2019年2月6日、九州環境管理協会ラボに iSeq 100 システムが据付けられました。http://www.keea.or.jp/
受賞者である環境部・生態工学室長の大井和之 様と、同研究員の貞末加織 様
据付完了したiSeqを操作され、シンプルさを実感されました
ジャパンアグリ iSeq 100 グラント2018は、日本の農学研究に iSeq 100 システムを活用いただくための助成プログラムです。複数いただいたご応募の中から2018年の受賞者が決定しました。受賞者の iSeq 100 システムを活用した研究は、今後イルミナのユーザーメールニュースなどでお知らせをしていきます。
一般財団法人九州環境管理協会 環境部生態工学室 大井 和之 様
iSeq 100 システムを導入して、よりよい農業環境を構築するための調査分析を開発すること
九州環境管理協会では、環境分析の依頼を請け負う一方で新しい分析手法の受け入れ、開発を行ってきた。今回 iSeq 100 システムを用いたメタバーコーディング法により、環境中の植物病原菌の検出と同定を効率的に実施する技術を確立したい。また、系統分類的には同種の病原体でも病原性の有無が異なるなど、詳細に遺伝的多様性を評価する必要がある場合、iSeq 100 システムを用いた GBS法(Genotyping By Sequence 配列解析による遺伝的多型分析)により有害・無害の判定に有効な SNP を特定し、qPCR によって有害株と無害株双方の分布を把握するなどの応用も検討する。
このたびは、ジャパンアグリ iSeq 100 グラント 2018 に選考いただきましてありがとうございます。私たちはこれまでも生物調査に DNA分析を活用し、植物プランクトンなどの微生物から野生動植物まで様々な生物の同定や集団遺伝学的な分析を実施してきました。リアルタイムPCR やキャピラリー式の DNAシーケンサーを備えていますが、DNA分析の技術は日進月歩であり、NGS を使いたいという相談も増えてきました。私たちへの相談は行政や企業など DNA分析が専門ではない方からが多く、DNA分析のデータから言えること、NGS で得られるデータの特性などを丁寧に説明するように心がけています。その上で、農林水産業に関わる一般の方にも NGS の新たな使い方を提案できるように研究を進めていきたいと考えています。iSeq 100が使えるのを楽しみにしています。
ジャパンアグリiSeq 100グラントは、イルミナ米国本社が実施するAgricultural Greater Good Initiativeをベースとしています。イルミナでは、飢餓、栄養不良、貧困などの減少に貢献することにフォーカスしており、アグリゲノム分野における持続可能性、生産性、栄養密度を高める革新的な研究をサポートしています。この賞は毎年、イルミナのテクノロジーを使い、動植物の育種をターゲットとしたプロジェクトに関与している機関、世界で1か所に対して与えられます。2019年1月15日にアメリカのThe Plant and Animal Genome XXVII Conference (PAG)において2018年分の受賞者が発表されました。