov 20. doi: 10.1038/s41587-023-01979-2.
  5. Metagenomics. National Human Genome Institute. genome.gov/genetics-glossary/Metagenomics. Accessed July 12, 2024.
  6. Janda JM, Abbott SL. 16S rRNA gene sequencing for bacterial identification in the diagnostic laboratory: pluses, perils, and pitfalls. J Clin Microbiol. 2007 Sep;45(9):2761-4. doi: 10.1128/JCM.01228-07.