MiSeq シーケンス試薬キット(Micro/Nano)の有効な活用方法

次世代シーケンサーを経済的かつ有効的に運用

MiSeqシーケンス試薬キット(Micro/Nano)の活用方法

通常のMiSeqシーケンス試薬のデータ量を最大限活用するには、十分なサンプル数を集める必要がありました。Micro/Nanoキットでは、少ないサンプル数や迅速なシーケンスが必要なサンプルでも、コスト効率よく、迅速にシーケンスできます。


本格的なシーケンスプロジェクトを開始する前に、シーケンス条件の検討や期待される結果が得られるかの検証に最適です。様々な条件のサンプルをシーケンスすることで、最適な研究条件を見つけることができます。その条件をプロジェクト全体に適用することにより、失敗を未然に防ぎ、期待した結果を得ることができます。

MiSeqシーケンス試薬キット パフォーマンス比較表
  リード数 リード長 データ量 ランタイム カタログ番号
MiSeq v2 試薬キット
Nano
200 万 150bp × 2 300 Mb 15 時間 MS-103-1001
250bp × 2 500 Mb 26 時間 MS-103-1003
MiSeq v2 試薬キット
Micro
800 万 150bp × 2 1.2 Gb 15 時間 MS-103-1002
MiSeq v2 試薬キット 1500 万 50bp × 1 750 ~ 850 Mb 5.5 時間 MS-102-2001
3000 万 150bp × 2 4.5 ~ 5.1 Gb 24 時間 MS-102-2002
250bp × 2 7.5 ~ 8.5 Gb 39 時間 MS-102-2003
MiSeq v3 試薬キット 5000 万 75bp × 2 3.3 ~ 3.8 Gb 20 時間 MS-102-3001
300bp × 2 13.2 ~ 15 Gb 55 時間 MS-102-3003

シーケンスする前に作製したライブラリーのクオリティーチェック(QC)を行うことは非常に重要な工程です。QC、特にライブラリーの定量は、一般的にqPCRや電気泳動法で行われますが、これらの方法は、多検体の処理に向かないなどの難点があります。東北大学東北メディカル・メガバンク機構の研究グループが開発したMiSeqを使ったライブラリーの定量法は、マルチプレックス解析により多検体の相対定量を正確にかつ、簡便にできる方法です。HiSeqシステムとMiSeqシステムのフローセルおよびケミストリーは互換性があるため、MiSeqの相対定量値をもとに、HiSeqのシーケンスを最適な条件で実施することができます。この方法は、サンプル数に応じてMicro/Nanoキットを利用するとコスト効率良く行えます。

参考文献:An efficient quantitation method of next-generation sequencing libraries by using MiSeq sequencer.
著者: Fumiki Katsuoka; Junji Yokozawa; Kaoru Tsuda; Shin Ito; Xiaoqing Pan; Masao Nagasaki; Jun Yasuda; Masayuki Yamamoto
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25173513

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【イルミナiSchool プロフェッショナル】
東北メディカルメガバンク(ToMMo)の ゲノム解析の戦略:1000人ゲノム解析

東北大学東北メディカル・メガバンク機構
ゲノム解析部門 分子ネットワーク解析分野
安田 純 先生

数Kbpの領域をロングレンジPCRによって増幅した長鎖アンプリコンをNextera XTライブラリー調製キットを利用してライブラリー作製後、Nanoキットを使ってシーケンスすることにより、複数のサンプルを1度に解析することができます。キャピラリーシーケンサーでは、複数セットのプライマーを利用して複数回のシーケンスが必要だった作業が、1回の作業で完了するだけではなく、高いカバレッジで読むことでより高精度に塩基配列を決定することができます。

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【イルミナiSchool プロフェッショナル】
ターゲットシーケンスシリーズ:疾患関連遺伝子の long-range PCR Nextera 解析

国立遺伝学研究所
人類遺伝研究部門
細道 一善 先生

【イルミナウェビナー】
狙った領域を高カバレッジにカバーする Long Range PCR + Nextera 法のご紹介:ヒトミトコンドリアゲノム解析を例に

イルミナ株式会社
テクニカル アプリケーション サイエンティスト
小林孝史

TruSeq ターゲットRNA発現キットとNanoキットを組合せることで、30遺伝子程度の発現量の定量を高精度に約30サンプル同時に1回のランで実施することができます。これまでのqPCRのように何度も装置を動かすことなく、簡便にかつコスト効率よく実施することが可能です。TruSeq ターゲットRNA発現キットは、、専門家によって選定され、最適化された疾患状態、細胞パスウェイにフォーカスした固定パネルとヒト、マウス、ラットの中から解析したい遺伝子だけを選択して発現解析を行うカスタム製品の2種類があります。


アポトーシス

心毒性

細胞周期

ヘッジホッグパスウェイ

神経変性

NFKB パスウェイ

P450 パスウェイ

P53 パスウェイ

幹細胞

Wnt パスウェイ



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