重要な微生物ターゲットを効率的にシーケンシング

ターゲットNGSを使用してコストを削減し、解析を高速化

ターゲット化した微生物シーケンシングとは何ですか?

ターゲット化した微生物シーケンシングとは、複雑なサンプル内で、微生物のDNA/RNA配列を非微生物のDNA/RNAから効率的に区別する方法です。これにより、研究者は目的の微生物を効率的に同定し、特性評価を行うことができます。次世代シーケンシング(NGS)の能力を活用することで、アンプリコンシーケンシングやハイブリダイゼーション(ハイブリッド)キャプチャー濃縮などの技術によって、シーケンシングのコストが削減され、データ解析を効率化することができます。

On a lab bench, a scientist pipetting using a single channel tube, filled, part of a library prep workflow. Reagent cartridge and tray in the background.

アンプリコンとハイブリッドキャプチャーエンリッチメントの比較

アンプリコンシーケンシングとハイブリッドキャプチャーは、ターゲットシーケンスを行うための一般的な手法です。それぞれの手法については、研究の目的に応じて異なる考慮事項があります。アンプリコンシーケンシングは、特定のゲノム領域における遺伝的変異を解析するための非常に的確な手法です。この手法では、小さなゲノムや目的とする特定領域をターゲットにして増幅するように設計されたオリゴヌクレオチドプライマーを使用した後で、NGSで解析します。ハイブリッドキャプチャーは、目的のゲノム領域に特異的なビオチン化プローブを使用する手法です。一度結合すると、これらのハイブリッド化したゲノム断片は、ストレプトアビジンを使って捕捉され、増幅とシーケンシングが行われます。

  アンプリコンシーケンス ハイブリッドキャプチャー
ターゲット

ターゲット数が少ない場合

ターゲット数が多い場合

ユースケースの例

単一ウイルス変異株の追跡
結核薬剤耐性

広範な病原体サーベイランス
抗菌薬耐性サーベイランス

ワークフロー

よりシンプルで迅速なターンアラウンドタイム

より複雑で時間がかかる

ターゲット化した微生物シーケンスの応用事例

廃水サーベイランス

廃水サーベイランスは、廃水に含まれる病原体を検出・同定し、特性評価を行う方法です。この方法では、地域レベルでの感染拡大やその他の脅威を監視するためのデータが得られます。

結核サーベイランス

結核の検出、特性評価、解析のためのNGSベースの統合型ソリューションについてご覧ください。

感染症の同定

NGSベースの手法を用いれば、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫による感染症の特性評価とサーベイランスを改善することができます。その詳細をご紹介します。

ゲノムサーベイランス

研究者は、遺伝子サーベイランスを用いて病原体を分子レベルで研究し、世界各地の集団における病原体の挙動や進化について洞察を引き出しています。その事例についてご紹介します。

ターゲット微生物シーケンスのワークフロー

1
Prep
2
Sequence
3
Analyze

Interactive visualization and easy interpretation of results from the Deeplex Myc-TB targeted amplicon kit.

1
Prep
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Sequence
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Analyze

関連手法

ショットガンメタゲノミクスシーケンス

この方法により、微生物学者は細菌の多様性を評価し、さまざまな環境における微生物の存在量を検出することができます。また、他の方法では分析が困難な(または不可能な)培養不可能な微生物を研究することもできます。その詳細をご紹介します。

全ゲノム微生物シーケンス

微生物の全ゲノムシーケンスは、新規生物のゲノムマッピングを行う場合、既知の生物のゲノムを解読する場合、複数サンプル間でゲノムを比較する場合などに重要な役割を果たすツールです。この点についてご紹介します。

補足資料

このeBookをダウンロードして、NGSが薬剤耐性結核(DR-TB)研究の未来をどのように支えているかをご覧ください。DR-TBが世界に及ぼす影響、NGSがWHOの結核撲滅目標を推進するための活用事例、Illuminaのターゲットシーケンスおよび全ゲノムシーケンスワークフローなどについてご紹介しています。

このアプリケーションノートでは、Illumina COVIDSeq AssayおよびRespiratory Virus Enrichment Kitを使用して、排水サンプルからSARS-CoV-2バリアントやその他の呼吸器系ウイルスを検出する方法について詳しく説明しています。

このウェビナーでは、抗菌薬耐性病原体によって日常生活に影響を与え続ける尿路感染症(UTI)や創傷感染症などの慢性感染症の状況を見極めるための、NGSを活用したツールの使用方法について解説します。

このアプリケーションノートでは、COVID-19株を含む一般的な呼吸器系ウィルスを高感度で検出し、特性を解明するための網羅的かつ迅速なターゲットエンリッチメントのシーケンシングワークフローについて詳しく解説しています。

動画資料

サムネール

IMAPによる高速かつ柔軟なライブラリー調製

この動画では、イルミナのサイエンティストであるJeff Koble氏が、Illumina Microbial Amplicon Prepアッセイの概要を説明するとともに、ライブラリー調製を確実に成功させるためのヒントやコツについても詳しく言及しています。

サムネール

DRAGEN Targeted Microbial Appによるシンプルかつ効率的なIMAP解析

イルミナのバイオインフォマティクスサイエンティストであるSoo Bin Kwon氏が、DRAGEN Targeted Microbialを使用してIMAPでシーケンスされた微生物ターゲットを包括的に解析する方法を紹介しています。

サムネール

PrimalScheme3によるIMAPプロトコールのプライマー設計

バーミンガム大学のChristopher Kent氏がPrimalScheme3を紹介し、IMAP実験の最適化に役立つプライマー設計のベストプラクティスについて解説します。

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