解析対象のCpG数とサンプルの数に応じてプラットフォームを使い分けています。遺伝子領域とその周囲のメチル化を多数例にわたって網羅的に解析したいときには、BeadChipがベストのアプローチであると考えています。メチル化率の定量性が高く、実験データの再現性も非常によいため、小さなメチル化の変化も鋭敏に検出したいときに特に有効だと思います。
450Kは遺伝子プロモーター領域やCpGアイランドはほぼカバーされていましたが、Infinium MethylationEPIC ではその9割以上はそのまま踏襲され、さらにエンハンサー領域のプローブが増えていました。エンハンサーは細胞分化過程の発現調節に重要な領域であり、ENCODE計画などで明らかになった制御領域の情報を参考にプローブが追加されているので、癌研究のみならず発生分化研究の研究者にも大変有用なプラットフォームになったと思います。
ヒトサンプルを用いてエピゲノム解析を行う研究者全ての方におすすめです。必要なDNAサンプルが250ngと少なくなったこともメリットになると思います。このプラットフォームで最初のスクリーニングを行った上で、さらにターゲットシーケンスあるいは全ゲノムシーケンスに展開することもできますので、全ゲノム解析を予定している場合にも最初に行うプラットフォームとしておすすめだと思います。