プレスリリース

Philipsとイルミナががん分野の統合ゲノミクスソリューションの提供に向けて提携

(当リリースは、Illumina Inc., が2017年1月9日付けで発表した英文プレスリリースを日本語に翻訳したものです。
プレスリリースの正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します)

提携を通じて、Philipsのクラウドベースの革新的なゲノミクスプラットフォームでイルミナの世界クラスのDNAシーケンステクノロジーとBaseSpace Sequence Hubを活用する統合ソリューションを実現し、がん研究におけるゲノミクスデータの取得、解析、解釈の促進を目指す

オランダ アムステルダムおよび米国サンディエゴ - ヘルスケアテクノロジーのグローバルリーダーであるRoyal Philips(NYSE:PHG、AEX:PHIA)とDNAシーケンスおよびアレイベースのテクノロジーにおけるグローバルリーダーであるイルミナ(NASDAQ:ILMN)は本日、遺伝子多型および遺伝機能の大規模解析が可能なイルミナのシーケンサーシステムとPhilipsのIntelliSpace Genomics臨床インフォマティクスプラットフォームの統合、ならびにその統合ソリューションの共同マーケティングと販売を目的とした戦略的提携を発表しました。両社は、がん分野の精密医療プログラムの策定を図る米国において、ヘルスケアシステムを用いた共同臨床研究にも取り組む予定です。

ゲノム情報にもとづく腫瘍プロファイリングは複雑ながん症例においてきわめて重要な役割を果たします。腫瘍プロファイリングでは、ゲノムの大部分を変異の発見と並行して迅速にプロファイリングする次世代DNAシーケンスが広く利用されつつあります。ところが、得られたゲノム情報を患者の症状と関連付けながら迅速かつ正確に解釈する手段の開発には、いまだ多くの課題が立ちはだかっています。がん患者の腫瘍に存在する遺伝子バリアントは数百にのぼりますが、そのうち、個人の特定のがんを実際に進行させる疑いのあるバリアントまたは特定の患者に対して実施可能な治療との関連性が示唆されるバリアントはほんのわずかです。ゲノムデータから意味のある解釈を引き出すためには、患者の病歴、関連する臨床検査およびがん腫を総合的に考慮する必要があります。

Philipsとイルミナは提携を通じ、がん症例のゲノミクスデータの取得、解析、およびアノテーションを促進する新たなソリューションの提供を目指します。このソリューションでは、イルミナの装置に接続されたBaseSpace® Sequence Hubがデータの取得を担い、その処理をPhilipsのがん分野向けのIntelliSpace Genomicsソリューションが担います。また、放射線医学、免疫組織化学、デジタルパソロジー、診療記録、臨床検査など複数のソースのデータを組み合わせ、ダッシュボード画面に包括的に表示することが可能です。このシステムにより、研究者がより効率的に洞察を深めることができるだけでなく、最終的には医療提供コストの引き下げおよび結果的な健康の改善にもつながるものと期待できます。

PhilipsのConnected Care and Health Informatics部門CEOであるJeroen Tas氏は次のように述べています。「ゲノム情報は個別化医療、特にがん患者の治療にきわめて大きな価値をもたらします。これまで、がんの精密診断と治療改善を目的としたゲノムデータの利用は、大学病院という限られた領域でしか行えないような状況でした。今回の提携を通じて、ゲノミクスの価値が幅広い研究室および医療提供者に解き放たれます。これにより、精密医療の提供を目指したゲノミクスイニシアチブを加速させ、患者への成果を高めることができます」。

イルミナの社長兼CEOであるFrancis deSouzaは「この提携により、米国のみならず世界中のヘルスケアシステムに当社の次世代シーケンサーシステムを統合するという素晴らしい道が切り開かれるものと確信しています。当社は人々の健康の向上に取り組んでおり、日々のヘルスケアビジネスにゲノミクスを結び付けることをその重要戦略の1つに掲げています。統合された患者データにもとづき、クリニカルパスと一体化し、実世界のエビデンスと費用償還モデルにより支えられるヘルスケアの実現です」と述べています。

両社は、システム統合、コホート分析および医療経済学アプリケーション、将来的な研究プログラムを共同で行うことを計画しています。イルミナとPhilipsの統合ソリューションを導入することで、複数のデータソース(イメージング、病理診断、研究室など)から得た情報にシーケンスデータを統合できるようになります。また、高度な解析機能や深い知見をもたらすテクノロジーに加え、利用可能な参考文献、ガイドライン、およびエビデンスに1つの画面から容易にアクセスすることができます。

IntelliSpace GenomicsではPhilips HealthSuiteの機能が活用されます。Philips HealthSuiteは、システム、臨床アプリケーション、およびデジタルツールで構成される安全なクラウドベースのエコシステムであり、汎用ビッグデータ管理、予測解析、人工知能、モノのインターネット(IoT)など最新機能へのアクセスを提供することで臨床医が最初から的確な判断を下せるよう支援するヘルスケアプラットフォームです。これにより、医師および専門家はPhilips IntelliSpace Genomicsを通して、治療計画に役立つアクショナブルな情報をリアルタイムに得ることができます。

BaseSpace® Sequence Hubは、イルミナの装置をシームレスに拡張するクラウドベースのプラットフォームです。ゲノムデータの取得および解析の他、シーケンスランやイルミナのシーケンスプラットフォームの管理も可能なため、最適なオペレーションを実現できます。また、付加価値をもたらすイルミナの幅広い装置および解析アプリケーションのエコシステムでゲノムデータを容易に共有することができます。

研究目的での使用に限定されます。診断での使用はできません。

お問い合わせ先:

今回のサービス内容変更、製品販売およびテクニカルサポート終了に伴い、ご質問、ご不明点等ございましたら、弊社テクニカルサポートまでお問い合わせください。
テクニカルサポート部: Email: techsupport@illumina.com フリーダイヤル:0800-111-5011

Royal Philipsについて

Royal Philipsについて
Royal Philips(NYSE:PHG、AEX:PHIA)はヘルスケアテクノロジー分野のリーディングカンパニーです。人々の健康の向上を願い、健康的な生活から疾病予防、診断、治療、在宅医療にいたる一連のヘルスケアプロセスを通じてより大きな成果を生み出すべく取り組んでいます。Philipsが提供する包括的なソリューションには、先進的なテクノロジーと医療および消費者に関する深い知見が活かされています。オランダに本社を構え、画像診断、画像誘導治療、患者モニタリング、およびヘルスインフォマティクスの他、消費者の健康や在宅医療といった幅広い領域を牽引しています。ヘルスケアテクノロジー製品の2015年度売上高は168億ユーロにのぼります。全世界に約70,000名の従業員を擁し、100カ国以上で事業を展開しています。Philipsに関するニュースは、www.philips.com/newscenterでご覧いただけます。

イルミナについて
イルミナは、ゲノムのパワーを解き明かすことにより、人々の健康をより豊かにすることを目指しています。革新的な取り組みに注力することにより、研究、臨床、および応用市場でお客様に製品を提供しながら、DNAシーケンスおよびアレイベースの技術におけるグローバルリーダーとしての地位を確立してきました。私たちの製品は、ライフサイエンス、腫瘍学(がんゲノム)、生殖医療、農業およびその他新たなセグメントでの応用に利用されています。イルミナ製品についての詳細はこちらから:jp.illumina.com、またはwww.facebook.com/illuminakk/でフォローしてください。

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