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エキスパートセミナー3
日時 2022年6月19日(日)10:50~11:50
会場 第1会場(都市センターホテル3F コスモスⅠ)
座長 名古屋市立大学病院大学院 医学研究科 産科婦人科 鈴森 伸宏 先生
演題 周産期における遺伝医療の現状と最近の話題
演者 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科産科婦人科学教室 三浦 清徳 先生
要旨 産婦人科診療ガイドライン産科編では、出生前診断に関して、「染色体検査・遺伝子検査は、遺伝カウンセリングを行った後、インフォームドコンセントを得て実施する。」とされ、その推奨レベルは(A)である。そして、出生前に行われる遺伝学的検査および診断は、十分な遺伝医学の基礎的・臨床的知識のある専門職(臨床遺伝専門医等)による適正な遺伝カウンセリングを提供できる体制下で実施すべきであると述べられている。出生前の遺伝学的検査法には、その検査自体で罹患児なのか否か診断を確定することができる“確定的検査”と疾患の罹患リスクを推定する“非確定的検査”とがある。前者には絨毛検査や羊水検査があり、後者にはNuchal translucency検査や母体血清マーカー検査がある。したがって、妊婦は、遺伝カウンセリングを通じて、検査を受ける前に、それら検査の意義を理解しておく必要がある。最近では、遺伝子解析技術の進歩により新たな網羅的な遺伝子検査法が開発され、周産期分野においても母体血を用いた胎児染色体検査(NIPT)などの新たな検査法が臨床応用されている。その際、遺伝医療として、新たな遺伝学的検査を導入するには、検査の安全性や正確性に加え、検査に伴う倫理的課題や社会的問題も考慮する必要がある。すなわち、医療者は、技術的に検査可能なことと、遺伝医療としてその技術をヒトへ臨床応用することとは同じではないことを常に意識しなくてはならない。本講演では、周産期における遺伝利用の現状と最近の話題について、2022年3月に日本医学会より公開されたNIPT等の出生前検査に関する情報提供及び施設認証の指針・細則も含めて概説する。
 
日時
2022/06/18 – 2022/06/19
Location
都市センターホテル
Japan
Asia
Topic
Reproductive Health
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