プレスリリース

イルミナ、がん発見の新時代構築に向けて、GRAILを買収

(当リリースは、Illumina Inc.が2020年9月21日付けで発表した英文プレスリリースを日本語に翻訳したものです。プレスリリースの正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。)

より多くのがんを早期に検出し、より良い検査結果を出す可能性がある斬新なマルチがんスクリーニング検査の商品化と普及を加速

次世代シーケンシング(NGS)、大規模臨床試験、機械学習を活用した分野横断チームを投入し、医学の最大の課題のひとつであるがん克服に取り組む

臨床の場に著しい新たな成長機会をもたらす

NGSを用いたがん検査の総市場規模が2035年までに750億ドルに拡大する見込み

サンディエゴおよびメンローパーク--(BUSINESS WIRE)-- Illumina, Inc. (NASDAQコード: ILMN)およびGRAIL(マルチがんの早期検出を主なミッションとするヘルスケア企業)は、本日、イルミナがGRAILを80億ドルで買収し、取引完了時にイルミナが現金および株式で当該金額を支払う正式な契約を締結したことを発表しました。また、GRAILの株主は今後、一定のGRAIL関連収益の数パーセントを受け取ることになります。この契約は、イルミナとGRAILの取締役会の承認を受けています。

イルミナの社長兼最高経営責任者であるFrancis deSouzaは次のように述べています。「GRAILの優秀なチームは、この4年間で、マルチがんスクリーニング検査Galleri™の発売に向け、必要な技術開発と臨床データの収集に格段の進歩を遂げてきました。Galleriはがんとの闘いにおいてもっとも有望な新しいツールのひとつであり、GRAILを再びイルミナに迎えることによって、ゲノミクスと弊社のNGSプラットフォームを活用し、がん治療の変革にともに取り組むことができます。GRAILとイルミナは、より効果的な治療とコストの低減をもたらすがんの早期発見を可能とする日常的かつ広く普及できる血液スクリーニング検査を発売する大きなチャンスを得ています。複数がんの早期発見は、患者、担当医、保険負担者の皆様にとって大きなメリットがあります。臨床分野でのリーダーシップとマルチがんの早期発見を実現する取り組みを推進することによって、弊社の株主の皆様に大きな価値をもたらす努力を続ける所存です。」

GRAILの最高経営責任者であるHans Bishop氏は次のように述べています。「がんは社会で最も大きな問題の一つであり、発見された時にはすでに遅すぎるケースがほとんどです。複数がんの早期発見技術は、大きなアンメットニーズに対応し、世界中のがん関連の負担を減らすことができると考えています。イルミナとGRAILが協力すれば、GRAILの革新的な複数がん早期発見用の血液検査をより幅広くより早く普及させることができます。これにより、患者の利用機会を増やし、世界中に広めることが可能になります。この次の段階で、がんの検出方法と検査結果を大きく変え、患者とその家族やコミュニティ、医療関連の提供者、保険負担者、事業者、株主の皆様にとっての価値を創造する取り組みに期待しています。」

GRAILはイルミナが2016年に設立し、イルミナのNGS技術を活用する独立の会社としてスピンアウトしました。最新のデータサイエンスと機械学習を開発し、血液中のがんシグナルのアトラスを作成することにより、複数がん早期発見検査を実現することを目指しています。GRAILは、その革新的な技術基盤を整備し、Galleriを開発するために約20億ドルを調達しました。初期のGalleriは50超のがん種を検出することができ、そのうち45種超のがんは米国では検査が確立されていないものです。Galleriは、血液からがんを早期発見できるマルチがん検査をLDT(Laboratory Developed Test)として2021年に上市する見込みです。GRAILは、Galleriに続き、がんの診断・検出・がん患者の治療後モニタリングに使用する血液検査製品を開発する予定です。

戦略的利点

  • イルミナが直接アクセスできる市場が拡大し、将来的に多数の成長機会がもたらされます。GRAILによってイルミナの製品ラインアップが拡大し、がんのスクリーニング・診断・モニタリングを対象に、主要ながん検査実施分野のそれぞれにおける最高の製品ポートフォリオを構築します。がん検査の実施と保険適用は加速しており、NGSを用いたがん検査の機会が27%の年平均成長率(CAGR)で増加して、2035年に750億ドルに達すると予想されています。
  • NGSベースのマルチがん早期発見検査の普及を加速し、より多くの患者がより早く利用できるようになります。イルミナが持つ世界規模の製造力と臨床能力を活かして、GRAILの商品化に向けた取り組みを支援し、市場拡大を実現し、臨床的バリューチェーンにおいて大きな成長をもたらすことを計画しています。
  • 臨床ゲノミクスにおけるイルミナのポジションが強化されます。NGSはがん医療に大きな変革をもたらすので、イルミナは今回の買収により、自社のNGSのシーケンステクノロジーによって可能となる価値の高い臨床ソリューションに全面的に参加することができるようになります。GRAILの買収後、イルミナは、シーケンス分野で有数の革新者でありパートナーであり続けると同時に、独自の検査プロバイダーにもなります。

取引の詳細

GRAILの株主(イルミナを含む)は、契約条件に基づき、現金35億ドルおよびカラーに応じてデリバティブ取引の対象となるイルミナの普通株45億ドル、計80億ドルの対価を取引完了後に受け取ります。イルミナは現在、GRAILの発行済み株式の14.5%(完全希釈化後約12%)を保有しています。

デリバティブ取引により、買収完了前の10取引日におけるイルミナ株の20取引日間出来高加重平均価格が295ドル~399ドルの場合、イルミナを除くGRAILの株主は約40億ドルに相当する株数のイルミナの株式を受け取り、当該価格が399ドルを超える場合は約990万株、295ドル未満の場合は約1,340万株を受け取ることになります。買収完了後、現在のイルミナの株主は両社の約93%を保有し、GRAILの株主は7%前後を保有する見込みです(デリバティブ取引の中央値に基づく)。

イルミナを除くGRAILの株主が受け取る約31億ドルの現金対価には、イルミナとGRAIL双方の貸借対照表上の現金と借り入れまたは株式発行によって調達した最大10億ドルが充当される見通しです。イルミナは、この発行に先立ち、Goldman Sachs Bank USAから10億ドルのつなぎ融資を得ています。

今回の買収ではGRAILの株主に不確定価額受領権(CVR)も付与され、当該株主は、12年間にわたり、一定のGRAIL関連収益に応じて支払いを毎年受けることができます。12年間、最初の収益10億ドルについてその2.5%を毎年受け取ることができます。また、同期間、年間10億ドルを超える収益には9%のCVRが適用されます。イルミナはGRAILの株主に対し、CVRの代わりに、買収完了前に決定する金額の追加の現金もしくは株、またはその双方を受け取る選択肢を提供する予定です。

イルミナは、今回の買収により2021年からイルミナの収益が拡大し、将来的に収益拡大が大幅に加速されると予想しています。

組織と承認

この買収には、関係規制当局の承認をはじめとする通例の買収完了条件が適用されます。イルミナはこの買収を2021年後半に完了する予定です。

買収完了後、GRAILはイルミナの中の一独立部門として稼働し、専任のリーダーシップチームを有し、GRAILの成功を確実なものにします。

顧問

イルミナの独占財務顧問はGoldman Sachs & Co. LLC、法律顧問はCravath, Swaine & Moore LLPです。GRAILの独占財務顧問はMorgan Stanley & Co. LLC、法律顧問はLatham & Watkins LLPです。

カンファレンスコールに関する情報

イルミナは、本日2020年9月21日の午前8時(米国東部夏時間)に本買収について討議するためのカンファレンスコールを主催します。

関係者は、イルミナ本社のウェブサイトwww.illumina.comのInvestor Relationsセクションにある「Company」タブから電話会議中継にアクセスが可能です。個人の場合は、北米からはフリーダイヤルのダイヤルイン番号(866) 211-4597、北米以外からは国際ダイヤルイン番号(647) 689-6853からアクセスできます。いずれもパスコードは2245817となります。終了後、録音された電話会議の音声がイルミナ本社のウェブサイトに公開され、公開から少なくとも30日間、聞くことができます。

GRAILについて

GRAILは、がんを早期発見して治療につなげることをミッションに掲げるヘルスケア企業です。GRAILは、がんの早期発見に用いる新技術を他に先駆けて開発することにより、命を救い、健康を改善することに重点的に取り組んでいます。次世代シーケンス、大規模臨床試験、最新のコンピューターサイエンスおよびデータサイエンスを活用して、医療が直面する最大の課題のひとつの克服に取り組んでいます。カリフォルニア州メンローパークに本社を置き、ワシントンD.C.、ノースカロライナ州、英国にも拠点を展開しています。世界的有数の投資家、製薬会社、テクノロジー会社、ヘルスケア会社の支援を受けています。

イルミナについて

イルミナは、ゲノムのパワーを解き明かすことにより、人々の健康を改善することを目指しています。革新的な取り組みに注力することにより、研究、臨床、および応用市場でお客様に製品を提供しながら、DNAシーケンスおよびアレイベースの技術におけるグローバルリーダーとしての地位を確立してきました。私どもの製品は、ライフサイエンス、腫瘍学(がんゲノム)、生殖医学や遺伝医学、農業およびその他の新たなセグメントでの応用に利用されています。イルミナ製品についての詳細はこちらから:jp.illumina.com、またはwww.facebook.com/illuminakk/をご覧ください。

追加情報とその入手先

今回の買収に関連し、イルミナは、買収の際に発行する自社の普通株およびCVRに関する仮目論見書と買収に関連するGRAILの同意要請趣意書を含むフォームS-4の登録届出書を米国証券取引委員会(SEC)に提出する予定です。イルミナは、本買収に関連して他の文書もSECに提出することがあります。この文書は、イルミナがSECに提出する同意要請趣意書や目論見書、登録届出書その他の文書の代わりとなるものではありません。SECに提出される、または提出される予定の同意要請趣意書や目論見書その他の関係文書が含まれた登録届出書、およびその文書の修正や補足には、本買収とそれに関連する事項についての重要な情報が含まれている、または含まれる予定ですので、GRAILの株主と投資家はそれらを初めから終わりまでよくお読みください。株主と投資家は、イルミナがSECに提出した同意要請趣意書や目論見書その他の文書が含まれたフォームS-4の登録届出書のコピーを、SECが管理しているウェブサイトwww.sec.gov、もしくはイルミナのInvestor Relationsのページ(investor.Illumina.com)で、またはIllumina Investor Relations, 5200 Illumina Way, San Diego, CA 92122に文書で請求すれば、無料で入手することができます(利用可能な場合)。

募集と勧誘の否定

本プレスリリースは情報提供のために作成されたものであり、いずれかの地域において証券の引き受けや売買を募集する、引き受けや売買の募集を勧誘する、引き受けや売買を要請する、または投票や承認を勧誘するものではなく、そうすることを意図するものではありません。また、地域の証券法に基づく登録または免許取得の前にそうした募集、要請、売却または勧誘を行うと違法となる地域で、証券の売却、発行または譲渡を行ってはなりません。1933年証券法第10条(改正された場合はその改正版)の要件を満たす目論見書によらずに、そうでない場合は準拠法によらずに、証券を募集してはなりません。

将来の見通しに関する注意

本プレスリリースには、1933年証券法第27A条(改正された場合はその改正版)、1934年証券取引法第21E条(改正された場合はその改正版)を含む連邦証券法の意味における「将来の見通しに関する記述」が含まれています。そのため、将来の見通しに関する記述は、予想される将来の事業と業績、財務状態について述べることが多く、また、「期待しています」「予想しています」「~する予定です」「計画しています」「思います」「~しようと努めます」「考えています」「~するつもりです」「~するはずです」「~の可能性があります」「目標」、これらの用語に似た表現と変形や否定などの用語をしばしば含んでいます。将来の見通しに関する記述は、本来、取引の成立やその取引から期待される利益についての記述のような、多かれ少なかれ不確実な事項に関するものです。こうした将来の見通しに関する記述は将来の結果を保証するものではなく、予定していた取引を適時に成立させない、あるいはまったく成立させない、その取引の成立に必要な提出その他の行動を適時に取らない、もしくはまったく取らないなど、実際の結果が将来の見通しに関する記述に表されたものとは大きく異なることをもたらすリスク、不確定要素、仮定の影響を受けます。こうした差異をもたらす可能性がある重要なリスク要因には、たとえば次のようなものがあります。(i)予定している取引が予想された条件とタイミングで完了しない可能性があること(ii)取引完了条件が満たされない可能性があること(規制当局の承認を得ることを含む)(iii)想定外の責任、将来の資本支出、収益、費用、経費、収入、相乗効果、景気動向、債務、財務状態、損失が、将来の見通し、経営陣向けの事業および経営戦略、取引成立後のイルミナの事業の拡大および成長に与える影響(iv)取引の発表または終了に起因する事業関係への有害な反応または当該関係の悪化(v)取引の発表、未決または成立がイルミナの普通株の市場価格とイルミナの営業成績に与える悪影響(vi) GRAILの事業を統合することに伴うリスクおよびコストとイルミナがGRAILの事業を無事に統合し、期待される相乗効果を実現する能力(vii)予定している取引をきっかけとして生じる可能性がある同意その他の規定が含まれた第三者との契約に伴うリスク(viii) GRAILの製品の開発および商品化に伴うリスクならびにコスト、およびイルミナがGRAILの製品を開発し、商品化する能力(ix)予定している取引による混乱がイルミナの事業(現在の計画と業務を含む)に害を与えるリスク(x)法、規制、経済面での展開(xi)イルミナのフォーム10-Kの直近の年次報告書とフォーム10-Qの四半期報告書、GRAILが2020年9月9日にSECに提出したフォームS-1の登録届出書(2020年9月17日に修正)に述べられた他のリスク(xii)上記要因に対する経営陣の反応。

これらのリスクと予定している取引に伴う他のリスクは、この取引に関連してSECに提出されるフォームS-4の登録届出書に含まれる同意要請趣意書や目論見書に詳細に説明される予定です。ここに挙げた要因とフォームS-4の登録届出書に記載されることになる要因は、代表的なものとみなされますが、考えられるリスクと不確定要素すべてを網羅したものとみなしてはなりません。挙げられていない要因が、将来の見通しに関する記述の実現にとって大きな障害となる可能性があります。実際の結果が将来の見通しに関する記述で予想されたものと大きく異なった場合の結果には、とりわけ、事業の中断、業務上の問題、金銭的損失、第三者に対する法的責任および同様のリスクがあり、いずれも、イルミナの財務状態、営業成績、信用格付け、流動性に大きな悪影響を与える可能性があります。状況が変わった場合、それが新情報、将来の動向その他のいずれに起因するかを問わず、イルミナは、証券法その他の準拠法で要求されている場合を除き、将来の見通しに関する記述を公に修正または更新する義務を負いません。

Media:
Karen Birmingham, PhD
646-355-2111
kbirmingham@illumina.com

Matt Burns
518-423-5907
mburns@grailbio.com

Investors:
Jacquie Ross, CFA
858-882-2172
ir@illumina.com

For GRAIL Stockholders:
John Craighead, PhD
650-484-0690
jcraighead@grailbio.com

Source: Illumina, Inc.

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