ジャパンアグリiSeq 100グラント2018は、日本の農学研究にiSeq 100システムを活用いただくための助成プログラムです。複数いただいたご応募の中から2018年の受賞者が決定しました。
植物や魚類のゲノム配列をDe novoアセンブリーによって決定するには、倍数性やリピート配列などの問題により長い時間と多大な労力が必要です。イルミナは、ショートリードデータを補うため、メイトペアシーケンスおよびロングリードテクノロジーを提供しています。これらの組み合わせにより、様々な生物種において迅速な高品質ゲノムのアセンブリーに貢献します。
メイトペア法は、De novoシーケンスおよび構造変異検出を可能にする、インサートサイズの長いライブラリー調製方法です。数キロベースという長いインサートを持つライブラリーの両端をシーケンスすることにより、数キロベース離れた2つのDNAセグメントの配列情報を得ることができます。この情報と短いペアエンドリードから得られたデータを組み合わせることにより、ゲノム全体を最大限にカバーしたシーケンスに必要なリード長を得ることができます。
イルミナは2016年、NRGene、10X Genomics、Dovetail Genomicsという3つの会社とのコマーケティング合意を発表しました。ゲノムの構造研究で重要となる長い配列情報を、イルミナの高精度Short Readから再構築するこれらの技術により、複雑なゲノムを持つ生物種のゲノム研究を加速できます。
生物種のリファレンスゲノムができたら、遺伝子、SNP、構造多型の探索および遺伝型決定には全ゲノムリシーケンスが適したアプローチです。その後、RNAシーケンスによる発現解析と組み合わせたeQTL解析、マイクロアレイによる全ゲノム関連解析などにより。新規に得られた多型情報の形質との関連を特定することが出来ます。
HiSeqシリーズは、集団規模の全ゲノム解析を低コストで実施できるシステムです。特にHiSeq X Tenシステムにより、ヒト全ゲノムシーケンスがこれまでにない1000ドルという低価格で実施できるようになりました。2015年、HiSeq Xを用いた全ゲノム解析の適用がヒト以外の生物種にも拡張されました。種の制限なく、ゲノムあたり15x 以上のカバレッジで全ゲノム解析を低コストに実施できます。
リファレンスゲノム情報が整備されていない生物種でも、RNAシーケンスは有効な探索ツールです。トランスクリプトームの比較により、発生や病気、ストレス下の遺伝子発現レベルの変化に新たな知見をもたらします。このアプローチは遺伝子およびタンパク質機能と相互作用を明らかにしたり、組織特異的なRNA転写産物(mRNA、ノンコーディングRNA、低分子RNAなど)およびcSNPを同定したりすることができます。
全ゲノムにわたり高密度にSNPをカバーしたマイクロアレイを用いてGWASを行うことにより、遺伝子型と表現型の関連性を明らかにすることができます。農作物や家畜の改良に重要な特性を持つ個体の同定、また繁殖プランの決定およびゲノミック選抜のための情報を得ることが出来ます。
特定の価値形質に関連する遺伝マーカーを同定し、望ましい特徴をもつ家畜、作物を同定するための大規模なスクリーニングに活用することができます。
次世代シーケンサーを用いたジェノタイピングは、低コストでフレキシブルにスクリーニングを行うアプローチです。ターゲットリシーケンスでは、事前の知見によって得られたある特定のゲノム領域をディープシーケンスすることが可能で、ターゲットを絞ることによりデスクトップシーケンサーでも十分なデータ量を得ることが出来ます。
低コスト高スループットな動植物用カスタムジェノタイピングキット
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低コストで大規模ジェノタイピングを実現するカスタムマイクロアレイ、Infinium XTでは、短期間に多検体のDNAマーカーセットを調べる必要があります。従来、マイクロアレイをこのような用途に用いると、コストやスループットの制限からジェノタイプできるサンプル数が限られるという問題がありました。
Infinium XTは、Infiniumアッセイの実積を土台に新たな96サンプルBeadChip を採用したカスタムマイクロアレイです。1サンプルあたりのコストを抑え、効率的に大規模ジェノタイピングを実施できるよう最適化されています。産業規模のジェノタイピングプロジェクトを、マイクロアレイでパワフルに推進できます。
Infinium XT の特長コンテンツ | 最大5万SNPを搭載 | |
生物種数 | 異なる生物種用パネルを共存させることができ、複数用途への利用が可能 | |
価格 | SNP数、生物種数、サンプル数に応じて決定 |
※ご注文は10万サンプル分からお受け致します。
ゲノム編集技術の開発により、非モデル生物でも容易に狙った遺伝子を改変することが可能となった。これまでに農作物や家畜では、長期間に及ぶ突然変異個体の選抜・継代により優良形質を持つ多数の品種が作製されてきた。一方、養殖魚では、品種の作出がほとんど行われていない。本ウェビナーでは、代表的な養殖魚であるマダイとトラフグにゲノム編集を施すことにより、筋肉量の多い品種を短期間で作製することに成功した事例を紹介する。
動植物などある程度大きく複雑なゲノムのde novoシークエンスでは、ロングリードを駆使したとしても、繋がった配列の数やサイズが染色体相当にまとまることはほぼあり得ない。近年、クロマチン動態を調べるための方法として以前から使用されていたHi-Cが、染色体スケールのゲノムスキャフォルディングに盛んに利用されるようになってきた。本ウェビナーでは、Hi-Cを用いたゲノムスキャフォルディングについて、自身の研究室内でサンプルプレップからスキャフォルディングまでを運用してきた実績に基づいて、丸投げタイプの受託や有償キットを利用した場合と比較しながら、効率的な活用方法を吟味する。
”Genotyping by Random Amplicon Sequencing-Direct (GRAS-Di)”は、2回のPCRで作製したアンプリコンをNGSで解析するSNP検出技術です。リファレンス配列を用いたプライマー設計やサイズセレクション、断片化、ノーマライゼーションを必要としない、簡便かつ低コストな技術であり、サトウキビのようなヘテロかつ高次倍数性の生物の解析も可能です。本技術の概要に加え、イネおよびサトウキビでの解析結果について紹介します。
MIG-seq(Multiplexed ISSR genotyping by sequencing)法は、NGSを利用した手軽なゲノムワイドSNPジェノタイピング技術として開発された。その特徴として、生物種を問わず広く適用が可能で、例えば標準的な解析では、1度に数百サンプルの少量のDNA試料を対象として、迅速(3日)・簡単(2回のPCRとNGSラン)・経済的(消耗品は〜1000円/サンプル)に数百座以上のSNP分析ができる。