チェックポイント阻害薬、ワクチン免疫療法、および養子細胞移植という3種類のがん免疫分野におけるNGSを活用した最新の知見を解説しています。
がんおよび免疫学研究のほか、個別化免疫療法の開発における高スループットシーケンスの注目すべき利用例をご紹介します。
小さなバリアント、tumor mutational burden(TMB)、マイクロサテライト不安定性(MSI)、スプライシングバリアント、融合など、関連するDNAバイオマーカーやRNAバイオマーカーをひとつのシーケンスパネルで検出するための包括的ながんプロファイリングアッセイとして開発されました。
近年の免疫療法の発展によって、がん治療過程における免疫システムの重要性が認識されている。また、免疫システムは、自己免疫疾患や食 物アレルギー、感染症、臓器移植後の拒絶反応、あるいは、薬剤誘導性の皮膚障害・肝障害などの、がん以外の様々な疾患においても重要な役割を果たしてい る。次世代シーケンサー(NGS)の急速な進歩によって、多様な免疫細胞を網羅的に解析することが可能になり、免疫システムの全体像を把握することができ る時代になった。Immunogenomics/ immunopharmacogenomicsは、NGSを用いて多様な免疫系の状態を、ゲノムレベル で解析することにより、様々な疾患における免疫状態を解明し、疾患に対する理解を深め、治療や予防の改善を目指す新しい学術分野である。