プレスリリース

Illumina と Loxo Oncology、次世代シーケンサーベースのPan-Cancer型コンパニオン診断薬を共同開発へ

(当リリースは、Illumina Inc.が2017年4月10日付けで発表した英文プレスリリースを日本語に翻訳したものです。プレスリリースの正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。ここに記載された価格は、米国内の価格となり、税金や送料およびサービスサポートなどのその他費用を含みません。日本国内の販売価格に関しては、お問い合わせください。)

固形腫瘍用TruSight™ Tumor 170のコンパニオン診断薬バージョンによりNextSeq™550Dx用のイルミナオンコロジー製品を拡大

Loxo Oncology社 はlarotrectinib(NTRK)およびLOXO-292(RET)にTruSight Tumor 170のコンパニオン診断薬バージョンを利用

2018年4月10日 --(BUSINESS WIRE)-- カルフォルニア州サンディエゴIllumina, Inc.(NASDAQ:ILMN)とコネチカット州スタンフォードLoxo Oncology (NASDAQ:LOXO)は、網羅的に腫瘍を調べるNGSベースのコンパニオン診断薬がもたらす広範な腫瘍プロファイリングを行うマルチ遺伝子パネルの開発およびキットによる製品化するためのグローバル戦略契約を締結したことを本日発表しました。この共同開発契約は、癌種をまたいでの、Loxo Oncology社のNTRK融合遺伝子を標的としたlarotrectinibおよびRET遺伝子変異を標的としたLOXO-292におけるコンパニオン診断薬(CDx)としてTruSight Tumor 170 の薬事承認を取得することを目的としています。

TruSight Tumor 170は、一般的な固形腫瘍に関連する170遺伝子の点変異、融合、増幅およびスプライスバリアントを調べる包括的で最先端の次世代シーケンサー用試薬です。TruSight Tumor 170 の CDxバージョンでは、各検査施設が包括的なゲノム情報を医師に提供することで、患者に最も適切な治療法を示すことができます。このバージョンのTruSight Tumor 170は、NextSeq 550Dxプラットフォーム上で動作します。

Illumina, Inc.のクリニカルゲノミクス部門のExecutive Vice President、Garret Hampton, Ph.D氏は次のように述べています。「私たちは、次世代シーケンサーにおけるリーダーシップを発揮して体外診断薬を提供し、入院中の癌患者の治療選択を改善します。この目的のために、私たちはLoxo Oncology社のような有力なバイオテクノロジー企業と提携して、最高レベルの治療法のためのコンパニオン診断を開発します。TruSight Tumor 170のCDxバージョンのような診断薬キットは、NextSeq 550Dxプラットフォームと組み合わせることで、院内でプレシジョン・メディシン検査を行うことができるようになります。

今回の提携により両社は、larotrectinib およびLOXO-292のそれぞれと組み合わせたクラス III FDA承認の診断薬として、NTRK融合およびRET融合/変異解析のためのTruSight Tumor 170のCDxバージョンを検証することで協力します。両社はまた、腫瘍プロファイリング試験としても販売するために、他の遺伝子に関して薬事承認を得ることで、パネル全体の臨床的有用性を広げることを計画中です。Illumina, Inc.は、NTRKおよびRETのクラスIII計画、腫瘍プロファイリングのクラスII計画、そしてCEマーキングにより薬事活動をリードしていきます。

Loxo Oncology社のChief Business OfficerであるJacob Van Naarden氏は次のように述べています。「NGS技術の世界的リーダーであるIllumina, Inc.とのこのコラボレーションを発表することは非常に喜ばしいことです。我々は多数のNGS製品を試しており、Illumina, Inc.のTruSight Tumor 170アッセイが、高感度な遺伝子融合検出を含むDNAとRNAの両方の評価で常に安定したパフォーマンスを示していました。この広範な170遺伝子アッセイの内容は、患者のNTRK融合、RET融合、RET点変異、および多くの他のアクショナブルな腫瘍変異を同定でき、単一の腫瘍検体から有意義な結果を提供できる可能性を有しています。さらに、病理医が TruSight Tumor 170を院内で実施し、保険償還を受けることができるため、この共同開発により患者が高品質なNGS検査を受けやすくなると考えています。

TruSight Tumor 170について
TruSight Tumor 170は現在、以下のような特長を持って、包括的な腫瘍研究用試薬として販売されています。

  • 製薬企業や学術コミュニティリーダー、業界ガイダンスと提携して得た170のユニークな遺伝子により、広範な腫瘍プロファイリングが可能
  • わずか40ngのFFPEサンプルから1つの統合されたプロトコルによってDNAとRNAを評価することにより、貴重なサンプルを無駄無く、より包括的なテストを可能にする統合されたワークフロー
  • 免疫腫瘍学およびリキッドバイオプシーを含む様々なアプリケーションに展開可能な腫瘍検査の標準となりうるアッセイ法

Larotrectinibについて(LOXO-101)

Larotrectinibは、強力で選択性の高い経口のトロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害剤です。この新たな治験薬は、神経栄養性チロシンキナーゼ受容体(NTRK)遺伝子融合を有するがん患者の治療に向けて臨床開発中です。TRKをコードするNTRK遺伝子が他の遺伝子と異常に融合し、その結果、身体の多くの部位でがんに至る可能性のある細胞増殖シグナルを生じることがさまざまな研究で示唆されています。臨床試験において、Larotrectinibは、患者の年齢または腫瘍の種類にかかわらず、TRK融合がんにおいて顕著で持続性のある抗腫瘍活性を示しています。また、NTRK 遺伝子融合を有すRECISTで評価可能な成人および小児の患者55例を対象とした解析において、多くの異なる固形腫瘍でのLarotrectinibnoの全奏効率(ORR)は、治験参加医師による評価では80%、独立評価委員会による評価では75%でした。すべての 有害事象における大部分はグレード1または2でした。治療に関連したグレード4または5の事象はなく、治療関連のグレード3の有害事象も患者の5%未満でした。

Larotrectinibは米国FDAにより、画期的治療薬指定、希少小児疾患指定および希少疾病用医薬品指定を受けています。

2017年11月、Loxo Oncology社と独Bayer社は、Larotrectinibと次世代のTRK阻害剤であるLOXO-195の開発と製品化のための独占的かつグローバルな協力関係を結びました。Bayer社とLoxo Oncology社は、この2製品の共同開発により 、Loxo Oncology社は米国で進行中の臨床研究を主導し、バイエルは米国外での薬事申請と全世界での商業活動を主導します。米国では、 Loxo Oncology社とBayer社が両社で製品を共同プロモーションします。

Larotrectinibの臨床試験の詳細については、www.clinicaltrials.gov. を参照してください。関心のある方は、1-855-NTRK-123でLoxo Oncology Physician and Patient Clinical Trial Hotlineへ連絡するか、www.loxooncologytrials.com をご覧ください。

LOXO-292について

LOXO-292は、RET(rearranged during transfection)キナーゼの異常を有するがん患者の治療のために選択的で強力な経口の臨床開発中の治験用新薬です。RET融合は、非小細胞肺がんの約2%、乳頭状甲状腺がんの10-20%、結腸がんおよび他のがんの一部においても見られます。RET点突然変異は、髄様甲状腺がんの約60%を占めます。RET融合および一部のRET変異を有するがんはどちらも、主にこの単一の活性化したキナーゼにより、がんが増殖し生存しています。この依存性は「腫瘍遺伝子中毒」と呼ばれることがあり、そのような腫瘍はRETを標的とする低分子の阻害剤による感受性が高いです。 LOXO-292は、本来のRETシグナルを阻害、ならびにこの治療アプローチによる活性を妨げるような獲得耐性機構を阻害するようにデザインされています。LOXO-292は現在、第1相試験中です。関心のある方は、1-855-RET-4-292でLoxo Oncology Physician and Patient RET Clinical Trial Hotlineへ連絡するか、 clinicaltrials@loxooncology.com へ電子メールで連絡してください。

イルミナについて

イルミナは、ゲノムのパワーを解き明かすことにより、人々の健康を改善することを目指しています。革新的な取り組みに注力することにより、研究、臨床、および応用市場でお客様に製品を提供しながら、DNAシーケンスおよびアレイベースの技術におけるグローバルリーダーとしての地位を確立してきました。私どもの製品は、ライフサイエンス、腫瘍学(がんゲノム)、リプロダクティブヘルス、農業およびその他新たなセグメントでの応用に利用されています。イルミナ製品についての詳細はこちらから: jp.illumina.com または@illuminakk でフォローしてください。

About Loxo Oncology社について

Loxo Oncology社は、遺伝子変異が明確になっているがん患者のための選択性の高い医薬品を革新的に開発しているバイオ医薬品企業です。同社のパイプラインは、一つの遺伝子異常によりもたらされるがんに焦点を当てており、一つの薬剤で劇的な効果をもたらしがんを治療できる可能性があります。最も選択性の高く特化された医薬品が、対象とした標的を最大限に阻害する可能性が最も高いと考えられ、クラス最高の疾病管理と安全性を提供しています。同社の経営陣は、経験豊富な業界パートナー、世界的な科学アドバイザー、革新的な臨床規制アプローチを探して、可能な限り迅速かつ効率的に患者に新しいがん治療法を提供します。詳細については、同社のウェブサイト www.loxooncology.com をご覧ください 。

将来の見通しに関する記述

本リリースには、Illumina, Inc.とLoxo Oncology社の協力の成功とタイミング、TruSight Tumor 170アッセイまたは他のコンパニオン診断の成功とFDA承認 、およびリスクと不確実性を含むその他の将来予測に関する記述が含まれています。これらの将来の見通しに関する記述は、本リリースの時点における企業の期待に基づいており、実際の将来の出来事や結果とは大きく異なる可能性があります。実際の結果が将来の見通しに関する記述と大きく異なる可能性がある重要な要因の1つは、(i)器具および消耗品をさらに開発して商品化し、新しい製品、サービス、アプリケーションを展開し、市場を拡大するIlluminaの能力当社の技術プラットフォーム。 (ii)堅牢な計器および消耗品を製造するイルミナの能力; (iii)取得した技術、製品、またはビジネスを首尾よく識別して統合するイルミナの能力。 (iv)IlluminaおよびLoxo Oncologyが事業を行っている事業および市場の将来の実施および成長(v)新製品およびサービスの開発、製造、発売に固有の課題。 (vii)Loxo Oncologyの主要製品候補または他の製品候補の潜在的な治療上の利点および経済的価値、ならびに(viii)Loxoのタイミングおよび成功(viii)診断および治療製品を販売および販売するために必要な規制認可を取得する企業の能力オンラインの臨床試験または規制上の承認とIlluminaおよびLoxo Oncologyの証券取引委員会に提出された最新のフォーム10-Kおよび10-Qに関する最新の申請書、または公表された公表電話に開示された情報(事前に公表された日時)が含まれます。イルミナは、本リリース日以降の将来に関する記述を更新する予定はありません。また、アナリストの予測の見直し、確認、現行の四半期の進捗状況に関する中間報告または最新情報を提供する義務を負いません。

 

Source: Illumina, Inc.

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