mRNAシーケンス

mRNAシーケンスの概要

mRNAシーケンス(mRNA-Seq)は、疾患状態や生物学的プロセスのトランスクリプトームの解析メソッドとして、また広範な研究デザインにおいて、急速に注目を集めています。mRNA-Seqは、遺伝子発現を定量化する高感度で正確な手段であることに加え、既知および新規の転写物アイソフォーム、融合遺伝子、その他の特徴や、アリル特異的発現を同定することが可能です。mRNA-Seqは既知情報のみのフィルターによって狭められない、コーディングトランスクリプトームの詳細な情報を提供します。

シングルセルmRNA-Seq

Norma Neff博士が、スタンフォード大学の研究者が、早期開発を理解するために、どのようにシングルセルmRNA-Seqを使用しているかについて説明します。

インタビューはこちら

mRNAシーケンスの利点

mRNA-Seqには、トランスクリプトームの解析において、遺伝子発現アレイと比較して多くの利点があります

  • より広いダイナミックレンジを提供し、遺伝子発現の倍率変化をより高感度かつ高精度に測定
  • 既知の特徴だけでなく、新規の特徴もキャプチャー
  • 幅広い生物種に適用可能
アレイからmRNA-Seqへの移行について

発現解析は、mRNA-Seqの結果と過去のアレイデータとの比較を容易にするツールを開発しました。

インタビューを読む

トランスクリプトームの正確で高解像度な情報

比率圧縮は遺伝子発現アレイのよく知られた技術的制限であり、ダイナミックレンジを減少させ、測定された転写変化をマスキングまたは変化させることがあります1–3。一方、mRNA-Seqはこのバイアスに左右されず、より包括的で正確な遺伝子発現変化の測定が可能です。

さらに、mRNA-Seqではストランドの情報を得ることができるため、アンチセンス発現の検出が可能になり、オーバーラップする転写物をより正確に定量化でき、アライメント可能なリードの割合が増加します。

自閉症とmRNA-Seq

SynapDx社の社長、CEO、創設者であるStanley Lapidus氏が、同社がどのようにmRNA-Seqを利用して自閉症を研究しているかについて論じています。

動画を視聴
Explore the NextSeq 1000 & 2000 Systems

With over 75 breakthrough innovations, these sequencing systems offer dry instrumentation, easier run setup, and fast secondary analysis with DRAGEN software onboard. Experience our simplest workflows yet, and perform a broad range of emerging and mid-throughput sequencing applications.

Learn More

mRNAシーケンス特集記事

神経細胞の多様性のマッピング
神経細胞の多様性のマッピング

Allen Instituteの研究者は、mRNA-Seqを用いて個々の神経細胞における遺伝子発現を解析し、V1神経細胞を分類しました。

インタビューを読む
発生生物学におけるシングルセル解析
発生生物学におけるシングルセル解析

Dr. Colin Trapnellが、自身のラボにおけるシングルセルmRNA-Seqの実績と、バイオインフォマティクスツールを誰もが利用できるようにするための取り組みについて論じます。

インタビューを読む
RNA-Seqに関する考察
RNAシーケンスに関する考察

RNA-Seqに必要なリード長と深度について学び、実験デザインに役立つリソースを見つけることができます。

illumina knowledgeを読む
ライブラリー調製によるRNAシーケンス

mRNAシーケンスライブラリー調製

当社の高度なRNA-Seqライブラリー調製ソリューションにより、遺伝子発現の定量化、コーディングトランスクリプトームにおける既知および新規アイソフォームの同定、遺伝子融合の検出、アリル特異的発現の測定が可能です。

詳細はこちら

包括的なmRNA-Seqのワークフロー

Sequence by Synthesis(SBS)ケミストリーは、最も広く採用されているNGSテクノロジーであり、世界のシーケンスデータの約90%を作成しています。*

イルミナは、業界をリードするデータ品質に加えて、ライブラリー調製からデータ解析、生物学的解釈までのプロセス全体を簡素化する統合型mRNA-Seqワークフローを提供します。

細菌のシングルゲノムシーケンスのeBookカバー
RNAシーケンスの方法

このRNAシーケンス手法ガイドは、ターゲットパネルから全トランスクリプトームまで、RNAプロファイリングのためのイルミナのソリューションについて解説します。イルミナのRNAシーケンスワークフローは、ライブラリー調製、シーケンシング、データ解析をシームレスに統合し、トランスクリプトーム研究をサポートします。

ガイドをダウンロード

関連ソリューション

がん研究におけるRNA-Seq

mRNA-Seqで遺伝子発現の変化をモニタリングすることにより、研究者は疾患の予後や治療への反応性を予測するバイオマーカーの同定が可能です。がんRNA-Seqについてもっと知る

疾患研究のための遺伝子発現解析

RNA-Seqを用いた遺伝子発現プロファイリング研究により、遺伝的および環境的要因がどのように広範な疾患に関与するかを視覚化することができます。遺伝子発現プロファイルについてもっと知る

RNA薬物反応バイオマーカーの探索

RNA-Seqを使って、新規のRNAに基づく薬剤応答性バイオマーカーを同定する方法をご紹介します。新規ユーザーがこのアプリケーションを使用するためのリソースにアクセスできます。薬剤応答性RNAバイオマーカー分析についてもっと知る

シーケンス手法に関する最新のニュース、研究事例などの情報を電子メールにてご提供します。ぜひご登録ください。

メールアドレスを入力してください。

Additional Resources

RNA-Seq データ解析
RNA-Seq データ解析

ユーザーフレンドリーなソフトウェアツールが、バイオインフォマティクスの経験がなくても、生物学者のためのmRNA-Seqデータ解析を簡素化させます。

低クオリティと FFPE サンプルのための RNA-Seq
低クオリティと FFPE サンプルのための RNA-Seq

ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)および低クオリティサンプルのRNA-Seqにより、疾患研究のための価値のある情報をもたらします。

ペアエンド RNA シーケンス
ペアエンド RNA シーケンス

ペアエンドRNA-Seqにより融合遺伝子や新規スプライスアイソフォームの特徴づけなどの探索アプリケーションを可能にします。

参考文献
  1. Shi L, Tong W, Su Z, et al. Microarray scanner calibration curves: characteristics and implications. BMC Bioinformatics. 2005;6 Suppl 2:S11.
  2. Naef F, Socci ND, Magnasco M. A study of accuracy and precisions in oligonucleotide arrays: extracting more signal at large concentrations. Bioinformatics. 2003;19:178-184.
  3. Yuen T, Wurmbach E, Pfeffer RL, Ebersole BJ, Sealfon SC. Accuracy and calibration of commercial oligonucleotide and custom cDNA microarrays. Nucleic Acids Res. 2002;30:e48.

*社内計算データ Illumina, Inc., 2015