Nextera DNAライブラリー用Unique Dual(UD)Indexのご紹介と、使用上の注意点

Unique Dual(UD)Indexを使用すると、Index hoppingの影響でサンプル間に起こる、低頻度でのリードの混ざりこみを回避することが可能となります。そのため、特にサンプル間のリードの混入が問題となるRNA-Seqなどのアプリケーションや、Patterned Flow Cellを採用しているHiSeq 3000/4000 システム、NovaSeq 6000システムなどでランを実施されるお客様にはご使用いただくことを推奨しています。

製品名 カタログ番号 組み合わせ可能 ラン実施可能
IDT for Illumina DNA/RNA UD Indexes Set A (96 Indexes, 96 Samples) 20027213 iSeq 100MiniSeqMiSeqNextSeq 500NextSeq 550HiSeq 4000HiSeq 3000HiSeq 2500(HiSeqXとは互換性なし)、NovaSeq 6000

使用上の注意点について

【1】Indexの塩基長が10塩基になっているため、ラン開始時のセットアップに注意が必要となります。

Nextera DNA UD Indexでは、Indexのリード長が従来品の8塩基から10塩基に変更になっているため、ランのセットアップ時に注意が必要となります。 それぞれの装置のランのセットアップ方法に関しましては、こちら をご参照ください。

HiSeqXでは、ランのセットアップ時にIndexのリード長を10塩基に設定することが出来ないため、使用できません。

NovaSeqのランのセットアップ方法の例

NovaSeq Control Software (NVCS)より、マニュアルでIndexのリード長を「10」と入力していただく必要があります。

【2】iSeq、MiniSeq、NextSeqでランを実施する場合、Index readのリード長を10塩基に増やすことにより、Read1およびRead2のリード長を減らす必要があります。

iSeq、MiniSeq、NextSeqは、設定可能な最大サイクル数が、試薬に付属しているRFIDによって制御されています。 例えば、NexSeq 500/550 High/Mid Output Kit (300 cycle)では、Read1:151 cycle、Index1:8 cycle、Index2:8 cycle、Read2:151 cycleをシーケンスするための合計318サイクル分の試薬がキットに含まれています。Nextera DNA UD Indexを使用したランにおいても、合計のサイクルが318サイクル以内になるようにランの条件を指定する必要があるため、下記のようにRead1とRead2のサイクルを減らす必要があります。

Read 1index 1index 2Read 2
1491010149

*今後、Nextera DNA UD Indexの各Index の2塩基分の超過サイクルを許容するようにRFID情報のアップデートが行われる予定です。

MiSeq、HiSeq3000/4000、HiSeq2500およびNovaSeqに関しては、このようなRFIDによるサイクル数の制御は無いため、Read1およびRead2のサイクルを減らす必要はありません。

このようなNextera DNA UD Indexと互換性のある装置に関しては、Indexリードが10塩基に増えたことで生じる各Indexの2塩基分の超過サイクルをシーケンスするための、十分なSBS試薬がデッドボリュームとして含まれています。

【3】Nextera XT DNA Library Prep Kitと組み合わせて使用する場合、キットに付属しているNormalization Beadを使用した、ライブラリーのノーマライゼーションを行うことが出来ません。Qubitを用いた濃度測定の後、マニュアルでの希釈・プーリングが必要になります。
実施方法に関しては、テクニカルノート をご覧ください。
ライブラリー調製キットをご使用いただき、予想している結果とはならなかったなど何かトラブルや気にかかることなどございましたら、テクニカルサポートまでお気軽にご相談ください。
テクニカルサポート部
E-Mail お問い合わせ | TEL 0800-111-5011 (9:00-17:00)