希少疾患が疑われる新生児を評価する試験

臨床全ゲノムシーケンスはケアを変えることができるか?

希少疾患が疑われる新生児を評価する試験
2018年2月28日

NICUSeqは、遺伝性疾患が疑われる急性疾患新生児の臨床管理が、臨床全ゲノムシーケンス(cWGS)によって変化するかどうかを評価する多施設共同研究で、米国の各施設で開始されました。希少および未診断の遺伝性疾患(RUGD)は、世界中で推定3億5,000万人の人々に影響を与え、その半数は子供です。*

現在のNICUSeq治験実施施設には、ネブラスカ州オマハにあるChildren’s Hospital & Medical Center、カリフォルニア州サンディエゴにあるRady Children’s Institute for Genomic Medicine、そのパートナーであるChildren’s Hospital of Orange County、およびテネシー州メンフィスにあるLe Bonheur Children’s Hospitalが含まれます。治験実施施設では現在、集中治療室における標準治療と比較して、cWGSが早期治療にどのように影響するかを評価するために参加者を登録しています。

この研究では、15日以内にcWGSの結果を受けた新生児と乳児の転帰を、標準治療を受け、60日後にcWGSの結果を受けた新生児と乳児の転帰と比較します。新生児および乳児は、集中治療室に入院し、希少で診断未確定の遺伝性疾患が疑われ、生後120日未満である場合に適格となります。

診断プロセスの初期段階であるcWGSを採用することで、医学遺伝学者や新生児学者が原因となる遺伝的バリアントを同定するのに役立つ可能性がある、とイルミナの科学研究担当シニアディレクター、Ryan Taft氏は述べました。この研究では、これらの結果が現在の診断法と比較して、これらの子供のケアにどのように影響するかを評価します。

遺伝性疾患に苦しむ人々は、多くの場合、答えや治療パスを得ることなく、複数の不確定な検査やその他の侵襲的な処置を受けます。この研究は、第一選択の全ゲノムシーケンスが、罹患患者の臨床ケアにどのように影響するかを評価する機会を提供し、ゲノムが将来の医療行為において果たす役割を評価します。

NICUSeqの詳細については、ここをクリックしてください。 

 

*https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03290469