次世代シーケンスとqPCRの利点の比較

変異を定量するためのより高い発見力とより広いダイナミックレンジ

NGSとqPCRとの比較

次世代シーケンス(NGS)テクノロジーとqPCRテクノロジーとを比較した場合、重要な違いは検出力です。いずれも高い感度で確実なバリアント検出が可能ですが、qPCRでは既知の配列しか検出できません。その一方で、NGSは配列情報に関する事前知識が不要な仮説フリーのアプローチです。NGSは、新規遺伝子を検出できるより高い発見力とレアバリアントや希少な転写産物を定量できるより高い感度を備えています。

NGSテクノロジーとqPCRテクノロジーには、拡張性とスループットの点でも違いがあります。qPCRはターゲット数が低い場合に効果的ですが、ターゲット数が増えるとワークフローが煩雑になります。NGSは多数のターゲットやサンプルの解析に向いています。1回のNGS実験で、一塩基単位の解像度で何千ものターゲット領域においてバリアントを特定できます。

ターゲットNGSとqPCR、どちらを選ぶべきか

それぞれの方法の利点と制約を調べ、ご自分のニーズに合う方法を見つけてください。

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 qPCRターゲットNGS
利点
  • 使いやすいワークフロー
  • ほとんどのラボで資本設備がすでに備わっている
  • より高い発見力*
  • より高いサンプルスループット
課題
  • 限られた数のバリアントしか調べられない
  • 発見力はほぼゼロ
  • 拡張性は低い
  • 少数のターゲット(1~20ターゲット)の場合、コスト効率が低い
  • 少数のターゲット(1~20ターゲット)の場合、シーケンスに時間がかかる

*発見力とは新規バリアントを特定する能力のことです。

NGSとqPCRのコスト効率の比較

qRT-PCRは数種類の遺伝子の発現を定量するのに役立ちますが、既知の配列しか検出できません。一方、NGSを用いるRNAシーケンス(RNA-Seq)では既知の転写産物も新規の転写産物も検出できます。RNA-Seqには事前に設計されたプローブが不要であるため、データセットにはバイアスがなく、仮説フリーの実験デザインが可能になります。

遺伝子発現プロファイリングなどのリードカウント法の場合、NGSのデジタル性によりほぼ制限のないダイナミックレンジが得られます。RNA-Seqではリファレンスシーケンスとアライメントした個々のシーケンスリードを定量するため、相対的ではなく絶対的な発現値が得られます。この幅広いダイナミックレンジにより、最小10%までの発現のわずかな変化を検出することができます。RNA-Seqでは、遺伝子発現の定量だけでなく新規の転写産物、選択的スプライシングアイソフォーム、スプライス部位、small RNA、またノンコーディングRNAも特定できます。1,2

バイオマーカー発見におけるRNA-SeqとqPCRの比較

qRT-PCRからRNA-Seqに切り替えることで、Bosiljka Tasic博士はこれまで発見されなかったマーカーを特定することができました。

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NGSを選ぶかqPCRを選ぶかは、サンプル数、ターゲット領域に含まれる全シーケンス量、予算状況、そして研究の目標などの複数の要素に左右されます。一般的にqPCRはターゲット領域数が少ない場合(20ターゲット以下)や研究の目的が既知のバリアントのスクリーニングや同定に限定される場合に適しています。それ以外の場合は、NGSの方がニーズに適している可能性が高いでしょう。複数のサンプルにおいて複数の遺伝子を同時にシーケンスできるターゲットNGS法では、従来の反復法と比べて時間とリソースを節約できます。また、NGSは発見力がより高いため、新規バリアントの検出も可能です。

ターゲットリシーケンスのガイド

qPCRやその他の従来の方法と比較して、ターゲットNGSがどのように洞察の獲得、時間の節約、結果に対する信頼性の向上において役立つか、こちらからご覧ください。

ガイドのダウンロードはこちら
血圧とエクササイズに関連する遺伝子バリアント

qPCRジェノタイピング法で一貫した結果が得られなかったことから、NGSに切り替えたことで、ゲノムをより広範囲に調べることができるようになりました。

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ターゲットRNA遺伝子発現解析

Frank Middleton博士はRNA-Seqを用いて1回のアッセイで対象の370の遺伝子を解析しました。カスタムqPCRやqPCRアレイであれば桁違いのコストが生じたであろうことが予想されます。

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ターゲットリシーケンス
ターゲットリシーケンス

ターゲットリシーケンスでは、遺伝子のサブセットまたは遺伝子領域を単離してシーケンスするため、ラボのリソースを節約できます。ターゲットリシーケンスの詳細はこちら

ターゲットRNAシーケンス
全ゲノムシーケンスの利点

ターゲットRNA-Seqにより、特定の目的転写産物のシーケンスが可能になり、定量的情報および定性的情報の両方が得られます。ターゲットRNA-Seqの詳細はこちら

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参照文献
  1. Ozsolak F, Milos PM.RNA-Sequencing: advances, challenges and opportunities.Nat Rev Genet.2011;12:87-98.
  2. Wang Z, Gerstein M, Snyder M. RNA-Seq: a revolutionary tool for transcriptomics.Nat Rev Genet.2009;10:57-63.