次世代シーケンサーの普及に伴い、様々な悪性腫瘍において網羅的な遺伝子異常解析が行われてきた。その結果、疾患ごとに特徴的なドライバー遺伝子異常が同定され、分子分類が進展してきている。しかし、依然としてドライバー遺伝子異常が特定できない疾患も存在する。
我々はこれまで、ショートリードシーケンスを用いて髄芽腫における新規の遺伝子異常を発見してきた。解析手法の工夫により、ゲノム内の解析が困難な領域の解析も可能となり、また正常対照が存在しないデータセットからもドライバー遺伝子異常を発見することが可能であった。ショートリードシークエンスの高い正確性と安定的なコスト、そしてこれまでに確立された解析手法は、現在でも変異解析手法の主流である。今後もゲノム解析においてショートリードシークエンスは主要な技術として、新規遺伝子異常の発見の可能性を十分に有している。
本発表は、第82回日本癌学会学術総会 イルミナ株式会社共催ランチョンセミナーで発表されたものです。
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