がん研究, 腫瘍学

臨床的な話題:腫瘍専門医と病理学者がCGPについて話す

Weill Cornellの施設内での包括的なゲノムプロファイリング実施がどのように研究と患者に役立つか

臨床的な話題:腫瘍専門医と病理学者がCGPについて話す
2021年11月18日

「ほとんどの場合、患者が私の前に座っているとき、彼らは自分たちががんにかかっていることを知っており、がんについて何かしたいと思っています」と、New York-Presbyterian Hospital/Weill Cornell Medical Centerで主に肺がんに重点を置いている腫瘍専門医であるAshish Saxena博士は述べています。同センターでは、包括的ゲノムプロファイリング(CGP)を実施しました。これは、300以上のがんの原因となる遺伝子を調べて、がん患者の治療に容易に処方できる画期的な治療法に関連するバイオマーカーを同定する検査です。

2012年にCGP検査が最初に実施されたとき、生検サンプルを処理できる中央ラボはごくわずかでした。結果を得るのに数週間かかりました。現在、ニューヨーク州でCGPアッセイの実施が承認されているWeill Cornellのように、検査ラボをクリニック内に設置し、対象とする患者のより近くにラボを設置する施設が増えています。これにより、結果をはるかに迅速に提供できます。患者さんにとって、待ち時間や予約の取り直しは神経をすり減らすことになるので、この取り組みは大きな利点になります。ととなる可能性があるため、大きな利点になります。診療所内でCGPを行うことは、結果を取得し、どのように処理するかを理解するための時間を与えてくれます」と、ニューヨーク市のウェイルコーネル医科大学の助教授でもあるSaxena博士は述べています。

New York-Presbyterian Hospital/Weill Cornell Medical CenterのWei Song博士とAshish Saxena博士

Association for Molecular Pathology (AMP) 2021 Digital Experienceの期間中、Saxena博士と彼の同僚であり、病理学者であり、腫瘍内科部門の責任者であり、Weill Cornell Medicineの臨床ゲノミクス研究所の責任者であるWei Song博士は、彼らの施設でCGPアッセイを実施することの影響について話し合いました。ワークショップのタイトルは、「病理学者と腫瘍専門医の観点から、施設内で包括的なゲノムプロファイリングを実装する」というものでした。セッションは、イルミナのグローバルメディカルアフェアーズのアソシエイトディレクターであるPrithwish Palによって司会進行されました。

2017年、Weill Cornell MedicineとNew York Presbyterian / Weill Cornell Medical Centerは、全エクソームシーケンス用の次世代シーケンサー(NGS)パイプラインを立ち上げました。その後、彼らは固形腫瘍検査パネル(143遺伝子)、骨髄系パネル(48遺伝子)、そして固形腫瘍(500以上の遺伝子)の3つのNGSパイプラインを順次に立ち上げました。現在、彼らは年間約3,000件の症例を取り扱っています。

Song博士は次のように述べています。「4年以上にわたって、センター内検査の成功率が非常に高いことを発見しました。」「私たちのDNA検査の成功率は98パーセントです。そして私たちのRNA検査の成功率は94パーセントです。これらの率、より速いターンアラウンドタイム(約7〜10営業日)、病理学者と腫瘍専門医の間の深いコミュニケーションが、[有益であることがわかりました]」

本当のメリットは、分子病理学者や病理学者とリアルタイムで迅速かつ簡単にコミュニケーションできることです」と、Saxena博士は述べています。Saxena博士は、外部のラボに連絡し、受領を確認し、彼らがそれに取り組んでいることを確認し、十分な組織があるかどうか、または別の生検が必要であると感じているかどうかを尋ねる手間を省くことができます。「腫瘍専門医として、特に患者が診察にきたとき、「まあ、検査結果が間に合わなかった」と言うのは非常に苛立たしいからです」Saxena博士は、結果がいつ準備できるかを確認し、それに応じて予約をスケジュールし、予備的な情報を得ることができます。「私は患者との会話の準備を十分に行い、患者をどのように治療するかを説明することができます」

もう1つの利点は、複数のサンプルを検査できることです。Saxena博士とSong博士は、肺の右上葉に複数の腫瘍結節がある高齢の患者を担当していました。「問題は、これらの別々の原発性肺がんの結節なのか、それとも同じ肺葉内に転移する同じ腫瘍なのかということでした。」と、Saxena博士は述べています。「これは、腫瘍学者としての私にとって重要です。答えによって、患者に推奨する治療法が決まるからです。」

病理学により、腫瘍結節が同じ組織病理学的タイプであったことが明らかになり、それらはすべて浸潤性腺がんであることがわかりました。最大のものは2.2センチメートルであり、所属リンパ節への転移はありませんでした。しかし、これらの原発巣は別々に存在していたのでしょうか?

「それは完全に明確になることはありませんでした。しかし、3つの検体すべてに対してセンターで包括的なゲノムパネル検査を行うことができました」と、Saxena博士は述べています。「この患者は、実は別の施設でも検査を受けていました。その施設の腫瘍専門医と話をしましたが、その腫瘍専門医は、3つの検体すべてを別々にプロファイリングすることができたということを信じませんでした。その施設では、外部委託検査を利用していました」

結果、腫瘍検体1と3には同じ変異があり、検体2には別のゲノムプロファイルがあることがわかりました。これは転移を意味し、患者は実際にステージ2Bの非小細胞肺がんを患っていることがわかりました。

別の患者にも肺に結節がありました。Saxena博士は、女性が30代前半で喫煙したことがなかったため、161個の遺伝子を含む最初のセンター内のアンプリコンベースのパネルでは変異が検出されなかったと説明しました。そこで彼らは、500以上の遺伝子パネルであるハイブリッドキャプチャーCGPを行いました。彼らは、ターゲット化したRET療法に反応するRET融合遺伝子変異を発見しました。「この新しいCGP500パネルでは、異なる融合遺伝子検出法を用います。ハイブリッドキャプチャーは、あらゆる融合遺伝子を検出できるという点で、アンプリコンベースの方法よりも優れています」と、Song博士は述べています。「DNAベースの融合遺伝子検出は、一部の融合遺伝子を見逃す可能性があります。RNAベースの融合遺伝子検出は、高い性能を発揮するでしょう。これは、この分野で最高の融合遺伝子検出法の1つです。」

CGPを介してのみ検出される融合遺伝子と変異の存在により、ターゲット化した薬剤または臨床試験に対する患者の適格性が決定されます。Weill Cornellのような教育を担当する病院にとって「非常に重要」なのは、これらの臨床試験やその他の研究や調査です。CGPにより、患者の転帰の改善につながる試験と研究を開始するためのデータが生成されます。「一部の研究は特定の段階では全員を対象としていますが、特定のゲノムサブタイプまたは異常に焦点を当てた研究がますます増えています」と、Saxena博士は述べています。「私たちはこれらすべてのデータを把握しているので、検査を実施している会社または人が興味を持っている突然変異のある患者が多くいることを示すことができます」また、Song博士次のように付け加えています。「診療所内検査の利点は、データを非常に迅速に編集できることです。多くの場合、検査を送付すると、PDFファイルが返送されてきます。そうすると、データを生成するのに時間がかかってしまいます。

ただし、CGPを施設内で行うには、データの入手可能性だけでなく、専門知識の入手やアクセスできることも重要です。「病理学者と腫瘍専門医の協力は、研究、患者ケア、相互教育にとって非常に重要だと思います」と、Saxena博士は述べています。Saxena博士は、Song博士と電子メール、電話や腫瘍に関する会議で絶えず会話していると説明しています。「私は他の腫瘍専門医と話をしますが、彼らは私が病理学者であるSaxena博士と絶えず会話できることに常に驚き、うらやましがっています。彼らが必要な情報を入手して物事を成し遂げるのは困難です。ですから、Song 博士とこの種のコラボレーションができたことに本当に感謝しています。なぜなら、それは私にとって非常に価値があり、誰もができることではないことを知っているからです」

「同様に、腫瘍専門医が治療をより良く改善するために何が必要かを知ることは私たちにとって非常に有益かつ重要です」と、Song博士は述べています。「この種の交流は、お互いにとって有益です」

がんゲノム医療の分野が勢いを増し、診断と治療法が急速に発展しているので、新しい時代の夜明けにいることには興奮を感じます。「私たちががんを定義するために組織学または形態学を使用したのはほぼ1世紀前からです」と、Song博士は述べています。「がんを定義する言語として分子プロファイリングを使用する時が来たと考えています」

 

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