ターゲットRNAシーケンス

ターゲットRNAシーケンスの紹介

ターゲットRNAシーケンス(RNA-Seq)は、選択した特定の転写産物だけをシーケンスすることで高精度な結果が得られる手法です。定量的情報と定性的情報の両方を提供します。ターゲットRNA-Seqは、エンリッチメントまたはアンプリコンベースのアプローチのいずれかによって達成することができ、どちらも目的とする遺伝子群にフォーカスして遺伝子発現解析を可能にします。また、エンリッチメントアッセイは、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織を含む多くのサンプルタイプで、既知および新規両方の遺伝子融合パートナーを検出する機能も提供します。

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ターゲットエンリッチメントRNA-Seqの利点

RNAエンリッチメントは、定量的な発現情報のほか、小規模バリアントや遺伝子融合の検出を行います。RNAエンリッチメントは以下を特徴としています。

  • FFPE組織などの難しいサンプルに対応
  • 低インプット(10 ngのトータルRNAまたは20~100 ngのFFPE RNAが必要)
  • 既知の融合遺伝子パートナーと新規の融合遺伝子パートナーの両方を検出
  • 幅広いダイナミックレンジで遺伝子発現をプロファイリング

ターゲットアンプリコンRNA-Seqの利点

RNA発現パネルは、関心のあるRNAシーケンスに焦点を合わせるように設計することも、カスタムコンテンツを完全に最適化し実験的に検証したパネルに追加することもできます。

  • 関心のある転写産物を測定するための、非常に正確で特異的な方法を提供
  • 発現差解析、アリル特異的発現の測定、および遺伝子融合検証のための定性的および定量的情報を提供
  • 数十から数千に及ぶターゲットを同時に測定
  • 低品質またはFFPE由来のRNAサンプルに対応
小児白血病におけるがんパスウェイに関する新たな見解

研究者たちは小児白血病における融合遺伝子の役割を理解するためにTruSight RNA Pan-Cancer Panelを使っています。

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*データ計算はファイルに保存しています。Illumina, Inc., 2015