固形腫瘍の分子プロファイリング

治療方針に情報を提供しうる固形腫瘍の変異をより深く理解するための正確なシーケンス技術

固形腫瘍プロファイリング

分子プロファイリングの登場により、腫瘍細胞や周囲組織の形態に依存していた従来の固形腫瘍の分類法の限界が克服されました。1今日、分子プロファイリングは、米国臨床病理医協会(CAP)2および欧州臨床腫瘍学会(ESMO)3が確立したガイドラインにより、固形腫瘍を分類する標準的手法となっています。

同様に、ゲノム技術も進歩を遂げ、分子プロファイリングのニーズに応えるようになりました。次世代シーケンサー(NGS)は、固形腫瘍(肺がん、結腸がん、乳がん、黒色腫、胃がん、卵巣がんなど)に関連する大半の遺伝子を評価する包括的な方法を提供します。NGSはまた、高感度によって腫瘍の不均一性を捉えますが、これは、サンガーシーケンスなどの他の方法では見逃されることが多い点です。4

固形腫瘍の分子プロファイリング コラージュ

NGSを使用した腫瘍プロファイリングは、固形腫瘍との関与が判明している一連の遺伝子、遺伝子領域、またはアンプリコンを解析します。このターゲットアプローチは、希少な変異や腫瘍のサブクローンを検出する高感度を提供し、がんの重要なドライバー変異に対する可視性が高まります。

一つのアッセイで複数の問いに答える

Dr. Ravindra Kolheは、多種多様な固形腫瘍に関連する多数のバリアントを調べるために、イルミナのNGSを使用しています。

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NGSを使用した固形腫瘍プロファイリングは、数百のサンプルに容易にスケールアップできるシンプルなワークフローに従って行われます。臨床研究室は、DNAからレポート作成まで約40時間で行うことができます。このワークフローは単一のシーケンサーを使用するため、臨床検査室での検証ステップを最小限に抑え、臨床研究室の環境にシームレスに統合することができます。

腫瘍学の精密研究のための多剤併用アプローチ

Avera Healthの臨床研究者らは、DNA/RNAシーケンスを使用して固形腫瘍を解析し、複数の薬剤感受性腫瘍パスウェイを発見しています。

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イルミナ製品は、NGSをがん研究室の手順にシームレスに統合しつつ、正確な答えを見出すべく最先端技術を使用するためにがん研究室を支援します。ライブラリー調製キットは、アーカイブの固形腫瘍組織に対応し、大量のサンプルを処理するために容易にスケールアップすることができます。

イルミナのシーケンサーは、業界をリードするシーケンスを提供し、世界中のシーケンスデータの約90%を生成しています。* 効率的なレポート作成能力により、臨床検査室は重要な所見を標準形式でアノテーションし、分類し、情報を伝えることができます。

以下のをクリックしてワークフローの各ステップに対応する製品をご覧ください。

TruSight Tumor 170

包括的なパネルは、固形腫瘍の進行の一因となる1塩基変異(SNV)、増幅、および融合遺伝子を検出します。

TruSight Tumor 15

関連する固形腫瘍の体細胞バリアントを、サンプルからデータまでのシンプルなワークフローで評価する、焦点を絞ったパネル。

TruSight RNA Pan-Cancer

FFPEを含む大半の腫瘍学サンプルタイプでの遺伝子発現、バリアントおよび融合遺伝子検出のために1385種のがん関連遺伝子をターゲットにしています。

TruSight RNA Fusion

多くのがん種における融合関連遺伝子をターゲットとし、既知および新規の融合遺伝子パートナーを検出する能力を有する遺伝子融合検出パネルです。

TruSight Oncology 500

低品質のサンプルでも、腫瘍変異負荷(TMB)やマイクロサテライト不安定性(MSI)など、複数のバリアントタイプをターゲットにしたアッセイ。

AmpliSeq for Illumina Cancer HotSpot Panel v2

がんとの関連性が確認されている50個の遺伝子のホットスポットを調べる標的研究パネル。

AmpliSeq for Ilumina Focus Panel

固形腫瘍との関連が判明している52種の遺伝子を調べるターゲットDNA/RNA研究パネル。

AmpliSeq for Illumina Comprehensive Panel v3

広範囲のがん型との関連が判明している161種のバリアントを調べるためのターゲットDNA/RNA研究パネル。

AmpliSeq for Illumina Comprehensive Cancer Panel

がんとの関連が判明している409種のエクソン領域を調べるためのターゲット研究パネル。

NGS Target Enrichment

特定の研究的興味に関連するゲノム領域をターゲットにします。

MiniSeqシステム

固形腫瘍のロースループット ターゲットシーケンスに対する最もシンプルで経済的なソリューション。

MiSeqシステム

シンプルなNGSワークフロー、統合されたデータ解析ソフトウェア、および比類のない精度を備えたデスクトップシーケンサー。

MiSeqDx システム

FDA認証の‬体外‬診断NGSシステム。研究(RUO)モードでは高精度な信頼性の高いデータを生成することもできます。

NextSeq 1000および2000システム

これらの画期的なシーケンサーは、現在および新たなアプリケーションに対応する柔軟性、これまでにないシンプルなワークフロー、最短2時間でのデータ解析を実現します。

MiSeq Reporter

MiSeqシステムで使用する解析とバリアントコール向けの使いやすいソフトウェア。

バリアント解析

ゲノムバリアントデータに対する生物学的洞察を提供するパワフルな解析/レポート作成ツール。

BaseSpace Sequence Hub

NGSデータ解析と管理を行うイルミナのゲノミクスコンピューティング環境。

Local Run Manager

装置上でデータ解析を自動的に実行する、使いやすいソフトウェア。

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参考文献
  1. Cross D, Burmester JK. The promise of molecular profiling for cancer identification and treatment. Clin Med Res. 2004;2:147-150.
  2. Lindeman NI, Cagle PT, Beasley MB, et al. Molecular testing guideline for selection of lung cancer patients for EGFR and ALK tyrosine kinase inhibitors: guideline from the College of American Pathologists, International Association for the Study of Lung Cancer, and Association for Molecular Pathology. J Thorac Oncol. 2013;8:823-859.
  3. Mosele F, Remon J, Mateo J, Westphalen CB, et al. Recommendations for the use of next-generation sequencing (NGS) for patients with metastatic cancers: a report from the ESMO Precision Medicine Working Group. Ann. Oncol. 2020;31(11):1491-1505.
  4. Jamuar SS, Lam AT, Kircher M, et al. Somatic mutations in cerebral cortical malformations. N Engl J Med. 2014; 371:733–43.

* 社内計算データにより Illumina, Inc. 2015.