プレスリリース

世界有数の癌研究所に所属する学際的リーダーとともに、アクショナブル・ゲノム・コンソーシアムを結成

Dana-Farber癌研究所、Fred Hutchinson癌研究センター、MD Anderson癌センター、Sloan Kettering記念癌センターおよびイルミナが創立メンバーのコンソーシアムが、今後癌腫瘍における次世代シーケンサー基準を推奨

(当リリースは、Illumina Inc., が2014年9月8日付けで発表した英文プレスリリースを日本語に翻訳したものです。プレスリリースの正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します)

ボストン、シアトル、ヒューストン、ニューヨーク、サンディエゴ-(BUSINESS WIRE)-2014年9月8日‐イルミナ社(NASDAQ: ILMN)は、臨床オンコロジー分野における意思決定の目安として次世代シーケンサーの広範な利用を推奨する基準を公表する活動を行っていますが、その一貫として、世界有数の複数の癌センターとアクショナブル・ゲノム・コンソーシアム(AGC)を結成すると本日発表しました。AGCの主な検討事項は、「癌アクショナブル・ゲノム」の原理と内容を定義すること、すなわち、個々の患者さんの腫瘍を決定するゲノム変化を包括的に説明することです。定義されたアクショナブルなゲノムは、患者さんの転帰を改善するために最適な治療・試験戦略を立てる際にオンコロジー専門医や病理医にとって有用な情報となります。

現時点では、アクショナブルの定義は一定しておらず、ゲノム試験の臨床的解釈は専門家にとっても困難な問題です。また、腫瘍におけるアクショナブルな事象が何で構成されるかを定義するのは主要癌センターなどの学際的腫瘍委員会に委ねられていますが、患者さんの多くはこのような機関を利用できる状態にありません。

「オンコロジーでは、医学の他の分野と同様に、ゲノミクスの改革が医療の中核になると考えられています。次世代シーケンサーの進展を含む過去数十年の進展により、癌をどのように診断、分類、治療すべきかを再考する準備ができました」と、Sloan Kettering記念癌センターのヒトオンコロジー・発症機序プログラム責任者でありHoward Hughes医学研究所研究者であるCharles Sawyers(M.D.)は言います。「地域のオンジロジー専門医が標準的な分子試験手順と試験結果の解釈の仕方を認識していれば、患者さんが正しい標的治療を最初から受けられる可能性が高くなります」

「癌の解決策は、最先端の癌研究所の資源を組み合わせた上に存在することは明らかです。AGCは、発見と知恵を共有して癌患者さんの利益につなげるモデルとして大変興味深いものです」と、テキサス大学MD Anderson癌センター、システムバイオロジー部部長のGordon Mills(M.D., Ph.D.)は言います。

「AGCは、前例のないスケールで臨床データと分子データを組み合わせることを可能にし、癌医療を根本的に変化させる道を開きつつあります。AGCはこの移行を正しく理解して促進しようとする全国規模の構想のひとつです」と、Fred Hutchinson癌研究センター、固形腫瘍トランスレーショナル研究責任者のEric Holland(M.D., Ph.D.)は言います。

「個別化治療へのゲノミクスの使用を促す基準の作成はきわめて重要な進展となり、患者さんに対する実際の利益につながります」と、Dana-Farber癌研究所の主任科学責任者であるBarrett Rollins(M.D., Ph.D.)は言います。

AGCは、アクショナブルな事象のリストをすでに作成しており、生検、検体の保存と輸送、抽出に関する最善の医療実践の推奨事項、DNAシーケンスの技術的成績基準、変異コーリングの基準、アノテーションおよび解釈、臨床報告書のフォーマットと内容のガイドラインなどを含めて今後発表する予定です。

AGCのこの推奨事項が医学ガイドラインに採用されれば、体外診断用医薬品、癌ゲノム試験の規制監督を支援する追加情報、さらに患者さんの転帰改善につながる試験の償還に進展が見られるでしょう。また、AGCには研究部門も含まれる予定で、この部門は加盟研究所の科学的、臨床的、技術的能力を利用して、分子オンコロジー分野における大きな課題を対象として施設を超えて行われる新たな共同研究プロジェクトに臨むことになります。

「AGCは、臨床および分子オンコロジー、病理学およびテクノロジー分野の専門家と意思決定者で構成される異例な集まりであり、すべての腫瘍のシーケンスに適用される基準を提示することで、臨床オンコロジーを精密の時代に移行させることになります」と、国立癌研究所の元所長であり、現在はイルミナの上席副社長兼最高医務責任者であるRick Klausner(M.D.)は言います。「広く使用できる標準化された腫瘍ゲノム試験があれば、精密オンコロジーが、したがって精密医学が、期待に応じられるようになるでしょう」

Dana-Farber癌研究所について
Dana-Farbe癌研究所はHarvard大学医学部の主な教育付属施設で、成人および小児の癌に対する最先端の治療と研究で世界的に有名です。国立癌研究所(NCI)によって包括的癌研究施設に指定されており、NCIおよび国立衛生研究所の助成金を受けている独立の病院の中でも最高額の助成金を得ています。詳細については、www.dana-farber.orgをご覧ください。

Fred Hutchinson癌研究センターについて
3人のノーベル賞受賞者を輩出したFred Hutchinson癌研究センターでは、世界有数の科学者で構成される学際的チームが癌、HIV/AIDSおよび他の生命を脅かす疾患の予防、診断、治療の新しい画期的な方法を求めて研究を行っています。骨髄移植に関するこの研究センターの先駆的研究は、免疫系の力を利用して最小限の副作用で癌を治療する免疫療法の開発につながりました。シアトルを拠点とする独立の非営利研究施設として、Fred Hutchinson癌研究センターは米国初で米国最大規模の癌予防研究プログラムを実施しているほか、「女性の健康イニシアチブ」の臨床コーディネーティングセンターおよびHIVワクチン治験ネットワークの国際本部として機能しています。詳細についてはwww.fredhutch.orgをご覧ください。または同センターのFacebookTwitterまたはYouTubeをご覧ください。

MD Anderson癌センターについて
ヒューストンにあるテキサス大学MD Anderson癌センターは、癌患者の医療、研究、教育および予防に焦点を当てている施設として最も評価の高い施設のひとつです。国立癌研究所(NCI)の指名を受けている包括的癌センターは41施設に限られますが、MD Anderson癌センターはそのひとつです。過去25年間、MD Anderson癌センターはU.S. News & World Reportの年間「最優秀病院」調査で2位までの位置を保っています。MD Anderson癌センターは、国立衛生研究所のNCIから癌センター支援助成金を受けています(P30 CA016672)。

Sloan Kettering記念癌センターについて
Sloan Kettering記念癌センターは世界で最も長い歴史を有する最大規模の民間癌センターで、13,000名を超える医師、科学者、看護師およびスタッフが、常に癌制圧に専念しています。独立の研究所として、Sloan Kettering記念癌センターは130年にわたる研究と最先端の臨床医療を組み合わせることで、高度に個別化された優れた医療を個々の患者さんに自在に提供しています。また、教育プログラムを常に改善していくことで、世界各地でこの分野の新たなリーダーとなりうる人物の訓練を継続して行っています。詳細についてはwww.mskcc.orgをご覧ください。

イルミナについて
イルミナ(www.illumina.com)は、遺伝子多型や遺伝子機能の大規模解析を行うためのライフサイエンスツールおよび包括的システムの開発、製造、販売を行っている主要企業です。当社は ジェノタイピング、コピー数多型解析、メチル化研究、遺伝子発現プロファイリングのほか、DNA、RNA、タンパク質の低マルチプレックス解析を行うための革新的なシーケンシングソリューションおよびアレイベースソリューションを提供しています。このほか、ゲノム科学や診断学の発展を促すツールやサービスを提供しています。当社のテクノロジーや製品は遺伝子解析研究やその応用を加速させ、分子医学への道を切り開き、最終的には医療を変革しています。

出典:イルミナ・インク

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