シーケンスにおけクオリティスコア

シーケンスにおけるクオリティスコアとは?

シーケンスにおけるクオリティスコアは、塩基が誤ってコールされる確度を測定します。Sequence by Synthesis(SBS)テクノロジーでは、リードの各塩基に、サンガーシーケンスの実験向けに最初に開発されたPhredのようなアルゴリズム1、2によってクオリティスコアが割り当てられます。

シーケンステクノロジーの動画
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イルミナのSBSの原理についてはこちら。

Qスコアの定義

所定の塩基Qのシーケンスにおけるクオリティスコアは、以下の式で定義されます。

 Q = -10log10(e)

ここで、eはベースコールが間違っている確率の推定値です。

  • Qスコアが高いほど、エラーが起きる確率が低いことを示します。
  • Qスコアが低いほど、リードの大部分を使用できなくなる可能性があります。また、偽陽性のバリアントコールが増加し、不正確な結論につながる可能性もあります。

クオリティスコアが20(Q20)の場合、エラー率は1/100(100 bpのシーケンスリードごとにエラーが1回発生する可能性がある)であり、対応するコール精度は99%です。 

シーケンス品質がQ30に達すると、事実上すべてのリードが完全で、エラーや曖昧さはありません。そのため、Q30は次世代シーケンサー(NGS)の品質に関するベンチマークと見なされています。

SBSテクノロジーの概要

イルミナのテクノロジーにより、最適化されたSBSケミストリーを使った大規模並列シーケンスが可能になります。

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シーケンスにおけるクオリティスコアとベースコール精度の関係
クオリティスコア 不正確なベースコールの確度 推定されるベースコール精度
10(Q10) 1/10 90%
20(Q20) 1/100 99%
30 (Q30) 1/1000 99.9%

イルミナのシーケンスにおけるクオリティスコア

イルミナのシーケンスケミストリーは、大多数の塩基のスコアがQ30以上となる高精度を実現します。この精度レベルは、臨床研究を含む幅広いシーケンスアプリケーションにとって最適です。

品質モニタリングの実行

PhiXとは何か、またPhiXをイルミナNGSにおけるシーケンスラン品質モニタリングのインランコントロールとしてどのように使用できるかについてご説明します。

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クオリティスコアの詳細

シーケンスにおけるクオリティスコアの詳細については、以下のテクニカルノートをお読みください。

SBSテクノロジーの利点

実証済みのベースコール精度と均一なカバレッジにより、ゲノム全体でロバストなベースコールが可能になり、信頼できる結果を得られます。

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次世代シーケンサー

NGSと従来の手法の比較、テクノロジーの仕組み、そしてそれがお客様へ提供する機能についてご説明します。

NGSカンパニーの選択

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NGS実験デザイン

リード長、カバレッジ、その他の実験的考察について学習し、シーケンスランの実行計画を策定するのにお役立てください。

注釈
  1. Ewing B, Hillier L, Wendl MC, Green P. (1998): Base-calling of automated sequencer traces using phred. I. Accuracy assessment. Genome Res. 8(3):175-185
  2. Ewing B, Green P. (1998): Base-calling of automated sequencer traces using phred. II. Error probabilities. Genome Res. 8(3):186-194