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WGSは「疾患に関する研究の展望を変える」

UK Biobankが遺伝学研究における画期的な新局面に向けて前進

WGSは「疾患に関する研究の展望を変える」
2018/04/05

UK Biobankは本日、50,000名のUK Biobankボランティア参加者の全ゲノムのシーケンスを実施するという大規模な取り組みについて発表しました。

この全ゲノムシーケンスは、Medical Research Council(MRC)からの3千万ポンドの助成金提供を受け、2018年から2019年にかけてケンブリッジを本拠地とするWellcome Sanger Instituteで実施される予定です。

Wellcome Sanger Instituteは、世界最大規模のシーケンスセンターを所有しており、UK Biobankと協力してボランティア50,000名の全ゲノムをシーケンスする予定です。イルミナは、このプロジェクトに技術提供を行います。 

「このプロジェクトはイギリスにおける科学およびゲノミクスに対する継続的な取り組みを実証するものであり、イギリス有数の研究所によりイルミナのテクノロジーを使って実施されることを誇らしく思います。」

Paula Dowdy、イルミナのヨーロッパ、中東、アフリカ担当シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャー

UK BiobankおよびMRCは、かつてないスピードで大規模シーケンスを可能にする遺伝学解析における革新的な進歩を活用しています。UK Biobankの全参加者500,000名のシーケンスの実施を最終目標とするこの投資は、世界で最も詳細な全ゲノムデータベースの確立に役立ち、中高年における障害や早死の原因となるさまざまな疾患に関する研究をさらに加速させるでしょう。

UK Biobankの参加者の多大な貢献により、すでに保健研究が進められています。参加者が研究のために提供した健康状態の情報に基づいてリソースが構築されており、彼らの同意を得て、世界中の6,500名を超える認定を受けた科学者によりこうしたリソースが使用されています。UK Biobankにとってまだ初期段階ですが、これまでに400近くのピアレビュー論文が発表されており、研究に対するリソースの価値は日々高まっています。

UK Biobankの主任研究者であるSir Rory Collins教授は、シーケンスデータは健康問題を解き明かすジグソーパズルの極めて重要なピースとして科学者たちに求められてきたが、これほど早く実現するとは夢にも思わなかったと述べています。

「この進歩は色々な形に変化しています。科学者はさらに幅広い種類の課題に取り組むことができるようになり、結果を得る速度は飛躍的に高まります。

私は、MRCとWellcomeが長期的ビジョンを持ってこの重要なリソースに資金を提供してくれたこと、そして参加者たちが10年ほども前にUK Biobankに参加するという道を選んでくれたことに非常に感謝しています。彼らの利他的な貢献が毎日の新たな発見につながっています。」

UK Biobank主任研究者Sir Rory Collins教授

「UK Biobankとのパートナーシップは、MRCにとって、良好な健康状態を保つ上で遺伝、環境、および生活習慣がどのように影響しているかを理解するための唯一最大の取り組みであり、特定の疾患を持つ患者を対象とする多数の詳細な研究を補完するものです。Industrial Strategy Challenge Fundの支援を受けたこのプログラムは、骨や関節の健康状態からがん、認知症、および心疾患まで、ほぼあらゆる保健領域にわたり、より精密な治療の発見と開発に役立つとともに、より長期的には疾患の予測や予防にも貢献するでしょう。」

Medical Research Council (MRC)、Molecular and Cellular Medicine主任、Nathan Richardson博士

Wellcome Sanger Instituteは、ゲノム研究における世界的リーダーです。生物学や医学の方向性を変える、ヒトや病原体の生物学に対する新たな洞察をもたらすことを目的としています。

「50,000名のボランティア参加者の全ゲノムシーケンスを提供することでUK Biobankと提携できることをうれしく思います。過去25年間でSanger Instituteの事業規模と範囲は飛躍的に拡大しており、最近ではゲノムデータのうち5ペタ塩基(5000兆塩基対のDNA配列)のシーケンスおよび解析という画期的な出来事を達成しました。世界をリードするシーケンスチームと施設のおかげで、私たちは疾患研究を変革するカギとなるこのような大規模なプロジェクトを実現することができるのです。

Wellcome Sanger Instituteディレクター、Sir Mike Stratton教授

「UK Life Sciences Strategyには、UK Biobankに登録されている500,000名全員の全ゲノムシーケンスを実施する計画があります。この最先端プロジェクトは世界的に非常に大きな関心を集めています。数カ月以内に、データセットを強化する新たな技術の使用も含め、主要プログラムで可能なオプションの範囲を徹底的に検討することができるようになればと考えています。このプログラムはヒトゲノムシーケンスの新たなグローバルスタンダードとなるものであり、我々の疾患の理解と治療を大幅に向上するでしょう。」

オックスフォード大学医学部Sir John Bell欽定教授

多くの研究者はすでにUK Biobankが提供する匿名化されたジェノタイピングデータを使用しています。2017年に公開されたこれらのデータはゲノムの一部分を示すものにすぎませんでしたが、UK Biobankを用いる多数の研究活動が促進されることとなりました。

それ以来、イギリスのGSKおよびアメリカのRegeneronが参加者50,000名のエクソームシーケンスに資金を提供してきました。最初のデータは今年末までに登録されたUK Biobank研究者全員が利用できるようになる予定です。Regeneronおよびその他7社のコンソーシアムは現在、別の450,000名の参加者のエクソームシーケンスに資金を提供しています。この研究は2019年末には完了する予定であり、完了後にはすぐに幅広い研究者にさらなる貴重な情報が提供されるでしょう。

エクソームは活性遺伝子を構成し、ヒトゲノムの約2%を占めています。細胞を構成し、細胞活性を制御するタンパク質の産生におけるカギなのです。エクソームの解析により、健康を増進するための新薬のターゲットが特定される可能性があります。しかしながら、エクソームにおける活性遺伝子の制御は、各個人のゲノムの他の部分により左右されます。全ゲノムシーケンスはエクソームシーケンスやジェノタイピングより複雑で、費用もかかります。とはいえ、タンパク質産生がどのように制御されているかを理解するカギであり、疾患を予防し治療する方法を模索する上で重要な情報が得られる可能性も秘めています。

「私たちの目標は、参加者たちの支持を得た上で、可能な限り早く疾患の理解を深めるために、保健研究においてUK Biobankのリソースを最大限に活用できるようにすることです。UK Biobankからはすでに多くに貴重な遺伝子データが得られており、今なお新たなデータが得られていますが、こうしたデータは現在の研究に確実に弾みを与えています。今後全ゲノムシーケンスデータがさらに追加されることは研究コミュニティにとって喜ばしいことであり、私たちはすぐにそれを実現することができるでしょう。世界の研究コミュニティに活気をもたらすであろうことは明らかです。」

UK Biobank主任研究者Sir Rory Collins教授

2006年から2010年の間にUK Biobankプロジェクトに参加した参加者は、当時健康や生活状態に関する詳細情報を提供した際に複数の身体検査(血圧、身長、体重など)を受け、長期保管用と分析用に血液と尿のサンプルを提供しました。ジェノタイピングと同様、生化学分析(コレステロールやホルモンなど)が実施されており、得られたデータは間もなく研究者向けに公表されます。

参加者は仕事、メンタルヘルス、認知機能、食生活、および消化管の健康に関する情報も提供しており、100,000名には活動モニターを1週間装着してもらいました。Wellcome Trust、MRC、およびイギリス心臓病支援基金の資金提供を受けて実施されている、参加者100,000名の画像診断という数百万ポンド規模の過去最大の画像診断研究プロジェクトでは、UK Biobankは現在その4分の1を完了しています。

UK Biobankは、参加者の同意を得て、彼らのデータをHospital Episodes Statistics、がんや死亡に関するデータなどの保健記録と関連付けしており、現在はGP情報への関連付けを実施しています。研究者はUK Biobankへの登録後、特定データの使用を申請します。すべての情報は、参加者が特定されないような形(「匿名化」された形)で研究者に提供されます。

UK Biobankは、MRC、Wellcome、BHF、CRUK、イギリス保健省、スコットランド政府、ウェールズ政府、Diabetes UKの資金提供を受けています。

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