プレスリリース

ケンブリッジ大学、Genomics England社およびイルミナは、国民健康保険加入の患者1万人の全ゲノムシーケンス解析で共同研究へ プロジェクトはゲノム医療の基盤構築へ

希少遺伝疾患の患者1万人の全ゲノムシーケンス解析に着手

(当リリースは、Illumina Inc., が2013年10月21日付けで発表した英文プレスリリースを日本語に翻訳したものです。プレスリリースの正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します)

 

2013年10月21日英国ケンブリッジ(BUSINESS WIRE)――ケンブリッジ大学、Genomics England社およびイルミナ・インク(NASDAQコード:ILMN)は本日、希少遺伝疾患の小児と成人の患者1万人の全ゲノムシーケンス解析の3年間におよぶプロジェクトを開始したと発表しました。このプロジェクトは、2,000人分のサンプルを提供するGenomics England社のパイロット研究であり、David Cameron首相が最近発表した英国国民健康保険(NHS)加入の患者10万人のゲノムシーケンス解析の国家的事業の始まりでもあります。

「このプロジェクトは、希少遺伝疾患の患者の治療に、非常に大きな改善をもたらします。ヒトにおける健康障害の最初の徴候と、最新のDNAシーケンス法の威力を用いた確定診断提供との間にあるギャップが縮まります」とケンブリッジ大学およびケンブリッジ大学病院と提携関係にあるNIHRケンブリッジ生物医学研究センター所長のJohn Bradley博士は話します。

今日、希少遺伝疾患を有する患者の多くにとって、病因の診断研究が難航しています。多くの場合、そうした研究は途方もない時間がかかり、しかも成功していません。これは患者にとって最適な治療選択の妨げとなるのみならず、病態を悪化させる可能性もあります。英国国民健康保険(NHS)加入の患者ケアの改善を目的として、ケンブリッジ大学はイルミナの副社長兼主席研究員のDavid Bentley博士率いるチームと提携して、日常的に行う臨床全ゲノムシーケンスを臨床現場に提供するようなワークフローとプロセスを共同開発します。

イルミナは、ケンブリッジで発明された市場屈指のテクノロジーを用いて、全ゲノムシーケンスデータをこのプロジェクトに提供します。「1997年当時、ヘルスケアの一環としてヒトの全ゲノムをシーケンスすることは単なるアイデアに過ぎず、いつの日にかそれが現実となって何千もの患者が恩恵を受けるようになることを、私はこれまで望んできました」とケンブリッジ大学の化学教授であり、イルミナの装置がDNAコードを解読するのに用いられる合成技術によるしーけんすの発明者でもあるShankar Balasubramanian教授は語ります。

「当社は、希少遺伝疾患の根底にある遺伝子を発見するという、この草分け的なプロジェクトに協力できることをうれしく思います。このプロジェクトにより、これまでにない検査が開発され、新しい治療機会への道が切り開かれる可能性があります」とGenomics England社の主席研究員であるMark Caulfield教授は述べています。

推定では約7,000もの希少疾患があり、英国では約350万人が生涯のどこかの時点で希少疾患にかかります。

「私は、英国中の医師、看護士および科学者による先駆的な医学研究が、希少疾患に関わる方々からの幅広い支持を得るものと確信しています」と英国希少疾患連盟(Rare Diseases UK)のAlastair Kent氏は言います。

バーミンガム小児病院長のSarah-Jane Marsh氏は「新生児の5パーセント以上が遺伝疾患を持っています。現状では、最善の診断と有効な治療を利用できずにいる希少疾患患者の家族が多すぎます」と話します。

希少疾患ゲノムプロジェクトにより、このギャップに対処することができるようになり、NHSは希少疾患治療の世界的なリーダーとなるでしょう。このようなデータを集めて知見を積み上げていくことにより、NHS加入患者だけではなく世界中の多くの患者に対する治療が改善します。

 

ケンブリッジ大学について
ケンブリッジ大学は、800年以上前に創立され、31のカレッジと100を超える学科から成り立っています。ケンブリッジは、世界最高位の大学の1つです。その使命は、世界最高水準の教育、学習および研究の追求を通して社会に貢献することにあります。その使命の中心には、思想・表現の自由と差別からの解放という中核的な価値観が存在しています。

ケンブリッジ大学(http://www.cam.ac.uk/)は、科学の歴史が始まって以来、多くの重大な発見が生まれた場所であり、検証の場でもありました。ケンブリッジ大学は2009年に創立800周年を迎え、しっかりと未来を見据えており、先進的なこの大学が今後も学問と研究のための最先端の国際的施設であり続けることは間違いありません。詳細はwww.cam.ac.ukでご覧ください。
 

ケンブリッジ大学病院およびケンブリッジ生物医学研究所について
NIHR生物医学研究所は、英国で最も著名なNHSと大学との提携を基にした、最先端のトランスレーショナルリサーチを行う研究所です。この研究所は、国立健康研究所(NIHR)から多大な助成を受けており、基礎的な生物医学研究から患者に有益となる臨床研究への橋渡しをしています。また、健康を改善するためのテクノロジー、技術および治療における最新の知見を取り入れています。ケンブリッジ生物医学研究所(http://www.cambridge-brc.org.uk/)は、NIHR生物資源部門(NIHR BioResource)と共同研究を行っています。
 

Genomics England社について
Genomics England社(www.genomicsengland.co.uk)は、英国首相が主宰する10万人ゲノムプロジェクトを推進する会社として、2013年4月17日に設立されました。このプロジェクトでは、希少疾患およびがんまたは感染症の患者を対象に、DNAマッピングの先端技術を用いて、新たなデータと患者の医療記録を関連づけます。これにより医師は、患者の遺伝構成、病態および必要な治療についての最先端の知見を得ることができ、適切な薬剤選択と従来よりもはるかに迅速な個別治療の選択が実現します。Genomics England社は、英国保健省が所有しています。
 

イルミナについて
イルミナ(www.illumina.com) は、遺伝子多型や遺伝子機能の大規模解析を行うためのライフサイエンスツールおよび包括的システムの開発、製造、販売を行っている主要企業です。当社はジェノタイピング、コピー数多型解析、メチル化研究、遺伝子発現プロファイリングのほか、DNA、RNA、タンパク質の低マルチプレックス解析を行うための革新的なシーケンシングソリューションおよびアレイベースソリューションを提供しています。このほか、ゲノム科学や診断学の発展を促すツールやサービスを提供しています。当社のテクノロジーや製品は遺伝子解析研究やその応用を加速させ、分子医学への道を切り開き、最終的には医療を変革しています。
 

バーミンガム小児病院について
財団法人バーミンガム小児病院NHSトラストは、ウェスト・ミッドランズ州バーミンガムの市内外から来院する年間24万人以上の若年患者に対して、幅広い小児医療を提供しています。このトラストは、国家NIHR小児希少疾患プログラムのための最重要施設であり、てんかん手術の国指定専門センター、ウェスト・ミッドランズ州の外傷センターおよび国立移植センターです。この病院は、複雑な心臓病態、火傷・がん・肝臓および腎臓疾患治療のための中核的拠点であり、英国内で最大の小児・青年メンタルヘルスサービスの1つの本拠地でもあります。
 

将来予測に関する記述
本プレスリリースには、リスクおよび不確実性を含む将来予測に関する記述が含まれている可能性があります。将来予測に関する記述と大きく異なる実態が生じる重要な要素としては、当社が米国証券取引委員会(SEC)に提出する最新のフォーム10-Kおよび10-Q等の届出またはカンファレンス・コール(日時は事前に連絡されます)にて開示される情報にて説明されるその他の要因等があげられます。イルミナは本リリースの日付後において、これらの将来の予測に関する記述について更新する予定はありません。
 

 

出典:イルミナ・インク

お問い合わせ先

イルミナ株式会社(Illumina K.K.)
〒108-0014 東京都港区芝5-36-7 三田ベルジュビル22階
TEL:03-4578-2800
FAX:03-4578-2810
URL:http://www.illuminakk.co.jp
担当:マーケティング部
問い合わせメール:contactJPN@illumina.com

または、

University of Cambridge
Genevieve Maul
Deputy Head of Research Communications
Office of External Affairs and Communications
+44 (0) 1223 76 5542
+44 (0) 7774 01 7464
genevieve.maul@admin.cam.ac.uk

 

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