NGSとその他の分子手法の比較

他の分子法と比較した場合のNGSの利点

NGSは、より広い視野から開始することで、研究の範囲と影響を拡大します

NextSeq 2000で作業する研究者

NGSの主な利点

NGSには卓越した精度と偏りのないレンズが備わっており、研究者たちはそれを活かし、ゲノミクス研究の規模と発見力を拡大しています。一度にシーケンスできるのが1つまたは数個の領域に限定されることなく、実験研究の範囲と影響を拡大できるようになりました。

NGSの主な利点は次のとおりです。

  • スピードとパワー:NGSは、1回の実験で数千のターゲット領域(単一塩基の解像度まで)のバリアントを同定できます。1-3
  • 対象範囲の拡大:NGSを活用すれば分子エンティティのより広範にわたる状況が明らかになり、新しい薬物ターゲット、シグナル伝達ネットワーク、疾患マーカーの発見を可能にします。2
  • 偏りのない研究:NGSは、複数の「オメ」(マルチオミクス)の偏りのないアプローチを可能にし、生物学的現象、パスウェイ、システムのこれまでに得られていない洞察を提供します。4

多数のサンプルを用いたバリアントスクリーニング研究では、NGSは、従来の方法と比較して、数十から数千の遺伝子のシーケンスに最も効率的で費用対効果の高いアプローチです。

"全く新しいものや特徴のないものを研究する場合、より大きな全体像が必要です。私たちのプロジェクトでは、どのようなメカニズムがパスウェイに影響を与えているかについて多くの不確実性がありました。メカニズムについてほとんど知識がなかったため、NGSのようなより広範なアプローチを用いてメカニズムの全体をより完全に理解する必要がありました。」

従来の手法と比較したNGSの利点

NGSでは、従来の手法と比べてわずかな時間とコストで膨大な量の遺伝物質をシーケンスすることができ、ラボでのより深い探索を可能にします。2-5 NGSと以下の従来の分子生物学手法との比較の詳細はこちら:

イルミナのNGSには、従来の読み取りとカウントアプリケーションのパワーが組み合わさっています。NGSを用いた1回のアッセイで、何千もの転写産物の完全なシーケンスを同定し、発現変化を定量化。6-10

NGSシーケンスの利点のダイアグラム
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次のステップ

NGSが適している場合、次にすべきことは、どのアプリケーションと手法を実行したいか検討し、期待される出力とアプリケーションのニーズに合った装置を選択することです。

NGSのアプリケーションと手法

大きな規模と偏りのない発見力を持つNGSは、さまざまな基礎研究やトランスレーショナル研究分野で使用することができます。多様なサンプルタイプを使用してさまざまな生物学的システムへの理解を深めることで、研究の範囲を広げ、どんな大胆な研究アプリケーションに対する答えも見つけることができます。

NGSアプリケーションの詳細を見る

ベンチトップ機器

ベンチトップシーケンサーは、新規ユーザーに適した出発点です。オペレーションのシンプルさ、事前設定されたデータ解析ワークフロー、オンボード二次解析、ターゲットシーケンスなどのさまざまな一般的なアプリケーションのための高速ワークフローなどの機能を提供します。シーケンサーの種類と選択方法の詳細はこちら。

ベンチトップ機器の詳細を見る

関連リソース
NGSワークフロー

NGSワークフローにおける3つの主なステップ、すなわちライブラリー調製、シーケンス、データ解析を説明しています。

NGSコストに関する考慮事項

テクノロジー革新により、NGSははるかに手頃な価格で得られるようになりました。すべてのコストの概要を示し、実験予算を計画するのに役立つリソースをまとめました。

NGSチュートリアルとリソース

NGSの主な概念を理解するのに役立つチュートリアルの包括的なリストです。ライブラリー調製、シーケンス、およびデータ解析のヒントとベストプラクティスについて説明した動画、オンライントレーニング、およびナレッジ記事です。

ご質問がありますか?

お客様の現在のシーケンス手法について、NGSがどのようにそれらを補完または置換できるかについてお話しさせていただきます。当社の専門家が、お客様の研究目標とNGSに関するご相談にお応えします。

製品情報のリクエスト

参考文献
  1. Myllykangas S and Hanlee JP. Targeted deep resequencing of the human cancer genome using next-generation technologies. Biotechnol Genet Eng Rev. 2010; 27: 135–158.
  2. The Scientist. Modern Multiomics: Why, How, and Where to Next? May 15, 2023 https://www.the-scientist.com/modern-multiomics-why-how-and-where-to-next-71113. アクセス日:2023年5月22日
  3. Arteche-López A, Ávila-Fernández A, Romero R, et al. Sanger sequencing is no longer always necessary based on a single-center validation of 1,109 NGS variants in 825 clinical exomes. Sci Rep. 2021;11(1):5697. 2021年3月11日発表。doi:10.1038/s41598-021-85182-w
  4. Illumina. Advantages of next-generation sequencing vs. qPCR. https://www.illumina.com/science/ technology/next-generation-sequencing/ngs-vs-qpcr.html. アクセス日:2023年5月22日
  5. Wolff HB, Steeghs EMP, Mfumbilwa ZA, et al. Cost-Effectiveness of Parallel Versus Sequential Testing of Genetic Aberrations for Stage IV Non-Small-Cell Lung Cancer in the Netherlands. JCO Precis Oncol. 2022;6:e2200201. doi:10.1200/PO.22.00201
  6. Illumina. High-impact discovery through gene expression and regulation research. https://www.illumina. com/content/dam/illumina-marketing/documents/gated/gene-expression-profiling-e-book-web.pdf. 2023年3月23日にアクセス。
  7. Conesa A, Madrigal P, Tarazona S, et al. A survey of best practices for RNA-seq data analysis [published correction appears in Genome Biol. 2016;17(1):181]. Genome Biol. 2016;17:13. 2016年1月26日発表。Doi:10.1186/s13059-016-0881-8
  8. EMBL-EBI Training. Functional genomics II: Read mapping or alignment. https://www.ebi.ac.uk/training/ online/courses/functional-genomics-ii-common-technologies-and-data-analysis-methods/rnasequencing/performing-a-rna-seq-experiment/data-analysis/read-mapping-or-alignment/. アクセス日:2023年5月22日
  9. Technology Networks Genomics Research. RNA-Seq: Basics, Applications, and Protocol. https:// www.technologynetworks.com/genomics/articles/rna-seq-basics-applications-and-protocol-299461. 2018年4月6日発表。2023年6月1日にアクセス。
  10. Ma F, Fuqua BK, Hasin Y, et al. A comparison between whole transcript and 3' RNA sequencing methods using Kapa and Lexogen library preparation methods. BMC Genomics. 2019;20(1):9. 2019年1月7日発表。doi:10.1186/s12864-018-5393-3