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日本人類遺伝学会第 69 回大会では、10月10日(木)にロングリードがもたらす難読領域への貢献についてランチョンセミナーを開催します。ブースでは、AIを使った遺伝性疾患向けデータ解釈ツールEmedgene™をはじめとした最新情報をご紹介します。

ランチョンセミナー4(LS4)

日時 2024年10月10日(木)11:45~12:45
会場 第4会場(グランドメルキュール札幌大通公園 2F リージェントホール)
座長 イルミナ株式会社
セグメントマーケティング部
板谷 亮
演題1 イルミナのターゲットロングリード解析(ICLR-Enrichment)とAI解釈ツール(Emedgene)のご紹介
演者1 イルミナ株式会社 技術営業部
佐二木 健一
要旨1 イルミナでは、既存のショートリードプラットフォームを使用して、ヒト生殖細胞系列のロングリードシーケンス解析を実行するソリューションを開発しました。新たに発売されたIllumina Complete Long Reads with Enrichment, Humanは、ショートリードシーケンスでは解析困難な領域にターゲットを絞り、低インプットDNAからの高精度で費用対効果の高いロングリード解析を可能にします。
また、こうしたシーケンス解析データを活用するための大きなハードルになっている結果解釈をスムーズに行うために、イルミナではデータ解釈プラットフォームEmedgene(イマジン)を提供しています。Emedgeneは、自動化された、説明可能なAI(XAI)主導型のハイスループット解釈が可能なプラットフォームであり、ユーザー定義のバリアント解釈、優先順位付け、キュレーション、レポートの作成の効率を向上させ、サンプル当たりの合計ワークフロー時間を50~75%短縮することを可能にするツールです。

本発表では、最新技術を使ったこうしたイルミナソリューションについてご紹介いたします。
演題2 Beyond short-read sequencing: 疾患関連の難読領域へのロングリードによる挑戦
演者2 慶應義塾大学医学部臨床遺伝学センター
宮 冬樹 先生
要旨2 遺伝性疾患の原因遺伝子バリアント探索にかかる労力と時間および探索手法は、2010年台後半から普及した次世代シーケンサーの登場により一変した。最も一般的に用いられるショートリードシーケンサーでの全エクソーム解析あるいは全ゲノム解析等により、続々と遺伝性疾患の新規の原因遺伝子(バリアント)が同定されてきた。しかしその一方で、遺伝学的検査をしても約半数の検査検体では原因バリアントが同定できないという状況が現実にある。その原因の一つとして、ショートリードでは全ゲノムシーケンスを持ってしても読むことができないゲノム難読領域が存在し、その領域に疾患原因バリアントが含まれている可能性が挙げられる。実際、2022年に公開されたT2T-CHM13ヒトリファレンスゲノムの前の、GRCh38/hg38の段階では8%が未解読領域(難読領域)であり、その8%はロングリードシーケンサーを用いることで初めて解読され、T2T-CHM13リファレンスゲノムが完成した。難読領域には、リピート配列やトランスポゾンが多く含まれることなどが知られている。ヒト遺伝性疾患に関わる遺伝子のうち、そのような難読領域を少なくとも遺伝子内の一部に含む遺伝子は約400個存在し、Challenging Medically Relevant Genes(CMRG)とも呼ばれている。

 今回われわれは、イルミナ社が近年開発したショートリードシーケンスでありながらアッセンブリによりロングリードを再構築することが可能な技術であるICLR(Illumina Complete Long Reads)、そして他にPacBio、Nanoporeロングリードシーケンサーを用いて、CMRG領域のシーケンスに挑戦しそれぞれの比較検証を行った。ショートリードでは解読が難しい領域のみをコストエフェクティブに追加解読できれば有用と考えられる。
日時
2024/10/09 – 2024/10/12
Location
グランドメルキュール札幌大通公園 (旧ロイトン札幌)
Japan
Asia
Topic
Genetic & rare diseases
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