Unique Dual Index の使用で Index hopping の影響を大幅に低減!

Index hoppingとは

  • 複数ライブラリーをプーリングし、シーケンスをした際にライブラリー間でIndex の組み換えが起こり、Demultiplexing 後のライブラリーリードに、別のライブラリー由来のリードが含まれてしまう現象
  • 多検体のシーケンス ( Multiplexed Sequence ) をした際に、低頻度ながらライブラリー分子間での組み換えが生じ、結果として本来と異なる誤った Index を持つ配列が生じてしまう現象

結果として、得られたサンプルの配列情報には、他サンプル由来の配列が混入してしまいます。

図1:Index hoppingの概念図

Index hoppingの生じる傾向と頻度例

Index hoppingは、iSeq™ 100MiSeq™ i100NextSeq™ 1000/2000NovaSeq™ 6000、およびNovaSeq X/X plusの、Patterned Flow Cell を採用しているシステムで、比較した場合に高い割合で発生し、MiSeqMiniSeq™NextSeq 500/550などの従来型のNon-patterned Flow Cellを用いたシステムでは、非常に低い割合でのみ発生することがわかっています。

また一般に、TruSeq™ DNA PCR-Free Library Prep Kitのようなライゲーションのみを含むライブラリー調製法では、TruSeq Nano DNA Library Prep KitのようなPCR増幅ステップを組み込んだライブラリー調製法と比較した場合に、インデックスホッピングの発生率が高いライブラリーが生成される傾向があります。

図2:Patterned Flow Cellと従来型のNon-patterned Flow CellそれぞれのTruSeq DNA PCR FreeとTruSeq Nano DNAライブラリーにおけるIndex hoppingの割合

Unique Dual Index (UD Index, UDI)の使用でIndex hoppingを検出

このIndex hoppingの問題は、2か所にIndex配列を持つ(Dual index)ライブラリー調製の際に、2か所の全長にわたってユニークな配列のインデックス=Unique Dual Index (UDI)を採用することにより、大幅に影響を低減することが可能です。

UDIを使用したライブラリーでは、Index hoppingが起きた分子のシーケンスリードは、Demultiplexing時に“undetermined” (どのサンプルライブラリーにも使用していない Index 配列を持つリード)として振り分けられ、各サンプルライブラリーのリードに混入することはありません。

図3:Unique Dual Index (UDI)を採用している場合と、していない場合の比較。(上段)全長にわたってはユニークでないDual Indexのケース。i7は異なる配列だが、i5は同じ配列のインデックスを使用してIndex hoppingが生じた場合、該当リードは他のサンプルに割り当てられる場合がある。この他サンプルにコンタミしてくるリードは、識別できない。(下段)UDI、i7-i5の両方がユニークなインデックス配列を採用している場合、Index hoppingが生じたリードは、Demultiplexingでどのサンプルにも割り当てられず、下流の解析から除くことができる。

iSeq™ 100MiSeq™ i100NextSeq™ 1000/2000NovaSeq™ 6000、およびNovaSeq X/X plusの、Patterned Flow Cell を採用しているシステムで、複数サンプルランをご実施の際には、UDIの使用をご検討ください。

弊社では、Nextera XT、Illumina DNA Prepシリーズ、およびIllumina Stranded RNAシリーズなどのライブラリー調製キットに対応したUDIを最大384種類の組み合わせでご用意しております。

ライブラリー調製キットとインデックスキット対応表

UDIの製品詳細に関しましては、下記のサポートページをご参照ください。

UD Index 製品詳細

 

Index hopping の詳細情報に関しましては、下記のサポートページをご参照ください。

Index hopping の詳細

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