Slow Off-rate Modified Aptamer(SOMAmer)テクノロジー

Illumina Protein Prep向けSOMAmerテクノロジーを用いた、高感度かつハイスループットなNGSベースの大規模タンパク質検出

SOMAmerテクノロジーとは?

Slow Off-rate Modified Aptamer(SOMAmer)テクノロジーは、次世代シーケンサー(NGS)を活用し、高度にマルチプレックス化されたタンパク質の測定を実現する、先進的なプロテオミクスツールです。SOMAmer試薬は、化学修飾された一本鎖DNA分子で構成されており、ターゲットタンパク質に対する高い特異性と親和性が得られるよう、精密な3次元構造の相補性に基づいて設計されています。これらの構造により、ターゲットタンパク質との高感度かつ高精度な結合が可能となり、単一アッセイで数千種類のタンパク質を同時に定量できるようになりました。また、SOMAmer試薬は生物学的産生に依存せず、設計されているため、従来の抗体ベースのプロテオミクス手法と比較して、より一貫性の高い性能と高い再現性、ならびに優れたバッチ間信頼性を実現します。1

タンパク質検出にSOMAmerテクノロジーを使用する利点は何ですか?

特異性、スケーラビリティ、再現性を兼ね備えたパワフルなSOMAmerベースのプロテオミクスアッセイが、プロテオームの正確な探索を実現します。

SOMAmerテクノロジーの主な利点は次のとおりです。

  • スケーラビリティ:配列が定義された合成試薬により、ロット間のばらつきを最小限に抑えつつ、数千種類のターゲットタンパク質を対象としたハイプレックスSOMAmerベースのアッセイを、一貫した性能で大規模に展開できます
  • 卓越した精度:ハイコンテントアッセイの性能を高め、希少なバイオマーカーや疾患に関連する微妙なシグナルを検出し、信頼性の高い結果を提供します
  • 高感度:10-logを超えるダイナミックレンジを持ち、フェムトモーラー検出までの極めて広い範囲のタンパク質を定量できます2-5
  • 優れた再現性:一貫してCVが低い(約5.5%)完全合成試薬を使用し、信頼性が高く生物学的に意味のある洞察が得られます

NGSでハイスループットのプロテオミクスを前進させる

eBookをダウンロードして、Illumina Protein Prepソリューションにより、ハイスループットプロテオミクスがどのように利用しやすくなったかをご覧ください。

ケーススタディとアプリケーション

Dr. Matthew Brown(Chief Scientific Officer、Genomics England)より、希少疾患を持つ約1,500人の参加者を対象としたスクリーニングを通じて、バイオマーカー探索研究におけるNGSベースのプロテオミクスの有用性を実証した、Illumina Protein Prepを用いたパイロットプロジェクトの成果をご紹介いただきます。

本ポスターでは、Illumina Protein Prepアッセイの優れた感度と、SomaLogicのSomaScanデータとの高い一致率について紹介しています。特定の疾患カテゴリーで豊富に存在する差次タンパク質を検出できることから、高分解能プロテオミクスが疾患関連遺伝子や分子経路の解明、さらには希少な遺伝子疾患の理解の深化に寄与することが示されています。

コロラド大学のKacey Couts助教授とそのチームが、Illumina Protein Prepを使用して、希少黒色腫に対する新しい洞察をどのように得ているかをご紹介します。本アッセイは、200を超える生物学的パスウェイにわたり、9,500種のユニークなヒトタンパク質を同定できるため、新規バイオマーカーの探索や治療効果の評価において高い発見力を発揮します。

このポッドキャストでは、イルミナのAssociate Director for Product Managementが、SomaLogicとの連携およびIllumina Protein Prepの発売について、さらにバイオマーカー探索と表現型洞察の向上を目指す、より広範なマルチオミクスの目標との関連性について解説します。

SOMAmer試薬と抗体の比較:親和性ベースのプロテオミクスにSOMAmer試薬を採用する理由

SOMAmer試薬は、高い親和性と特異性でタンパク質に結合する完全合成オリゴヌクレオチドです。一方、抗体は本質的にばらつきのある生物由来のタンパク質です。SOMAmer試薬は化学合成により製造されるため、優れた再現性および検出感度に加え、超高マルチプレックス性能を実現し、現代のハイスループットプロテオミクスアプリケーションの要求に適しています。

SOMAmer試薬

  • 修飾ヌクレオチド(約20 kDa)を持つ短い一本鎖DNA
  • 一貫した構造で化学的に合成
  • 制限のないマルチプレキシング
  • ポリアニオン競合物質は、一過性の相互作用をブロックして非ターゲットタンパク質との交差反応性を低減するために使用されます
  • コンテンツのスケーラビリティ

抗体

  • 大規模で複雑なタンパク質(約 150 kDa)
  • 生物学的に産生され、自然な構造上のばらつきがある
  • マルチプレックスのオプションが限定的
  • 非特異的結合を低減する普遍的なソリューションがないため、非ターゲットタンパク質との交差反応性が高い
  • 限定的なスケーラビリティ
サムネール

SOMAmer はNGSベースのプロテオミクスをどのように実現しますか?

SOMAmer試薬は、タンパク質検出と次世代シーケンサー(NGS)の実証済みのスケーラビリティを組合せることで、高精度かつハイスループットなプロテオミクスを実現します。各SOMAmer試薬は特定のタンパク質に結合し、それぞれに固有のDNAタグを有しています。キャプチャーされると、これらのタグはシーケンスライブラリーへと変換され、NGSプラットフォームでシーケンスリードをカウントすることでタンパク質量を定量します。このアプローチにより、プロテオミクスは自動化されたハイスループットワークフローへと進化し、他のNGSベース手法と同様の効率性と精度で、数千のタンパク質を並行してプロファイリングすることが可能になります。

統合されたプロテオミクスとNGSで、より深い生物学的洞察を実現

SOMAmerベースのプロテオミクスは現在、イルミナのNGSシーケンスワークフローに統合されており、他のオミクスデータと組み合せたプロテオミクス解析が可能です。この相乗効果により、タンパク質レベルの洞察をゲノムデータやトランスクリプトミクスデータと結び付けてることで、生物学的システムをより包括的に理解できるようになりました。その結果、プレシジョンメディシン、バイオマーカー探索、創薬ターゲットの同定、疾患パスウェイの解明、大規模研究における発見が、ハイスループットかつスケーラブルに加速されます。

Illumina Protein Prepワークフロー

SOMAmer試薬は、Illumina Protein Prepを使用して、1回の反応で数千のタンパク質をキャプチャーします。これらのタンパク質結合イベントは、合理化された自動化プロセスを通じてシーケンス対応のライブラリーに変換されます。

1
ライブラリー調製
2
シーケンス
3
データ解析
4
解釈

Illumina Protein Prepサービスを介して、NGSベースのプロテオミクスにアクセス

Illumina Protein Prepは、フルワークフローを導入しなくてもご利用可能です。イルミナと提携するコアラボおよび信頼できるサービスプロバイダーのネットワークを通じて、ハイスループットプロテオミクスプロジェクトを外部委託でき、SOMAmerテクノロジーとイルミナのシーケンスにより、正確で再現性の高い結果が得られます。このサービスオプションは、導入への障壁を取り除き、バイオマーカー探索、創薬、マルチオミクス研究などにおいて、あらゆる規模のラボでプロテオームの大規模探索を実現します。特別なインフラストラクチャは必要ありません。

Profile image of a male scientist pushing the loading tray, filled with plates on a carrier of a Hamilton ML Star in preparation for a run in a lab setting; female scientist blurry in the background working

よくある質問

従来の抗体は、免疫反応を誘発したタンパク質(免疫原性ターゲット)の表面の3次元構造に結合する、大型の親和性試薬(約150 kDa)です。これらは、単一のタンパク質エピトープを認識する細胞培養由来のモノクローナル抗体、あるいは同一タンパク質上の複数のエピトープを認識する動物由来のポリクローナル抗体として、生物学的に産生されます。

一方、SOMAmer試薬は、化学修飾された小型のアプタマー(8~20 kDa)であり、3次元タンパク質構造にも結合します。完全に合成されるため、バッチ間で一貫した性能を示します。また、明確に定義された化学的特性により、非免疫原性ターゲットや、従来は抗体で標的化されていないエピトープにも結合可能です。

これらの特性により、SOMAmer試薬は、従来の抗体ベースのツールに対する、多用途で信頼性の高い代替手法となります。

SOMAmerベースのプロテオミクスは、10-log超のダイナミックレンジとフェムトモーラー感度、スケーラブルなマルチプレックスにより、ハイスループットかつコスト効率の高いワークフローを実現します。いずれも従来手法よりばらつきが少なく、ワークフローを変更することなしに、低存在量のタンパク質を確実に検出できます。このように、SOMAmerベースのプロテオミクスは、大規模かつ広範で信頼性の高いタンパク質測定に適した強力かつ効率的なアプローチです。

一方、質量分析法では、低存在量タンパク質のカバレッジの向上には、通常、追加のサンプル処理ステップが必要となります。

また、抗体ベースのアプローチと比較して、SOMAmerベースのプロテオミクスは、アッセイマルチプレックスを拡張した場合でも、高い再現性(約5%のCV)を一貫して示します。

ワークフローはサンプルから解析まで約2.5日、ハンズオンタイムは4時間未満です。

各SOMAmer試薬は、ターゲットタンパク質への高い親和性結合と遅い解離速度という2つの重要な特性によって特異性を達成します。これらの特性は、試薬固有の化学構造から生じます。

SOMAmer試薬をアッセイで使用する前に、一次検証を行います。一次検証には、プルダウン実験と用量反応アッセイが含まれ、目的のターゲットに選択的に結合することを確認します。さらに、SOMAmer試薬の70%以上が、質量分析法などの直交検証技術を使用して独立した研究者によって生成された、特異性を裏付けるデータを持っています。

SOMAmer試薬は合成試薬であり、一貫して再製造できるため、他のアフィニティベースの方法よりもロット間の一貫性と高い再現性が保証されます。

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お問い合わせ

イルミナとのコラボレーション方法の詳細や、装置のインソーシングソリューションの詳細についてご関心がある場合は、フォームにご記入ください。担当者よりご連絡いたします。

参考文献

  1. Brody EN, Gold L. Aptamers as therapeutic and diagnostic agents. J Biotechnol. 2000;74(1):5-13. doi:10.1016/s1389-0352(99)00004-5
  2. Eldjarn GH, Ferkingstad E, Lund SH, et al. Large-scale plasma proteomics comparisons through genetics and disease associations. Nature. 2023;622(7982):348-358. doi:10.1038/ s41586-023-06563-x
  3. Rooney MR, Chen J, Ballantyne CM, et al. Plasma proteomic comparisons change as coverage expands for SomaLogic and Olink. Preprint. medRxiv. 2024;2024.07.11.24310161. doi:10.1101/2024.07.11.24310161
  4. Gold L, Ayers D, Bertino J, et al. Aptamer-based multiplexed proteomic technology for biomarker discovery. PLoS One. 2010;5(12):e15004. doi:10.1371/journal.pone.0015004