アグリゲノム

Let it Grow:植物DNAデータベースを「栽培する」

日本のかずさDNA研究所は、植物ゲノムの収集とそれらを誰もが利用できる取り組みを主導しています

Let it Grow:植物DNAデータベースを「栽培する」
2022年1月12日

植物は地上では必ず死に至りますが、インターネット上では永久に存在することができます。

これが植物ゲノムを収集するオンラインデータベースである Plant GARDENの背後にある構想です。日本のかずさDNA研究所、先端研究開発部、植物ゲノム・遺伝学研究室室長の磯部祥子博士によると、他にもデータベースは既に存在していますが、それらのデータベースは研究者向けのものです。一方で、Plant GARDENは科学者や育種業界関係者、さらに教育者、そして植物や遺伝子の構成に単に興味のある一般の人々をも呼び込むことを目的にしています。

磯部博士は、「ゲノム情報の使用は将来、より大きな分野に広がることになると考えています。そのため、初心者が簡単にデータにアクセスでき、その一方で専門家が使いたいと思うような先進の情報を保存しているユーザーインターフェースを備えたデータベースを開発しました。」と話します。

Plant GARDENプロジェクトに関わっている研究者は、植物科学のさまざまな応用分野に対する植物ゲノムの活用に注目しています。多様な植物のゲノム情報によって、このデータベースが価値ある教育ツールとなり、生物の多様性や植物群落での個々の植物の相互作用の理解にも貢献すると考えられます。

磯部博士は次のように述べています。「このデータベースはまだ初期段階にありますが、学校教育に使用することができるツールになってほしいと思っています。例えば、子供たちは興味のあるヌクレオチド配列について簡単に BLAST解析を実施できます。」

かずさDNA研究所は、DNA研究を専門にした世界初の研究所として1994年に設立されました。ゲノム研究をリードするとともに、医療や農業、その他の産業に貢献しています。 

全ゲノム配列の解読が加速する中、かずさ研究所の研究者たちは自分たちが植物から収集した豊富な情報を、よりアクセスしやすいものにしたいと考えていました。かずさ研究所の磯部博士らは、顕花植物、すなわち被子植物の研究とシーケンス解析に関心を持っています。これらの植物は1億塩基対から1,500億塩基対に及ぶ多様なゲノムサイズを有しています。植物には2組以上の染色体が含まれることが多く、このことがシーケンスを困難にしています。

磯部博士らが Illumina DRAGEN™ Bio-IT Platformについて知った時、自分たちの施設への導入を強く望みました。DRAGENが従来の方法の40分の1程度の時間でゲノムを解析することができるだけでなく、精確さも従来の方法と同様であったためです。磯部博士は次のように述べています。「これまでよりも高速な解析ができることによって、今ではPlant GARDENでより多くの情報を公開することができます。」

イルミナが新しいソリューションを提供したことで、複雑な植物ゲノムについて磯部博士らが抱えていた多くの問題が克服されました。DRAGENを用いることで、磯部博士らは新しいバリアントの同定、そして発現や機能の研究が、さまざまな植物種においてできるようになりました。

現在、Plant GARDENはツツジ属植物、イチジク、ダイコン、クリなどの120を超えるゲノム情報を格納しています。このデータベースは同一植物の複数の全ゲノムを収集し、存在しうる変異の多様性も保存しています。

磯部博士は次のように述べています。「多様な生物のゲノム配列を得ることは重要ですが、データ管理プラットフォームも重要になってきています。植物ゲノム科学者、そして世界の食糧生産問題や環境問題を解決しようとする人々のために、植物多様性を研究し、理解するためのユーザーフレンドリーなプラットフォームを提供したいと考えています。」

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