Broad Instituteがイルミナの新しい空間技術を活用したフラッグシッププロジェクトで協力
AGBT(Advances in Genome Biology and Technology)では、顧客企業が肺線維症、前立腺がん、マウスの脳の3次元再構成など、幅広い研究において、比類のない規模と感度を示すデータを提示します。
イルミナ、Illumina Connected Multiomicsでマルチモーダルデータを解読するソフトウェアポートフォリオを拡大
サンディエゴ、2025年2月19日 /PRNewswire/ -- Illumina, Inc.(NASDAQ:ILMN)は本日、複雑な組織をマッピングし、細胞挙動の観察を前例のない規模で可能にする新しい空間技術プログラムを発表しました。イルミナのシーケンサーと新しいマルチモーダル解析プラットフォームで実現されたイルミナの空間技術は、細胞レベルの解像度と高い感度を持つ偏りのない全トランスクリプトームプロファイリングを実現します。これらの機能は、空間研究の拡大を促進し、これまで不可能だった応用や実験を可能にすると期待されています。
詳細および早期アクセス顧客データは、来週フロリダ州で開催されるAdvances in Genome Biology and Technology(AGBT)全体会議のイルミナのゴールドスポンサーワークショップで発表されます。
イルミナの最高技術責任者であるSteve Barnard PhDは次のように述べています。「空間トランスクリプトミクスは、生物の細胞機能に関する重要なインサイトを得るための全く新しい道を開きます。」 「イルミナの空間技術は、当社の主要なシーケンスプラットフォームに基づき、また別の完全なワークフローを提供します。このイノベーションにより、私たちは、科学的発見の次の波を促進し、細胞間の相互作用が疾患に与える影響から、その解決に必要なメカニズムに至るまで、生物学の深い謎を解き明かす新しい基準を打ち立てています。」
空間トランスクリプトミクスにより、研究者は細胞レベルで生物学的相互作用を探索することができます。例えば、細胞の詳細な配置をマッピングする、細胞のアトラス化を通して、研究者は疾患に影響を与える複雑な組織構造に対する新しいインサイトを得ることができます。これにより、腫瘍微小環境から疾患パスウェイ、神経生物学、免疫腫瘍学などの幅広い領域における探索が可能になります。
2026年に発売予定のイルミナの空間技術により、実験あたり数百万の細胞の空間的近接度を調べることが可能になります。これは、既存の技術の9倍大きいキャプチャーエリアと4倍高い解像度によって実現されます。研究者が1回の空間的実験でより多くの細胞を解析できるようにすることで、この技術は希少な細胞集団を同定し、検出力を向上させ、結果の信頼度を高めることができます。また、完全なエンドツーエンドのソリューションとして、シングルセルおよび空間の研究者に、より手頃な価格で最高の価値を提供します。この空間ソリューションは、スケールと精度の業界標準を上回り、イルミナのNextSeqおよびNovaSeqシーケンサーとの互換性により、大規模なプログラムの実行コストを大幅に削減できます。
新しいマルチモーダル解析プラットフォームが強力なインサイトと視覚化を提供
この空間技術は、新しいソフトウェアプラットフォームであるIllumina Connected Multiomics(ICM)と組み合わせられます。ICMはマルチモーダル解析プラットフォームで、研究者は空間的実験結果を簡単に視覚化できます。ICMは、マルチオミクスデータセットのナビゲート、探索、および解析を支援し、最終的に生物学的データから深いインサイトを引き出します。その直感的なデザインとシーケンスワークフローとのシームレスな統合により、あらゆる科学者が、強力な統計的インサイトとインタラクティブな視覚化を生成し、ゲノム、プロテオミクス、空間トランスクリプトミクス、エピジェネティクス、シングルセルデータなど、複数の複雑なモダリティを同じプラットフォームで解読することができます。
「Illumina Connected Multiomicsは、サンプルから解析までのシームレスなワークフローを実現し、ライフサイエンスのブレークスルーにおける次の波を加速するために必要な強力な視覚化および統計解析ツールを提供する」とイルミナのグローバルソフトウェアおよびインフォマティクス責任者であるRami Mehioは述べています。
Broad Instituteとイルミナが、Spatial Flagship Projectに関するコラボレーションを発表
Broad Instituteとイルミナは本日、イルミナの最先端の空間技術を活用した画期的なSpatial Flagship Projectで協力する意向を発表しました。このプロジェクトは、Broad InstituteのSpatial Technology Platform(STP)で実施され、シーケンシングはBroad Clinical Labsで実施されます。
Spatial Flagship Projectは、50 mm x 15 mmという広大な撮像領域により、柔軟性、感度、解像度の向上と、偏りのない全トランスクリプトーム探索を可能にするイルミナの高度な空間技術を活用して、大規模な空間データセットによる変革の可能性を実証することを目指しています。空間技術市場における探索の進歩を目指すこのコラボレーションにより、Broad Instituteの主任研究者が提供した数百のサンプルから大規模な調整データが生成されます。さらにこのプロジェクトは、Broad InstituteのSTPパイプラインを通じて、イルミナの空間技術への早期アクセスを外部研究グループにも提供し、より広範なエンゲージメントを育み、イノベーションを加速していきます。
イルミナの空間技術は、すでに現実世界のブレークスルーを推進
イルミナのAGBTでのワークショップでは、Broad Institute、St. Jude Children's Research Hospital、TGenの研究者が、新しい空間技術によって可能となった現実世界の進歩に関するデータを共有します。
- 肺線維症研究: TGenのバイオイノベーションゲノム科学部門および空間マルチオミクスセンターのアソシエイトディレクターであるNicholas Banovich PhDが、肺線維症の新しい疾患メカニズム発見における高解像度空間トランスクリプトミクスの力を強調する研究結果を発表します。
「イルミナの新しい空間技術の規模と感度により、大きな組織切片の全トランスクリプトームを研究できるようになりました」とBanovich氏は述べ、次のように続けています。「このテクノロジーを用いた我々の早期解析では、肺線維症における活動性上皮細胞のリモデリングに関連する分子制御異常が同定され、局所化されました。これは、疾患の進行を止めたり遅らせたりするために使用できる治療標的の特定に役立つと考えています。」
Banovich氏のポスターである、「Illuminaの空間技術を用いた肺線維症における肺胞の調節異常の特徴づけ」はAGBTで発表されます。
- 3次元組織再構成: Broad InstituteのMichal Lipinski PhDは、マウスの脳の3次元再構成を行う空間研究を主導し、1枚のスライドから10の実験のデータを取得するという前例のない成果を達成しました。このチームの論文のアブストラクトでは、「これらの実験から、新しいイルミナの空間技術は、空間分解能をさらに改善した、大規模な実験に非常に効率的なプラットフォームを提供できることが示されました」と結論づけています。
Lipinski氏は次のように述べています。「広範囲で偏りのない全トランスクリプトームのキャプチャーは、新規のマーカー遺伝子を検出し、1回の実験で複数の組織切片を同時に検証できる探索プラットフォームの理想的なコンポーネントです。」
Lipinski氏の講演、「大規模な連続領域の空間的トランスクリプトームプロファイリングによる、高解像度でバッチ効果の少ない効率的な組織特性評価」は、AGBTにおいて2月25日火曜日の午後7時30分から7時50分(東部時間)に発表されます。
- 前立腺がん研究: St. Jude's Children's Research Hospitalの空間オミクスセンターのディレクターであるJasmine Plummer PhDが、高解像度の空間シーケンスが前立腺腫瘍環境の変化をどのように明らかにするかを実証する研究を紹介します。
「空間オミクスは、組織の設計図、細胞外マトリックスの基盤、および細胞の構造を明らかにします」とPlummer氏は述べ、次のように続けます。「この可視性により、がんの進行に関する重要なインサイトを得ることができます。
この新しいテクノロジーにより、私たちはわずか2つのプレパラートで何百万もの細胞をプロファイリングすることができ、ターゲットアプローチに含まれていないバイオマーカーを発見することができました。転写物カバレッジが向上したことで、希少な細胞タイプの解析を促進でき、これらの希少な細胞タイプは前立腺がんサブグループ内の疾患状態と相関することがわかりました。」
- 母体の脳研究: イルミナの科学研究シニアディレクターであるDarren Segale PhDは、2月25日火曜日、午後8時30分~8時50分(東部時間)にAGBTにおいて、「妊娠マウス脳の高解像度空間トランスクリプトームマップにより母性行動に関連する遺伝子発現制御が領域ごとに異なることが判明」というタイトルの講演を行います。
全体として、このソリューションは空間研究の障壁を取り除き、組織サンプルの根底にある生物学の理解と実験結果の信頼度を高めることができます。
イルミナのゴールドスポンサーワークショップは2月24日正午~午後1時30分(東部時間)に開催されます。イルミナは、Osprey Lounge 1で開催されるAGBT会議を通して、このエンドツーエンドなワークフローを実演します。
将来の見通しに関する記述
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イルミナについて
イルミナは、ゲノムの持つ力を解き放つことによってヒトの健康向上に努めています。イノベーションにおけるイルミナの取り組みは、DNAシーケンスとアレイベーステクノロジーの世界でイルミナをグローバルなリーダーに押し上げ、研究市場、臨床市場、応用市場で顧客にサービスを提供しています。イルミナの製品は、ライフサイエンス、腫瘍学、生殖医学、農業、その他新たに台頭しつつある分野のアプリケーションで利用されています。詳細については、illumina.comを参照してください。また、X、Facebook、LinkedIn、Instagram、TikTok、YouTubeでも当社の情報をお届けしています。
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SOURCE Illumina, Inc.