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WEB共催セミナー
WEB視聴期間 2022年2月25日(金)15:00 ~ 3月2日(水)15:00
会場 オンライン(オンデマンド配信)
座長 昭和大学医学部 産婦人科学講座 関沢 明彦 先生
演題 出生前検査の現状と今後の展望
演者 名古屋市立大学大学院医学研究科 産科婦人科 鈴森 伸宏 先生
要旨  稀少疾患やがんの領域を中心に網羅的な遺伝情報を診療に応用するゲノム医療が急速に普及してきている。出生前検査については、遺伝子解析・画像診断技術の進歩により、診断の精度が向上し、胎児の状態を早期に診断することが可能になってきた。一方、関連学会において出生前検査に関するガイドラインが作成され、出生前検査は、医療のみならず、倫理的、社会的問題を含んでいる。
 羊水検査は1952年にBevisが胎児溶血性疾患の診断を目的として行ったのが最初とされている。1966年に羊水細胞の培養による染色体分析が報告され、分染法・シーケンサーの導入により遺伝子解析技術が進歩し、超音波・MRI・CTによる画像診断精度が向上し、正確な出生前診断がされてきている。また、超音波検査と組み合わせたコンバインド検査で胎児染色体スクリーニングを広く実施している国もある。
 2011年から米国で母体血胎児染色体検査(NIPT)が開始され、国内では日本医学会承認登録制もとで、2013年4月に臨床研究として開始され、これまでに10万例以上実施された。母体血をNGS法で遺伝子解析され、胎児21番、18番、13番染色体のトリソミーの有無について、「陰性」または「陽性」(ハイリスク群)という結果で示され、陽性例では羊水などによる確定診断を要する。国内のデータでは、胎児21番、18番、13番染色体の陽性的中率はそれぞれ約97%、88%、54%、陰性的中率は99.99%以上、偽陰性率0.01%と報告されている。「判定保留」の原因には、母体血中の胎児DNAが少ない、母体疾患によるゲノムワイド変化などがあり、再検査を要する。
 今後、国内でゲノムワイドNIPTによるさまざまな疾患を対象とした遺伝学的検査が行われていく可能性があり、超音波診断もより早期に、より正確に行われるようになると推察される。ここでは、出生前検査の現状と今後の展望について述べる。
 
日時
2022/02/19 – 2022/03/02
Location
JA共済ビル カンファレンスホール
およびオンライン開催
Japan
Asia
Topic
Reproductive Health
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