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甲斐 渉 様
ビジネスデベロップメントマネージャー
オーリンクプロテオミクス株式会社
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PEA法が切り開く、プロテオミクスの新時代
創薬および薬剤開発を改善するあたり、プロテオミクスはいくつか重要な利点がある。例えば、薬物や疾患の進行に伴う人体のダイナミックな変化について、トランスクリプトミクスよりも、より表現型に近い像を与える。また、患者の層別化、薬効・安全性のサロゲートマーカーとして機能することにより、医薬品開発プロセス全体をサポートする実用的なバイオマーカーを同定が可能となる。さらには、遺伝学的データや表現型データにタンパク質データを統合したプロテオゲノミクス解析は、疾患におけるタンパク質の因果関係を明らかにする独自の強力なアプローチであり、新しい強固な創薬ターゲットの同定に期待される手法である。
しかし、従来のプロテオミクス手法は、比較的スループットが低く、疾患や薬理学的介入に反応するサイトカインやケモカイン等の血中に微量にしか存在しない有用なタンパク質を測定するには、データの堅牢性も感度も十分ではないのが実情である。当社のProximity Extension Assay法は、抗体とDNAベースの手法の長所を組み合わせ、タンパク質バイオマーカー探索・開発のためのユニークなツールであり、1) 免疫反応、2) バーコードの生成・増幅、3) NGSやqPCRによる読み出しという3つのコアステップで構成されている。すなわち、抗体-リガンド結合アッセイの高い親和性とDNAベースの読み出しにより、非常に高いシグナル増幅とスループットを実現し、また最小限のサンプル消費(例えば、6 µL未満の血漿または血清で約3000のタンパク質を測定)を可能にする。さらに、相補的なオリゴDNA配列に結合した2つのマッチした抗体の結合を必要とする二重認識アッセイフォーマットは、非常に高いマルチプレックスレベルにおいても卓越した特異性を示す。
本セミナーではPEA法の基本技術やバイオマーカー探索やプロテオゲノミクス解析のケーススタディを紹介する。
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