日本人類遺伝学会第63回大会
イベント開催レポート

今年の日本人類遺伝学会大会(10/11~13@横浜)は、「Genomes-solutions to lives」をテーマに700名以上の参加者を集め、盛会裏に終了しました。イルミナは、企業展示とランチョンセミナーに出展しました。

 

京都大学大学院医学研究科 附属ゲノム医学センターの松田文彦先生に「3,000人の日本人の全ゲノム解析から得られたこと」という演題で、日本人全ゲノム解析から見出された日本人集団内の多様性と人類進化学的知見について、またNGSによるHLA解析についてご講演いただきました。

松田先生らの研究グループは、京都大学、バイオバンク・ジャパン、マクロジェンの共同研究として、日本各地から収集した数十万人分の日本人サンプルの中から約3,100サンプルを選び、HiSeq X Ten システムを用いてx15の深度で全ゲノムシーケンスを実施されました。その情報から、日本人と呼ばれる集団は均質ではなく、その中でも遺伝的多様性があること、遺伝的バックグラウンドによってさまざまなクラスターに分かれることが見出されました。ここから得られた日本人多型の頻度情報は、近日中にHGVD (Human Genetic Variation Database)に公開される予定です。

この3,000人の全ゲノム配列をリファレンスとして用いることで、1000人ゲノムプロジェクトの公開ゲノム配列を用いた場合よりも、精度の高いインピュテーションができたという結果も示されました。この3,000人の全ゲノム配列は、近い将来の制限付き公開が予定されており、今後様々なプロジェクトで、低頻度の多型をジェノタイピング結果から正確にインピュートできるようになることが期待されます。

最後にMiSeq システムを用いたHLAタイピング手法、HLA-HD法の開発と応用について解説いただきました。1回の実験で、比較的安価に多検体の6アレルを決定することができ、薬剤の効果予測を含めた将来的な応用の可能性について触れられました。

企業講演では、松田先生にご提供いただいた3,000人の日本人ゲノム配列情報を用いて設計された Asian Screening Array のコンテンツの詳細と、低コストジェノタイピングアレイを用いて各国で始まっているスクリーニングプロジェクトについてご紹介しました。

京都大学大学院医学研究科 附属ゲノム医学センター
松田 文彦 先生

会場は220名を超える聴衆が集まり、本講演に対する高い関心がうかがわれました。

企業展示ブースでは、新製品の iSeq 100 システムを展示し、多くのお客様にお立ち寄りいただきました。