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ニュージーランド、ゲノム検査の独立性を獲得

海外ラボへの依存をなくし、ニュージーランド国民の医療を変革する新たな取り組み

ニュージーランド、ゲノム検査の独立性を獲得
At the launch event, from left to right: Dr Richard King, Clinical Director, Chemical Pathology & Genetics, Canterbury Health Laboratories; Prof. Stephen Robertson, Cure Kids Chair in Child Health Research at the University of Otago; Nilesh Shah, Illumina Head of Region – APAC; Hon. Simeon Brown, New Zealand Minister of Health; Hamish Campbell, Member of Parliament; Renee Gallagher, Illumina ANZ Senior Manager Sales Specialist.
2026年4月7日

3つのポイント

  • ニュージーランドでは、2年間にわたるパイロットプログラムを通じて、全ゲノムシーケンシングと包括的なゲノムプロファイリングという2つのアプローチが試験的に導入されます。
  • このパイロットの目的は、国内の能力を構築するとともに、希少疾患またはがんの患者が診断や回答を得るまでの時間を短縮することです。
  • このプログラムは、公的医療制度において、ゲノムツールおよびデータ基盤が患者の治療成果をどのように支援できるかについてのエビデンス創出に役立ちます。

希少疾患や遺伝性疾患と生きる人々や、がんと診断された人々にとって、時間は非常に貴重です。しかし、ニュージーランドでは、ゲノム検査は多くの患者にとって利用が難しく、サンプルが海外で処理されることから、これまでは結果を得るまで数週間、数か月、場合によっては数年を要していました。 

イルミナは、この状況を変えることを目指す新たな2年間のゲノミクスパイロットプログラムを支援しています。Health New Zealandが発表したCanterbury Health Laboratories(CHL)主導の本プログラムでは、高度なゲノム検査を国内の公衆衛生システム内で提供する方法を評価します。これにより、より迅速な診断、より精度の高いゲノム情報に基づく意思決定、そして国内の検査体制の強化が期待されます。

ニュージーランドのSimeon Brown保健大臣は、プレスリリースの中で「この2年間のパイロットにより、国内で検査を実施できるようになれば、患者にとって人生で最もストレスの大きい局面のひとつである待ち時間を短縮することができます。さらには、国の保険目標の達成を支え、がん患者がより早く治療を受けられるようになるほか、専門医療の待機時間の削減にも寄与します」と述べています。

本パイロットプログラムは、アジア太平洋地域全体でシーケンス技術へのアクセスの民主化を目指すイルミナの幅広い取り組みの一環として、シーケンスおよびデータのインフラストラクチャ、さらにはトレーニングや導入支援の提供を目指します。

イルミナのAPAC地域担当責任者であるNilesh Shahは、「本プログラムは、ニュージーランドの医療における重要なマイルストーンです」と述べています。「家族にとっては、より早く答えを得られることを意味し、臨床医にとっては、より正確な意思決定が可能になります。そして医療システムにとっては、海外での検査への依存を減らし、国内の体制強化につながる取り組みです。」

海外依存から国内でのインサイト取得へ
ゲノム検査は、希少疾患の診断、がん治療における意思決定の指針、そして長期的な患者ケアのための情報提供において、ますます重要な役割を担っています。しかし、これまでは、検査の遅れやアクセスの問題により、患者が診断を受けるまでのプロセスにおける決定的な段階で遅れが生じていました。

「我が国の政府は、患者を医療システムの中心に据えることに重点を置いています。本パイロットにより、ニュージーランドの人々がより迅速に結果を得られるようにするとともに、ニュージーランドが誇れるゲノミクス検査サービスの構築を目指します」とBrown大臣は述べています。

本パイロットは、一国内の統合された公衆衛生環境の中で、ゲノムシーケンス、データ解析、レポート作成を提供するためのさまざまなモデルの検証を目的としています。希少疾患や遺伝性疾患の診断を支える全ゲノムシーケンス(WGS)と、がんの診断や治療決定の指針となる包括的ゲノムプロファイリング(CGP)の2つの補完的なアプローチを試験する予定です。

診断までのプロセスの短縮
希少疾患の診断は、繰り返しの検査や複数の専門医への紹介を経ることから、数年を要することも少なくありません。このため、患者の家族は、不確実な状況に長い間置かれることになります。WGSは、診断プロセスの早い段階でより包括的な遺伝子評価を提供することで、この道のりを大幅に短縮できる可能性を持っています。

一方、がんを抱える患者にとっても、時間は極めて重要です。CGP検査を活用することで、臨床医は腫瘍の特性をより深く理解し、患者の次回診察までの数日の間に治療法を選択できるようになります。「このパイロットは、がん患者がより早く治療を開始できるようにし、専門医によるケアを待つ時間の短縮に寄与することで、保険目標の達成を支援します」とShahは述べています。

Canterbury Health Laboratoriesにおいて国内検査能力の強化を支援することで、本パイロットプロジェクトは、ニュージーランド国民がより迅速に結果を得られるようにするための実践的な一歩となります。

テクノロジーを超えた能力の構築
本パイロットの中核には、高度なシーケンスプラットフォームがありますが、取り組みの範囲はテクノロジーの提供にとどまりません。

本パイロットでは、臨床的な成果とともに、人材の準備状況や業務効率、さらにゲノムデータ管理およびガバナンスを支えるために必要なシステムの評価も行われます。これにより、全国規模で調整されたゲノミクスサービスがどのように発展し、ゲノミクスを大規模かつ安全で持続可能な形で提供するために何が必要かについての知見が得られます。

本取り組みの一環として、Health New Zealandは、検証と導入をサポートするシーケンスシステム、データインフラストラクチャ、オンサイトトレーニングを含む、エンドツーエンドの「サンプルからレポートまで」のソリューションへのアクセスを確保します。さらに、本パイロットでは、ラボサイエンスからバイオインフォマティクス、臨床レポート作成に至るまで、医療現場全体のスキルと自信の向上にも重点を置いています。

未来に向けた基盤をづくり
2年間のパイロット研究により、臨床的な影響、公平性の検討、運用要件、および長期的なサステイナビリティに関する確固たるエビデンスが得られ、ゲノミクスをニュージーランドの医療システムにどのように組み込むべきかを判断するための重要な指針が示されると考えられます。

本取り組みは、ニュージーランドが誇れる全国的なゲノミクスサービス構築に向けた第一歩と位置付けられます。時間的な制約はあるものの、パイロットから得られる洞察は、今後の患者ケアにおいてゲノミクスがどのような役割を果たすかを判断する上で、重要な意味を持つことが期待されます。

Shahは、「このパイロットの中心は人であり、患者とそのご家族が国内で世界水準の医療を受けられるようにすることです」と述べています。「本プログラムがもたらす洞察と、そのインパクトを目にする日を楽しみにしています。」

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