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ランチョンセミナー6

日時 2022年10月30日(日) 12:05-13:05
会場 第3・第4会場(朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター 2F 「201AB」)
座長 佐村 修 先生
東京慈恵会医科大学 産婦人科学講座
演題 新たな時代の出生前遺伝学的検査提供体制〜医療と行政が手を取り合って妊婦とパートナーを支える
演者 山田 崇弘 先生
京都大学医学部附属病院遺伝子診療部・倫理支援部
要旨 2022年2月に日本医学会の出生前検査認証制度等運営委員会から「NIPT等の出生前検査に関する情報提供及び施設(医療機関・検査分析機関)認証の指針」が公表され、長い間止まっていた非侵襲性出生前遺伝学的検査(NIPT)の施設認証制度が、ようやく動き始めました。
1999年に厚生科学審議会から出た「母体血性マーカーに関する見解」において「情報を積極的に知らせる必要はない」として抑制されていた日本の出生前診断でしたが、2013年春に厳格な実施資格と施設基準を持つ指針の下にNIPTが国内で開始され、状況が大きく変わりました。さらにその3年後には指針を守らない非認定施設が瞬く間に増え、多くの混乱が報告されました。2021年5月には厚労省から前述の「母体血清マーカー検査に関する見解」以来実に22年ぶりとなる「NIPT等の出生前検査に関する専門委員会報告書」が出されました。出生前検査について、これまでの立場から大きく方針転換がなされ、「妊娠・出産・育児に関するする包括的な支援の一環として、妊婦等に対し、出生前検査に関する情報提供を行うべきである」とされました。すなわち、全ての妊婦に出生前検査の情報が提供される時代となったことになります。 2022年の日本医学会による新指針では適切な検査・医療体制に加えて、妊産婦への支援体制、特に市区町村の母子保健窓口、性と健康の相談センター、子育て世代包括支援センター等の果たす役割も強調されました。母子手帳交付のタイミングから母子保健窓口で誘導とならない中立的な立場での情報提供が始まり、出生前検査を検討する方に対してもそうでない方に対しても継続的に医療と並行して切れ目ない支援が計画されています。全ての妊婦に情報が提供される時代において、多様な価値観を認めるということを前提にhandicapを持った人が排除されたり生きづらいと感じることなく、そしてその一方で希望する方が自律的に選択可能であるためには、多職種が連携する支援体制が重要と考えられます。全ての妊婦に出生前検査の情報が提供される時代において、わたしたちが知っておくべき新しい体制とそこで提供される情報についてお話ししたいと思います。
日時
2022/10/29 – 2022/10/30
Location
朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター
Japan
Asia
Topic
Reproductive Health
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