プレスリリース

癌および希少疾患における戦いに革命をおこす計画により、英国がDNA検査における世界のリーダーとなる

(当リリースは、Illumina Inc., が2014年08月01日付けで発表した英文プレスリリースを日本語に翻訳したものです。プレスリリースの正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します)

2014年8月1日ロンドン(BUSINESS WIRE)-- 英国は、3億ポンド超の投資により、疾患の診断や治療方法を一変させる、癌および希少疾患に対する画期的な遺伝子研究の世界的リーダーとなる準備が整ったことが、本日英国首相によって発表ます。

この4年間のプロジェクトでは、科学者が10万人のヒトゲノム(患者個人のDNAコード)を解読する先駆的な新しい研究を行うことが可能となります。この画期的なプロジェクトは、世界中で比類のない規模で実施されるものであり、英国の研究・ライフサイエンス部門のみならずNHS(英国の国民保健サービス)もが、現代医療の世界的な進歩の先端を切る立場に置くことを保証する首相のコミットメントの一部でもあります。

癌患者または希少疾患患者のゲノムのシーケンスは、科学者および医師が、疾患の作用機序を理解するのに役立つでしょう。このプロジェクトは、新規でより良いテストや薬剤および治療の選択肢を得ることで、ヘルスケアの将来を一変する可能性を有しています。希少遺伝性疾患や癌によってダメージを受けた何千もの家族に命綱を手渡すことが期待されています。

英国では2017年までに10万人のヒトゲノムをマッピングすると首相により、確約されました。

今や世界をリードする研究機関が力を合わせ、10万人ゲノムプロジェクトは新規投資パッケージの主要なマイルストーンに達しました。

この計画を実現するため、首相は本日、Genomics Englandと、インフラおよび計画を実現するための専門知識を提供するイルミナ社(ナスダック: ILMN)との間の新しいパートナーシップを発表します。その一環として、全ゲノムシーケンスに対するイルミナのサービスは、約7,800万ポンドの取引が確約されています。

次にイルミナは、今後4年にわたって英国での事業に約1億6,200万ポンドを出資し、ゲノムシーケンスの分野において新しい知識や成果を生み出していく計画です。この投資は、ライフサイエンス産業の繁栄に有益なだけでなく、有能な英国の科学者が世界をリードする機会を創出することにも貢献するでしょう。さらに、全NHS患者がこの刺激的な新しいテクノロジーから最終的に恩恵を受ける道も開くと考えられます。

この研究によって、NHSは科学的発見の最前線に置かれます。これは、NHSが日常診療の一部としてゲノム医療を提供する世界で最初の主流の保健サービスとなるという首相のビジョンに調和しています。

David Cameron首相は次のように言っています:
「この合意によって、英国がここ数年以内に遺伝子研究において世界をリードしていくでしょう。重要な科学的大発見を、より良いテストやより良い薬剤、とりわけ患者にとってより良いケアの提供に役立てていくことのできるように、DNAの能力を解き明かす保健・科学部門を支援するためにできることはすべて実現していくことを私は決心しています。

「私たちの計画が現実となるとき、次の特効薬または画期的なテクノロジーを発見するべく我が国の最高の科学者やライフサイエンス事業を支援しながら、同時に極めて深刻な疾患に対するNHSをはじめとする世界での診断方法や治療も一変できるだろうと信じています。」

ウェルカムトラストは、ゲノム研究に10億ポンドを超える投資をしており、ケンブリッジ近郊のゲノムキャンパスにある世界クラスのシーケンスハブに2,700万ポンドを支出することに合意しています。これによって、Genomics Englandの事業所は、国際的に評判の高いサンガー研究所の事業所に肩を並べるでしょう。

この合意により、世界で最も活気に満ちたゲノム科学テクノロジー集団の中心にGenomics Englandが据えられ、科学者たちは、基礎を置くサンガー研究所、欧州生物情報研究所およびバイオテクノロジー企業出身の世界一流の研究者と同じ施設内で共同で研究することができるようになります。

さらに医学研究審議会は、参加者のデータが正しく分析・解明され、医師や研究者が確実に信頼できる演算能力の実現のために、2,400万ポンドを充当しました。

NHSイングランドは、最初のNHSゲノム医療センターを選択するプロセスを開始しました。これらのセンターが成功すれば、癌および希少疾患患者の参加により得られた患者自身の配列ゲノムを保有が、この野心的プロジェクトを前進させるのに役立つでしょう。NHSイングランドは、このプロジェクトの継続期間にわたって最大で2,000万ポンドのNHS寄付金を保証することに合意しました。

現金注入および新たなパートナーシップは、10万人ゲノムプロジェクトでの素晴らしい進歩がなされ得ることを意味するでしょう。約4万人のNHS患者がこの研究から直接恩恵を受けることが期待されています。最終的には、この事業は、NHS全体にわたって日常業務の一部となるゲノム医療への道を開くこととなるでしょう。

プロジェクトの参加は参加者の同意に基づいて行なわれ、個々人のデータはGenomics Englandの安全なデータサービスによって厳重に保護されます。

George Freemanライフサイエンス大臣は次のように述べています:
「Genomics England社とイルミナとの先駆的パートナーシップは、遺伝子医療の分野における世界のリーダーとしての英国の立場を確固としたものにします。このプロジェクトによって、私たちは空前の規模のゲノムをマッピングし、今後の世代の癌および希少疾患の人々により良い治療法をもたらすのに役立てていきます。

「さらに、このプロジェクトは、この国の経済およびライフサイエンスの発展にとって非常に重要です。ケンブリッジで有益な成果を生み出すこと以上のものが得られるでしょう。」

Genomics Englandの会長であるJohn Chisholm卿は次のように言っています:
「これは、現在そして将来の患者に莫大な恩恵をもたらすことができる世界をリードするプロジェクトです。この野心的なプロジェクトをつねに私たちが意図していたものに変えていく真のマイルストーンとなります。

Jay Flatley、イルミナCEOは、次のように言っています:
「これは、英国が、医学の限界を押し進めて、ゲノムヘルスケアのための最初の包括的国内プログラムを策定する重要な日です。」

「Genomics Englandはヘルスケアの実施方法における重大な変更を成し遂げつつあり、イルミナは彼らとの提携に全力で取り組んでいます。このプロジェクトにより、英国はゲノムテクノロジーを実施し、患者、NHSおよび英国経済のために永遠の遺産を生み出すグローバルレースのリーダーとしての地位が確立されます。」

Jeremy Farrar、ウェルカムトラスト理事は、次のように言っています:
「人間の遺伝子コードを理解することは、将来の医療にとって必須であるだけでなく、今日の医療にとっても必須です。希少な先天性疾患、癌、および感染症において、ゲノムにおける新たな知見は既に診断および治療における風景を一変しつつあります。

「ウェルカムトラストは、ヒトゲノムプロジェクト、世界の科学をリードするサンガー研究所、ならびに国際保健、医学倫理および公衆衛生における重大な成果への重要な寄与など、これらへの理解をすべてまとめ上げたゲノム研究に10億ポンドを超える投資をしました。Genomics Englandは、患者のインフォームドコンセントを頼みとする頑健な倫理的枠組み内で、患者を助ける医学の進歩のためにこうした知識をさらに活用するでしょう。そのため、その努力を支援することは、次の論理的階段となります。私たちは、Hinxtonゲノムキャンパスでサンガーと共にそのシーケンスハブを管理し、疾患を調査するためにそのデータを使用する研究者に資金を提供することを誇りにするでしょう。」

Simon Stevens、NHSイングランド最高経営責任者は、次のように言っています:
「今やNHSは、抗生物質、ワクチン、現代看護、人工股関節置換術、IVF、CTスキャナー、および血液循環からDNAの存在までの画期的な発見を人間にもたらした、国家としての長い実績を築き上げ、革新的なゲノムテストおよび患者治療の開発のための世界の「頼れる」保健サービスの主軸となる準備が整っています。

「この先駆的な10万人ゲノムプロジェクトによって実証されるように、患者データを解き明かすことにおけるNHSの比較優位は、大規模かつ多様な集団と、ケア、医療環境に広がる長年にわたるデータ、世界的医科学、予防および新しい研究方法における上流投資を可能にするNHS公債資金調達法へのユニバーサルアクセスとの独自の提携から生じる新たなゲノム革命の恩恵を受けます。」

背景
希少疾患の発症頻度は低いですが、5000~8000の既知の遺伝的障害があります。約300万人がそれらの影響を受けており、その約半数は小児です。ヒトゲノムプロジェクトが1990年代の初めに着手されたときには、最初の全ヒトゲノムのシーケンシングに13年以上と20億ポンドを超える金額を要しました。しかし今や、テクノロジーの進歩と共に、ヒトゲノムシーケンスのスピードおよびコストは著しく下がっています。

この情報の活用方法への私たちの理解はさらに深まっています。私たちは、さらに多くを学ばねばなりませんが、これらの進歩によって、主流のヘルスケア内でゲノム医療を使用できる可能性が開かれてきました。

Genomics Englandは、保健省によって完全所有されています。Genomics Englandは、10万人ゲノムプロジェクトを提供するために設立されました。この旗艦プロジェクトは、2017年までにNHS患者由来の10万人の全ゲノムをシーケンスします。

Genomics Englandには、4つの主要な目的があります:

  • 患者に恩恵をもたらすこと
  • 患者の同意に基づいた倫理的で透明性のあるプログラムを作成すること
  • 新しい科学的発見および医療の知見を得ること
  • 英国ゲノム産業の発展をキックスタートすること。このプロジェクトは多数の癌患者だけでなく希少疾患患者およびその家族にも焦点を当てています。このプロジェクトは、現在その試験段階にあり、主要プロジェクトは2015年に始まります。

 

イルミナの将来予測に関する記述
本プレスリリースには、リスクおよび不確実性を含む将来予測に関する記述が含まれている可能性があります。将来予測に関する記述と大きく異なる実態が生じる重要な要素としては、当社が米国証券取引委員会(SEC)に提出する最新のフォーム10-Kおよび10-Q等の届出またはカンファレンス・コール(日時は事前に連絡されます)にて開示される情報にて説明されるその他の要因等があげられます。イルミナは本リリースの日付後において、これらの将来の予測に関する記述について更新する予定はありません。

 

出典:イルミナ・インク

お問い合わせ先

イルミナ株式会社(Illumina K.K.)
〒108-0014 東京都港区芝5-36-7 三田ベルジュビル22階
TEL:03-4578-2800
FAX:03-4578-2810
URL:http://www.illuminakk.co.jp
担当:マーケティング部
問い合わせメール:contactJPN@illumina.com

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