NGSとサンガーの比較

NGSとサンガーシーケンスの比較

両者の主な違いと、次世代シーケンサーがサンガーシーンシングよりも効果的な選択肢となる場合について理解する

NGSとサンガーシーケンシングの違い

原則的にみて、サンガー法と次世代シーケンサー(NGS)テクノロジーの背景にある概念は似ています。NGSとサンガーシーケンシング(ジデオキシまたはキャピラリー電気泳動シーケンシングとも呼ばれます)の両方で、DNAポリメラーゼは蛍光ヌクレオチドを1つずつ、伸長しているDNAテンプレートストランドに付加します。組み込まれた各ヌクレオチドは、その蛍光タグによって同定されます。

サンガーシーケンシングと次世代シーケンシング(NGS)の主な違いは、シーケンシングの処理量です。サンガー法では一度に1つのDNA断片のみをシーケンスしますが、NGSは大量に変更してシーケンスします。つまり、ランあたり数百万の断片を同時にシーケンスします。このプロセスにより、一度に数百から数千の遺伝子をシーケンスします。また、NGSは、ディープシーケンスにより新しいまたは希少なバリアントを検出するより高い検出力を有します。

1回のアッセイで最大1000x以上の遺伝子シーケンシング

サンガーシーケンシングと比較した場合でのNGSの利点

NGSの利点:

  • より多くのサンプルをコスト効率よくスクリーニング
  • トランスクリプトームの領域全体で複数のバリアントを検出
  • シーケンス深度、変異分解能/感度、検出力を向上
  • より高い感度で低頻度バリアントを検出1, 2
  • サンプル量が多い場合のターンアラウンドタイムを短縮3
  • 包括的なゲノムカバレッジ
  • 検出下限値4, 5
  • サンプルマルチプレックスによる大容量化
  • 数百から数千の遺伝子または遺伝子領域を同時にシーケンスする能力
サンガーシーケンシングとNGSの比較
  サンガーシーケンス法
サンガーシーケンシングでは、目的の遺伝子を精査します。
ターゲットNGS
ターゲットNGSは、数百から数千の遺伝子を同時にシーケンスします。
利点1-7
  • 使い慣れているワークフロー
  • 1~20個のターゲットをシーケンスする場合の費用対効果
  • 高いシーケンス深度が実現する高い感度(1%の変異頻度まで)
  • より高い検出力*
  • より高い変異分解能†
  • 超並列シーケンスにより、ハイスループットワークフローと大規模データセットを実現
  • 遺伝子発現の変化を10%まで検出
課題1-7
  • 感度(検出下限:約15~20%)、スループット、検出力の低さ
  • >20ターゲットでは費用対効果が低い
  • 少数のターゲットをシンプルに検出するのは必ずしもそれほど効率的ではない

* 発見力とは、新規バリアントを同定する能力です。

† 変異分解能とは、同定された変異のサイズです。NGSは、1塩基変異までの大きな染色体再構成を同定できます。

サンガーシーケンシングに代えてNGSを使用する

このアニメーションでは、使いやすく入手しやすいイルミナのNGSテクノロジーがサンガーシーケンス作業をどのように補完できるかを説明します。

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サンガーシーケンシングに代えてNGSを使用する

"「サンガーシーケンシングでは、各サンプルのDNAスナップショットが、通常はサンプルあたり50~100リードと限られています。NGSとその超並列シーケンシングにより、サンプルあたり数万から数十万のリードを得られます。」"

サンガーシーケンシングとNGSの機能比較。このグラフはサンプル数(1~90)と固有のターゲット数(1~45)を比較し、ターゲットNGSまたはサンガーシーケンシングが推奨される場合を示しています。NGSは、シーケンスされたサンプル数と固有のターゲット数が増加するにつれて、サンガーシーケンシングに比べてリソース効率が高くなります。

NGSとサンガーシーケンシングの使い分け

サンガーシーケンシングは、限られた数のサンプルまたはゲノムターゲット(約20以下)でDNAの小さな領域を調べる場合に適しています。そうでない場合は、ターゲットNGSの方がニーズに合うでしょう。NGSにより、より多くのサンプルを費用対効果の高い方法でスクリーニングし、ゲノムのターゲット領域全体で複数のバリアントを検出できます。同じことをサンガーシーケンシングで行った場合、コストが増大し時間も延長します。

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参考文献
  1. Jamuar SS, Lam AT, Kircher M, et al. Somatic mutations in cerebral cortical malformations. N Engl J Med. 2014;371(8):733-743.
  2. Rivas MA, Beaudoin M, Gardet A, et al. Deep resequencing of GWAS loci identifies independent low-frequency variants associated with inflammatory bowel disease. Nat Genet. 2011;43(11):1066-1073.
  3. König K, Peifer M, Fassunke J, et al. Implementation of amplicon parallel sequencing leads to improvement of diagnosis and therapy of lung cancer patients. J Thorac Oncol. 2015;10(7):1049-1057.
  4. Shendure J and Ji H. Next-generation DNA sequencing. Nat Biotechnol. 2008;26(10):1135-1145.
  5. Schuster SC. Next-generation sequencing transforms today’s biology. Nat Methods. 2008;5(1):16-18.
  6. Myllykangas S and Hanlee JP. Targeted deep resequencing of the human cancer genome using next-generation technologies. Biotechnol Genet Eng Rev. 2010; 27: 135–158. 
  7. Illumina. High-impact discovery through gene expression and regulation research. https://www.illumina. com/content/dam/illumina-marketing/documents/gated/gene-expression-profiling-e-book-web.pdf. Accessed March 23, 2023.