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ランチョンセミナー
日時 2020年2月18日(火)12:30 - 13:30
会場 淡路夢舞台国際会議場
演者1 慶応義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット 西原 広史 先生
演題1 がんゲノム検査と医療ビッグデータは日本の医療を変えることが出来るか?
要旨1 昨今、注目されている「がんゲノム医療」。究極の個別化治療と期待されているが、実際に治療選択肢が見つかっても、該当する治験や先進医療がなければ自費診療にて投薬するしかなく、治療につながる可能性の低い遺伝子パネル検査を保険診療にて実施する意義は現状では乏しいと言わざるを得ない。我が国が誇る国民皆保険制度は、すべての患者に平等に治療を行うために必須のシステムである。しかし、遺伝子異常を元にした個別化治療は、一人ひとりに合った治療を行うという視点では、そうした均一化された治療を行う保険診療の概念と相容れない側面を持つ。これを打破してくれると期待されているのが、医療ビッグデータに基づくデータサイエンスである。しかし日本は、自前の医療ビッグデータは持っておらず、全て海外のデータベースに頼っているのが実情である。がん医療の立場から、今後の日本における医療ビッグデータ利活用のあるべき方向性について紹介する。
演者2 イルミナ株式会社 技術営業部 北野 敦史
演題2 世界と日本のがん全ゲノム解析と有用なイルミナ技術について
要旨2 昨年6月に本邦においてがんゲノム医療が初めて保険適用され、標準治療終了後の患者などを対象に遺伝子検査がスタートしました。しかし、厚生労働省の調査によると、2019年10月までに医療保険を使って遺伝子検査を受けた患者のうち、効果が期待できる薬が見つかった患者は全体の約10%にとどまっています。その大きな原因は、検出された変異に対する薬の開発が進んでいないことが挙げられます。そこで、全ゲノム解析を進めることで、遺伝子パネル検査や全エキソン解析でカバーされない領域(遺伝子調節領域、イントロン領域)の異常や構造異常等を検出することができ、ゲノム不安定性やがん免疫低下のような包括的ながん病態解明が期待されています。すでに諸外国では、日本より先んじて多数の国家プロジェクトの全ゲノム医療や研究が進められている状況です。本セミナーでは、これらの全ゲノム解析プロジェクトにおけるイルミナのサポート状況や利用されている有用な技術等を紹介させていただきます。
 
 
日時
2020/02/17 – 2020/02/19
Location
淡路夢舞台国際会議場

Japan
Asia
Topic
Oncology
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