FMRIはイルミナの新しいエクソーム濃縮を用いてゲノム研究の効率向上を実現しています

Future Medicine Research InstituteのChief ResearcherであるSookyoung Kim氏がIllumina DNA Prep with Exome 2.0 Plus Enrichmentの評価結果について語ります。

FMRIはイルミナの新しいエクソーム濃縮を用いてゲノム研究の効率向上を実現しています

FMRIはイルミナの新しいエクソーム濃縮を用いてゲノム研究の効率向上を実現しています

はじめに

Sookyoung Kim氏は韓国のCHA University Medical Centerの主要分院である、Gyeonggi-doにあるCHA University Bundang Hospital(CUBH)のFuture Medicine Research Institute(FMRI)に所属するChief Researcherです。FMRIはCHA University Medical Centerの研究者たちを支援するために最近設立されました。FMRIではRUOモードのNextSeq™ 550Dxシステムを用いてさまざまなNGSサービスを提供することを計画しています。Kim氏には、Illumina DNA Prep with Exome 2.0 Plus Enrichmentの最近の使用経験について伺いました。

CHA University Medical Centerは女性の医療と生殖における専門科を有する7カ国、86の分院の施設で構成されています。1986年、韓国で初めて体外受精(IVF)手技を成功させ、現在韓国でIVFに対して最も信頼される病院の1つです。近年、研究に重点を置いた一流の医療機関として、難病に対する治療法や新薬の開発を目指しています。

Illumina DNA Prep with Exome 2.0 Plus Enrichment

Illumina DNA Prep with Exome 2.0 Plus Enrichmentは、ライブラリー調製から始まり、高性能なシーケンス機器、受賞歴のある二次データ解析DRAGEN™ Enrichmentアプリから成る、イルミナの包括的なエクソームソリューションのコンポーネントです。

Illumina DNA Prep with Exome 2.0 Plus Enrichmentはハンズオン調製時間がより短く、ターゲット領域のカバレッジが改善され、コスト効率の良いパネルサイズを特長としています。また、それだけではなく、ライブラリー調製からデータ解析まで、単一のベンダーと単一のプラットフォームで効率良く実施することも可能です。

質問:FMRIでエクソームライブラリー調製を実施するにあたり、Illumina DNA Prep with Exome 2.0 Plus Enrichmentを用いた結果は満足のいくものでしたか?

回答: 全体的に、結果は満足でした。高いターゲットカバレッジ、最高の均一性(98%以上)、良好なオンターゲット率(93%以上)、および低い重複率(約10%)を確認し、シーケンスデータの生産効率が上昇し、シーケンスのランニングコストが削減されました。

質問:Illumina DNA Prep with Exome 2.0 Plus Enrichmentは、現行のNGS以外の手法による遺伝子検査や小さな遺伝子パネル検査による遺伝子検査を集約できると思いますか?

回答: Illumina DNA Prep with Exome 2.0 Plus Enrichmentは解析の精度とスピードの点で大きな利点があるため、現行の遺伝子検査に置換する価値があります。NGS以外の手法や小さな遺伝子パネル検査と比べ、複数のターゲットを検査する場合は特に有益です。ただし、体細胞変異解析はより高いリード深度が必要であり、体細胞変異に対するエクソームは、シーケンスコストの理由から新しいバイオマーカーの発見目的にのみ適していると考えられています。一方で、ラボの研究者にとっては、操作が簡単な機器や、簡単に実施できるワークフローへのアクセスが重要です。既存のライブラリー調製プロトコールと比べ、Illumina DNA Prep with Exome 2.0 Plus Enrichmentのワークフローはシンプルであり、データ再現性も優れていました。

Illumina DNA Prep with Exome 2.0 Plus Enrichmentは解析の精度とスピードの点で大きな利点があるため、現行の遺伝子検査に置換する価値があります。

質問:現在使用しているオープンソースの二次解析と比較して、DRAGEN™を用いる利点は何でしたか?

回答:NGSパイプラインの実行時間がDRAGENを用いることで大幅に短縮したことが印象的です。また、BaseSpace Sequence Hub(BSSH)のコマンドラインインターフェース(CLI)もクラウドへファイルをアップロードする時間を大幅に短縮するため、大きな利点と思われます。さらに、操作しやすいインターフェースは専門家ではない人がこのプラットフォームを使用するために便利になっています。私たちの解析結果に関して言うと、DRAGENのターゲットカバレッジ深度、平均ターゲットカバレッジ深度、Q30は、すべてのサンプルにおいて私たちの解析パイプラインよりも高いものです。DRAGENと私たちの解析パイプラインのバリアントを比較すると、SNPの約90%がすべてのサンプルで一致し、Indelバリアントの約65%が一致しました。十分なカバレッジ深度と一貫性のあるコールレベルであると評価できます(図1)。

図1:従来のパイプライン(NA12878と表示)およびDRAGEN Enrichmentアプリのそれぞれでコールされたすべての種類の変異に関するベン図

質問:Illumina DNA Prep with Exome 2.0 Plus Enrichmentを用いたライブラリー調製とRUOモードでNextSeq™ 550Dxシステムを用いたシーケンスを含め、全体のワークフローについて一番良かった点と最大の機会は何でしたか?

回答: ライブラリー調製プロセスがシンプルでした。ハンズオンタイムが短縮し、結果の質も満足しています。ただし、酵素タグメンテーションメソッドを使用する場合、DNAの純度が重要であるため、多くのサンプルがこの基準を満たしません。そのため追加のガイドライン(例えば、インプット量やプレPCRサイクルの増加、プーリング率の調節など)を準備する必要があるように思います。

ライブラリー調製プロセスがシンプルでした。ハンズオンタイムが短縮し、結果の質も満足しています。

質問:この評価のプロセスを通して、イルミナが提供したサポートについてどのように感じますか?

回答: BSSHの使い方に関する詳細な技術的アドバイスや、さまざまな問い合わせに対してイルミナが提供してくれた親身な解決策に感謝しています。私が出会ったIllumina Koreaの皆さんはイルミナ製品に対する愛着があり、製品の強みを正確に伝えようとしていました。全体的に見て、このサポートは非常に感心させられました。イルミナが優れた性能のある製品によってさまざまなゲノム研究をサポートし続け、これらのテクノロジーを進歩させ続けてくれることを願っています。FMRIでの私たちの成功はイルミナの進歩と互いに頼り合う関係だと確信しています。

FMRIでの私たちの成功はイルミナの進歩と互いに頼り合う関係だと確信しています。

この事例の研究で示された製品の詳細はこちら:
DNA Prep with Exome 2.0 Plus Enrichment