1細胞RNAシーケンス法(scRNA-seq)は、細胞型同定や分化系譜推定、細胞間相互作用などの解析に応用され、幅広い研究分野で活用されている。scRNA-seqは実験法の発展により、高精度化、大規模化、マルチモーダル化が進んでいる。
一方で、ChatGPTの登場により、ひとつのAIで複数タスクに対応できる大規模生成AI (基盤モデル)に注目が集まっている。基盤モデルは自然言語にとどまらず、科学データそのものへの応用が期待されており、オミクス分野でもAIモデルが登場している。大規模学習データを必要とする基盤モデルは、大規模データを生産できるscRNA-seqと相性が良い。
本講演では、大規模化するscRNA-seq法の技術進展のひとつとして、特別な機器を利用しないPIP-seqや高感度なQuartz-Seq2について紹介する。さらにscRNA-seqデータへの生成AIの応用について議論する。
後半、弊社より、『マルチオミクス解析に最適なイルミナ最新製品』と題して、今後販売予定の装置不要のシングルセルソリューションをはじめ、新製品MiSeq i100 シリーズの製品情報をご紹介しました。
二階堂 愛 先生
東京科学大学 総合研究院 難治疾患研究所 教授
2004年に横浜市立大学大学院を修了し博士(理学)を取得。埼玉医科大学ゲノム医学研究センター、理化学研究所発生・再生科学研究センターで研究員を経て、2013年に理研情報基盤センターバイオインフォマティクス研究開発ユニットのユニットリーダーとして独立。2019年から理研生命機能科学研究センターバイオインフォマティクス研究開発チーム・チームリーダー、2020年より東京医科歯科大学難治疾患研究所・教授に就任。世界最高性能の1細胞RNA-seq法Quartz-Seq/Quartz-Seq2, 世界初の完全長1細胞トータルRNA-seq法RamDA-seq法の開発に成功。
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