Illumina Stranded mRNA Prepなら、少ないバイアスでスケールアップ
はじめに
Jongsuk Chung博士は、Geninus Inc.のゲノムセンターの所長で、NovaSeq™ 6000、NextSeq™ DxおよびiScan™を含むイルミナの複数の装置を使用したさまざまなゲノミクスおよびトランスクリプトミクスの研究プロジェクトを指揮しています。Jongsuk博士に、Illumina Stranded mRNA Prepを使用した研究と経験について質問したところ、博士は、Illumina Stranded mRNA Prepの使用により、Geninusが研究の範囲を拡大し、市販されている他の製品よりも少ないバイアスで、自身の新しいデータを既存の(公開)データと比較することが可能になると説明しました。
Illumina Stranded mRNA Prepは、効率化を実現したRNA-Seqソリューションであり、トランスクリプトームを明確かつ網羅的に解析することができます。さまざまなサンプルタイプに柔軟に対応し、トータルRNA25 ngという少ないインプット量に対応できます。Illumina Stranded mRNA Prepは、ストランドの向きを精確に測定することができます。また、均一なカバレッジを実現し、未知のアイソフォーム、遺伝子融合、アリル特異的発現といったさまざまな特徴を確実に検出することができます。
Q:研究において、Illumina Stranded mRNA PrepおよびLigationをどのような用途に使用されますか?
A:我々は主に、がんや希少遺伝性疾患などのヒトの疾患に関する臨床検体を用いたトランスレーショナル研究に参加しています。トランスクリプトーム解析は、分子特性を定義する側面において、共同研究者と共に行う研究の基本的かつ不可欠な部分です。トランスクリプトーム解析に由来する知見によって、分子パスウェイや際立った特徴の制御をより深く理解し、診断や治療法の潜在的マーカーを同定することができます。遺伝子制御に関する研究には他にも多くのアプローチがありますが、mRNAシーケンスは依然としてその最初のステップです。
Q:なぜIllumina Stranded mRNA Prep, Ligationを選んだのですか?
A:mRNA-Seqデータは、通常、研究のために単独で作成されますが、多くの場合、すでに生成されたデータと一緒に解析されます。すでに生成したmRNA-Seqデータの多くは、イルミナのmRNA調製キットを使用して行われており、様々なmRNA-Seq技術のバイアスを減らすのに役立ちます。さらに、特にRNAの初期必要量やハンズオンタイムなど、ユーザーの利便性を向上させるためのプロトコールが定期的に更新されています。
すでに生成したmRNA-Seqデータの多くは、イルミナのmRNA調製キットを使用して行われており、様々なmRNA-Seq技術のバイアスを減らすのに役立ちます。
Q:Illumina Stranded mRNA Prep,Ligationに対する印象と、それについて気に入った点を教えてください。
A:この製品のプロトコールは、分子実験に慣れていないユーザーに対して、わかりやすく説明されており、シンプルです。このmRNA-Seqキットから生成されたシーケンスデータのQCメトリクスは、我々の基準をほぼ満たしていることを示しています。また、実験のプロセス時間が短縮されたため、作業時間内により多くのサンプルを実行できます。
Q:イルミナのRNAシーケンス製品(ライブラリー調製、シーケンス、データ解析、保管および共有)について、今後どのようなことを期待されますか?
A:RNAの品質が理由で解析できなかったサンプルがいくつかあります。もし、イルミナに現在のプロトコールよりも低品質のRNAを解析できる製品があれば、非常に有用です。mRNA strandedキットとCDS(コーディングシーケンス)キャプチャーベースの方法の間で遺伝子発現値の相関性が比較的高いため、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)ブロックなどの保管方法を用いて、より幅広い種類のサンプルをバイアスなく同時に解析することができます。ほとんどの臨床検体は、このFFPE法を用いて保管されています。